エイの刺身入りのビビン麺は50年続く庶民の味
アンニョンハセヨ、プサンナビです。韓国、釜山についてのガイドマップや情報雑誌で必ずと言っていいほど取材されているお店があるんです。ナビ的にもかなり気になっていたお店で、一度プサンナビで紹介したいな~と思っていたお店がついに取材要請を受け入れてくれました!!そのお店とは、庶民の味を守り抜いて50年という老舗のフェグクスの店「ハルメチッ」。現在は2代目が継ぐこちらの伝統あるフェグクスに迫ってみることにしましょう。
50年の引き継がれた庶民の味
世代を越えてお店が続くことが珍しい韓国で2代目というこちらのお店は、開業から50年以上も続く老舗中の老舗。お店がある場所も地下鉄南浦洞(ナンポドン)駅近くの昔ながらの雰囲気を残す小さい路地の角にあり、懐かしい昔の街を感じることができるんです。長年続くお店だけに、お客さんも開業当時から足繁く通ってくる常連客がほとんどなんだとか。その常連客同士がこのお店を通して結婚したり、友達になったりする面白いエピソードもあったりと、長い年月、お客さんに愛されている理由が垣間見れます。
ハルメチッという屋号
そんなお客さんの支えでこの50年間やってこれたんです、と現在の社長さん2代目は笑顔でお店の話をしてくれました。50年前に今の社長のお母さんが始め、最初は、現在の店の半分もないくらいの小さい店で、店の名前もないお店だったんだそうです。現在ある屋号は、お客さんが前社長さんを「ハルメ!ハルメ(釜山の訛りでおばあさん)!」と呼んでいたことから、いつの間にかお客さんの間で「ハルメチッ(おばあさんの家)」という屋号で認知されて、そのままその屋号にしたんだとか。お客さんに愛されてきたからこそ今でも店を続けていける、そう思ってます。と社長さん。3代目は娘さんが継ぐんですか?というナビの質問に、「娘はいるんですが、今外国で勉強してまして、きっと店を継ぎたいとは言わないでしょうねぇ。でも店は無くしたいくないです。」と応えてくださりました。
珍しいカウンター式店内
お店に入って先ず思うのが、カウンター式のテーブル。日本ではラーメン屋さんや牛丼屋でおなじみなので一般的ですが、韓国ではこういった形式のお店はとても珍しいんです。その理由を伺ってみると、お店を始めた当初、前社長一人で店を切り盛りしていたため、厨房で料理を作り、注文をとり、配膳をするとなると、お客さんの前にエプロン姿で出なくてはいけなく、失礼だと考え、腰から下のエプロンが見えないカウンター式のテーブルを使うようになったんだそうです。その名残で、従業員が増えた今でもカウンター式のテーブルを採用しているんだとか。
看板料理「フェグクス」
フェグクスとは何?と思われた人も多いはず。フェとは刺身を指し、グクスとは麺料理のことを指します。注文するとすぐ出てくるフェグクスは、シンプルなトッピングになっていて、茹でたチュンミョン(素麺よりも太い麺)の上に、サニーレタス、キャベツの千切り、わかめ、そしてカオリ(エイの刺身)が盛られています。ヤンニョンジャン(薬味)として、チョジャン(コチュジャンにお酢を加えたもの)を掛け、辛さを調節していただきます。見た目よりも結構辛いので、ヤンニョムジャンを控えめに加えていくと良いでしょう。シャキシャキとした野菜と柔らかいエイの刺身、麺が良い感じで絡み合い、スルスルっと食べてしまえる一品です。この味が忘れられないと何年後かにお店を訪ねてくる人も入るほどなんだそうです。
フェグクスが入った器を見るとかなり年季が入っていることがわかります。ずっと同じものを使っていて、一度他のデザインに変えようかと悩んだものの、やはり昔ながらの懐かしい味を表現するには、この年季が入った器が一番とそのまま使っているそうなんです。
寒いときはムルグクス
寒い季節にオススメしたいのが、こちらのムルグクスです。煮干でじっくりダシを取った汁に素麺、キュウリ、卵、わかめが入ったシンプルな一品。汁を飲むだけでも体の芯から温まるんだとか。
地元の人で賑わう伝統の店「ハルメチッ」で、釜山の50年前の味を試してみるなんていうのも旅行の楽しみ方の一つですよね。味、店内、雰囲気、全て50年前を彷彿とさせる何かがあるこちらのハルメチッオススメです。以上、プサンナビがお伝えしました。