30年前に栄えたナクチポックン通り!
アンニョンハセヨ、プサンナビです。韓国で最も激辛料理と形容される食べ物といえば、ナクチポックン。あの辛さを象徴するかのような赤いコチュジャン(辛味噌)に絡んだナッチ(手長タコ)は、食事としてもお酒のつまみにも相性が合い、韓国の人からも愛されている料理の一つなんです。でも、釜山のナクチポックンは、そこまで辛い料理という位置づけではないのはご存知でした?というのも、釜山のナクチポックンは、鍋料理に近い形態をしているので、スープで辛さが緩和され、比較的食べやすい料理なんです。ということで、今回は、釜山でナックポックンが有名な通りをご紹介したいと思います。
東莱に栄えたナクチポックン通り
昔、釜山の繁華街として栄えた東莱(トンネ)にナクチポックン通りはあります。地下鉄東莱駅から徒歩10分ほど細い路地を進んで行くと、ナクチポックンと掲げた店が数件あるその名物通りが現れます。通りは、約50Mくらいの細い路地で、現在は、4件のナクチポックンのお店が営業をしています。その4件全てのお店には、「元祖」という文字が書き込まれ、一体どこが本当の元祖なの?!と思ってしまうほどなんです。
40年ほど前に始まったのがはじまり
通りにある店、すべてに元祖の書かれていますが、実際、こちらの通りに一番初めにお店を開いたのは、プサンナビでも紹介している「元祖チョバンナッチ」さんというお店。ちょうど今から40年ほど前に、釜山式ナクチポックン(鍋風にアレンジしてあるナクチポックン)が凡一洞(ボミルドン)の「ハルメチッ」でメニューとして出され始め、その元祖のハルメチッから暖簾わけをしてもらい、こちらの場所にお店を開いたのが始まりと言われています。それから、数件、また数件とお店が集まり、30年ほど前から何年か前までは、釜山でも有名なナクチポックン通りとして知られていた名所的な場所だったんだとか。
現在は、同じ店が並んでいては、生き残れないとお店の看板を下ろして他の店に変えたり、場所を移したりして、当時の栄えた名残も残っていない通りとなってしまいましたが、元祖と言われている「元祖チョバンナッチ」さんは、「それでもこの通りにくれば、元祖の味を食べれるとわざわざ遠くからやってきてくれるお客さんがいるので、これからも店を続けていくつもりです。」と語ってくれました。また、国の伝統文化保存会からもこちらのお店の3代目社長さんは、伝統文化保存人に選ばれ、釜山の元祖の味を継承していく一人者として、これからもお店、元祖の味をそのまま引き継いでいってくれるんだそうです。
ダシのスープが決めての釜山式
釜山式ナクチポックンの魅力は、辛さだけでなく、そのスープに隠されています。一般的には、煮干か牛骨で取ったダシスープで薬味を溶かし、そのスープにナッチや野菜を入れ、グツグツと煮ながら、頂くというスタイルが釜山式。薬味で赤く染まったスープの中には、新鮮なナッチや野菜がたっぷり入り、冬の寒い時期にはピッタリの鍋料理といった感じ。
牛骨や煮干の味がしっかり出ているスープと薬味が混ざり、ちょうど良い味に仕上がったスープは、とろみがあり、ナッチや野菜にもちょうど良く絡み、ご飯に掛けて食べるのも、お酒のおつまみとして食べるのにも抜群の相性なんです。また、最後には、ウドンを入れたり、ご飯を混ぜて、ポックンパッ(焼き飯)にするといったアレンジもきくのが、釜山式ナクチポックンの人気の秘密なんですよ。
釜山市内にはナクチポックンが食べられるお店がたくさんあります!しかし、やっぱり同じ料理の店が集まる名物通りで頂くのも、また韓国文化を知る良い機会ではないでしょうか?ソウルとはまた一味違った顔を持つ、釜山のナクチポックン、一度体験してみてください!きっと、あのとろみのあるスープが病みつきになっちゃいますよぉ~。以上、プサンナビが送りしました。