夏バテ防止のスタミナ料理、韓国のドジョウ鍋
アンニョンハセヨ、プサンナビです。今日は、プサンナビ初登場の料理、チュオタン(ドジョウ鍋)のご紹介です。チュオタンは、韓国の人にとっては、体に良い食べ物として好まれているのですが、その栄養面だけではなく、味の面でも淡泊さが魅力の一品。その上、お値段もお手頃と言うことから人気の料理でもあるのです。日本でドジョウ料理というと卵でとじて柳川鍋というかんじですが、韓国には、韓国独特のドジョウ料理が存在するのです。
ドジョウには栄養がたっぷり
韓国のドジョウ料理をご紹介する前に、まずはドジョウのすごさからご紹介しましょう。韓国では昔からドジョウは栄養満点の健康食として認知されてきたようで、韓国の韓方医学の発展に大きな影響を与えたと言われる朝鮮時代の『東醫寶鑑』とという医学書にも「ドジョウは性質が温かく、味は甘い。毒がなく胃腸を保護し、下痢を止める」と記されているほどです。そのほかにも、ドジョウにはこのような特徴があるんだそうです。
良質のタンパク質が主成分で、鉄分、カルシウム、ビタミンが豊富。
ビタミンA、Dが特に多く含まれていて、視力の低下、肌荒れ、疾病に対する抵抗力の不足に卓越した効果。
不飽和酸脂肪が含まれているので、コレステロールを溶かし、高血圧や動脈硬化に効く。
現代人に必要なミネラルと高タンパク質が多く含まれているので、成人病予防になる。
ドジョウ鍋の本場、全羅北道南原(ナンウォン)生まれのおばあさんが創始者
そんな栄養たっぷりのドジョウだけにやっぱり人気が高く、韓国国内ならどこでもチュオタン屋さんを見かけます。でも、本場は全羅北道の南原(ナンウォン)と言われる所で、その南原にはたくさんのチュオタン屋さんがあるんだとか。今日、ご紹介する「南原チュオタン」さんも、53年前にその南原にお店を創業。時間をかけて、次々に他の地域にもお店をオープンさせ、地下鉄中央洞駅近くにある、釜山店は約1年半前にオープンしました。今では全国に約17のお店を構えているそうですが、チェーン店というわけではなく、どのお店も創始者であるおばあさんの子供であったり、孫であったりと親戚での直営を行っています。中央洞店の店長さんも創業者の息子さんに当たります。そしてどこのお店でも、ドジョウやその他の材料の量、煮る時間など、細かいことを創業者のおばあさんが伝えるままで行い、創業時そのままのオリジナルの味を再現しています。
4時じっくりと煮込みます
ドジョウはすべて南原から直送されてくるもの。できるだけ鮮度を保つために毎朝ご主人がお水をきれいに取り替えていらっしゃるので、元気なドジョウがお店の前で飛び跳ねています。このドジョウをまずは秘伝の方法で洗浄します。(これは大事な企業秘密だそうです)この洗浄により、ドジョウの泥臭さが消されます。そして、じっくりと煮込み、煮込んだドジョウをすりつぶした中に、干し大根の葉、ネギ、唐辛子粉などをいれさらに煮込みできあがり。毎朝、4時間かけて煮込まれるというだけに深い味わいが出ています。そして、ドジョウの骨まで使ってしまうのもこちらのお店の特徴。これで、カルシウムもUPです。
山椒、塩、唐辛子などでお好み調整
煮込むときに、コチュカルを入れるので、多少ピリッとした辛さがあるものの、どちらかというと辛くない食べ物。辛いのが大好きな韓国の方は、いっしょに出される青唐辛子を刻んだものを入れて辛さを楽しむのが一般的。また、テーブルに置いてある山椒や、お塩で味を調節して頂きます。煮込んで、煮込んで煮込み尽くされているので、ドジョウの影も形もありませんが、この中に栄養がぎゅっとつまっているのです。お味の方はと言うと、淡泊でありながら、深みのあるお味、そしてまったくクセがありません。中に入っている干し大根の葉もまた良いお味になっています。
本来は冬場の寒いときに体を温めるものとして食べたそうですが、栄養素が高いだけに、暑さに弱りがちな夏場にも、スタミナ補給として食べる方が多いそうです。ドジョウ鍋の他にも、粉末にしたドジョウが入ったパジョン、ドジョウの天ぷらなどもそろっています。おいしく、栄養満点の韓国のドジョウ料理で精をつけるのはいかかがですか?以上、プサンナビがお伝えしました。