韓国の大学入試「スヌン」で韓国の受験文化を知る!
こんにちは!ソウルナビです。毎年11月の半ば頃に行われる韓国の全国共通大学入試試験、「スヌン」が今月の15日に今年も行われました!スヌンとは「修学能力試験」を省略した「修能」、韓国語にすると「スヌン」と読みます。学歴社会、韓国において若者たちの未来を左右するかもしれないスヌン、この時期になると街のあちこちでスヌンに関連する様々な風景が見られ、韓国では毎年この季節の恒例行事のようになっています。今年もつい先日行われたスヌン、その様子をお伝えしましょう~!
スヌンは韓国の一大行事!?
日本にも大学入試センター試験という全国共通の大学入試の試験がありますが、センター試験とスヌンはちょっと違う!?センター試験が国立(現在の正式名称:国立行政法人)や公立の大学と一部の私立大学受験のための共通試験で、大学受験のために必ずしも受けなければいけないものではないのに対して、韓国のスヌンは大学に進学するために受験生はみんな受けなければならない試験なんです。高校3年生まで勉強してきたことが、まさに全国一斉に試される「スヌン」!このスヌンの点数によって大学の合否が決まってしまうのです。
しかし、韓国のスヌンと日本センター試験が違う点はここだけではありません!日本よりもはるかに厳しい学歴社会の韓国では、少しでも「いい大学」に入ろうとみんな必死。受験生が一生懸命勉強するのはもちろん、受験生を持つ親や周りの人は受験生を励まし応援しようとまた一生懸命になります。そういう訳で、スヌンが近づいてくると街にはスヌン応援グッズがあふれたり、スヌン当日には試験会場周辺が応援に駆けつけた人でいっぱいになったり。その光景はもはやこの季節の風物詩のひとつになっているんです。
■スヌンの風景あれこれ■
今年2007年は11月15日にスヌンが実施されました。毎年、「スヌンの日はすごく寒い!」と言われているのですが、今年は当日に気温がそれほど下がることはなく例年と違って比較的暖かい日に行われた今年のスヌン、数日前の街の様子から試験当日まで、その様子を追ってみました!
街もスヌン準備!?試験前日までの様子
《お店や街角に並ぶ、スヌン応援グッズ》
スヌンの1週間ほど前になると、まず登場するのがスヌン関連のグッズ。お店に受験生を応援するための商品が並び始めます。受験生たちに応援の気持ちを込めて贈り物をする習慣があるのですが、プレゼントするものはやっぱり「合格」を連想させたりする縁起の良いもの。代表的なものは餅や飴のようによく「くっつく」もので、これは「試験に受かる」というのを韓国語で「試験にくっつく」という表現をするというところからきています。その他、縁起のよい語呂合わせの文字が入ったお菓子や応援用のメガホンなど、様々な商品で街角や店頭にスヌンコーナーを作っています。
縁起のいい言葉をダジャレにしたオモシロ商品!
栄養ドリンク「バッカス」のパロディ「タカッス」(「大学にみんな行く」という意味)!
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朝鮮人参「ホンサム」が「チャルチサム」に(「上手く試験を受ける」という意味です)
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左下、「ビタ500」飲料は「ブト500」(「ブト」が「受かる」)
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「試験をバコバコ打って(受けて)」
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《「どうか、うちの子が受かりますように!」ひたすら祈る親たち》
スヌン前にお寺などへ行くと、我が子の合格を祈る受験生のご両親の姿が見られます。
前日は親子連れも多く見られました
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「大学円満合格」や「スヌン高得点」などの願い事が
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高校生の娘の写真を前に置いて祈るお母さん
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両親と受験生の娘と見られる家族
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《試験会場をしっかり案内!》
試験の2日くらい前から地下鉄の駅やバスなどの公共交通機関に、スヌンの会場となる高校への道案内表示ポスターなどが登場します。
《応援組、前日からスタンバイOK!》
試験前日の夜、会場となる高校へ行ってみると、なんともう正門前では後輩達が先輩の応援の準備をしていました!すごい気合の入りようです!
■いよいよ試験当日~!!■
試験は8時10分までに入場、8時40分に開始。試験当日、朝7時半頃には試験会場の高校の正門前には受験生を応援しようとする人であふれていました。
同じ大学入試でも、詳しく見てみると日本のとは雰囲気が大きく違う韓国の大学入試の風景。「文化の違い」を感じてしまいませんか?!今年も無事終わったスヌン、また来年もこの時期に同じような風景を見せてくれることでしょう。受験生のみなさん、おつかれさまでした~!そして、来年の受験生のみなさん、次のスヌンの主役として頑張ってくださいっ!!みんないい結果が出ることを祈って・・・以上、ソウルナビでした!
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記事登録日:2007-11-19