日が暮れると聞こえてくるホルモンを焼く音、人々の笑い声、そして乾杯の音!
アンニョンハセヨ、プサンナビです。ん?白い空?真昼でもないのに白く少し青みがかったようにも見える空を仰ぐことができるここは一体どこでしょうか?韓国中を沸かせた映画「チング(友よ)」にも登場した、そうここが文峴洞(ムンヒョンドン)のホルモン通り!店の明かりよりもホルモンを焼く煙で空を彩るこの通りへさぁ出発です!
夜の活気は太陽エネルギーのおかげ?!
この通りが活気付くのは夜からなので、昼間に訪れた「文峴洞のホルモン通り」はただひたすら静かで平穏な通りでした。ここがあの有名な通りなの?と、思ってしまいましたが、よく見るとどの店も、白くて長いものを処理する姿がありました。
白くて長いもの!?まさか…そう豚の内臓です!なかなかグログロしてますが、炭火で香ばしく焼き上げられると思うとナビの胸も高鳴ります。店の横には遠赤外線効果抜群の黒い練炭が山積みになっていました。
来る者までもイキイキとさせる「文峴洞のホルモン通り」。この活気に魅せられた人々が今宵もここへ集まります。
豚のホルモンもこんなにおいしく!
ここ文峴洞ホルモン道りの特徴は牛のホルモンと豚のホルモンを混ぜて食べることにあります。他のホルモン専門店では牛のホルモンだけを出すのですが、文ヒョン洞では豚のホルモンが主役です。その理由は?そう今では移転してなくなってしまいましたが、もともと文峴洞には70年くらい前から家畜の畜殺場がありました。牛と豚を扱っていたのですが、赤身の肉を取り除いた内臓は新鮮度と保管に問題があったため、ここ文峴洞で販売することになったのです。
そして文峴洞のホルモン通りを訪れる人々の多くは低所得の庶民が中心だったので、高級な牛のホルモンより、安い豚のホルモンが好まれたのは当然の話。こうして現在のように牛のホルモンと豚のホルモンを混ぜる「文峴洞ホルモン」が定着したというわけです。
味の秘訣はこの鮮やかな「赤」にある?!
そしてもうひとつの文峴洞ホルモン通りの特徴は、コチュジャンで焼いて食べるということ!最初から味付けされているのではなく、ホルモンを焼くときにコチュジャンを塗ります。ホルモン専門店ごとにヤンニョンの味は少し違いますが、食欲をそそるこの赤い色がホルモンと絡まりあうときはもう、よだれものです^^。赤いだけにちょっと辛いかもしれませんけど、それは覚悟しておいてくださいね。
扉を取り外して
午後8時を過ぎると突然ギイ~という音が鳴り響きます。びっくりして振り返ると…なんと、あちこちでお店の扉を外しているではないですか!どうしてこんなことを…と思ったのもつかの間、すぐにその理由が分かりました。テーブルを外に移動させているのが見えたからです。
お客さんも次々に増え、店内はホルモンを焼く煙でいっぱいなので扉を外して通りと店とをひとつにしてしまったというわけです。ガスではない炭焼きだからこそできる光景ですよね。こうして、この通りの空はさらに鮮明な白へと変わっていくのです。人々の談笑と共にさらに白く立ち上る煙が、昼間取り入れた日の光のように暖かく感じられました。
映画のおかげでさらに有名にはなりましたが、いつでも変わらず多くの人々の心を捉えて離さない、楽しくて人情味溢れる「文峴洞ホルモン通り」!以上、映画マニアの観光コースと呼ばれるようにもなったここ、活気溢れる夜の文峴洞ホルモン通りからナビがお伝えしました。