タコ、アワビ、季節のお魚など新鮮な海の幸が満載!南道式の韓定食をソウルでリーズナブルに味わおう!
こんにちは!ソウルナビです。今日はいろいろな韓国の海鮮料理がたっぷりと味わえるお店を「ウルドルモッ・カヌンギル」をご紹介しましょう!韓国グルメというとカルビやプルコギなどのお肉系メニューが有名だけれど、海に囲まれた韓国では海の幸もたくさん獲れ、日本とはちょっと違った方法でいただける海鮮料理もおススメ!こちらは韓国でも昔から食文化が発達していると言われる地域、韓国南西部に位置する全羅南道(チョルラナムド)式の海鮮料理がいただけるお店。アワビや牡蠣、ナクチ(テナガダコ)、海草など、主に全羅南道周辺の海で獲れる新鮮な海産物を使った料理がいっぱい登場しますョ。さっそく行ってみましょう!!
◆◇◆COEXの近く、三成洞にあるビジネスマン御用達のお店!◆◇◆
場所はソウル南東部に位置する三成洞(サムソンドン)。三成といえば古い仏教の寺院、奉恩寺(ポンウンサ)や、ショッピングにグルメにレジャーにといろいろ楽しめる大型複合施設「COEX(コエックス)モール」が有名ですよね。お店はこのCOEXモールの西のほう、COEX最寄りの地下鉄2号線サムソン(三成)駅からは少し離れた場所になります。地下鉄を利用して行くならば地下鉄9号線サムソンチュンアン(三成中央)駅からすぐ。大通りに面しているので場所さえしっかりチェックしておけば見つけるのは簡単!入口から続く階段を下りると、お店は地下に~
テーブルは座敷席が中心。4人用くらいの小さな個室から10人くらいまで入れる個室、それからテーブルがずらりと並んだ大部屋までタイプは様々。靴を脱いで上がる座敷だけれど、イスに座るようになっている部屋も。このように、個室が充実しているということで、ビジネスの接待にもよく使われるそう。また個室以外にも気軽に利用できるイスのテーブル席がいくつかあります。
「ウルドルモッ」とは!?
お店の名前でもある「ウルドルモッ」とは、韓国南端にある全羅南道(チョルラナムド)の南海(ナメ)郡と、海割れなどで有名な珍島(チンド)の間にある海峡のこと。その昔、壬申倭乱(文禄の役)で李舜臣(イスンシン)将軍が豊臣秀吉の軍を撃破したことでも知られている場所ですが、この海峡を含め周辺の海域では海産物が豊富に獲れることで有名。そしてこの海に囲まれた全羅南道地方では、海産物を使った料理が発達しています。ソウルで「韓定食」というと宮中料理のことをいうことが多いですが、この地方で「韓定食」というとこれら海の幸をふんだんに使ったコース料理のことをいい、こちらのお店でいただけるコースがまさにこの(全羅)南道式の韓定食なんです。
新鮮な海産物を安く早く!
お店の中にはあわび、ナクチ(テナガダコ)、ひらめなど海産物の入った水槽が。これら料理に使われる魚介類は全て国内産で、主にさきほどご紹介した韓国の南西部で獲れたものが毎日仕入れられるんだそう。安い輸入モノじゃなく、国産の海産物ばかりが使われるなんてお値段が結構するのでは?!と思われるかもしれませんが、こちらの特徴はこれら新鮮で安全な国産の海産物を比較的リーズナブルにいただけるというトコロ。社長さんにうかがってみると、他店より利幅を少なくして価格を安くすることで、お客さんにもたくさん来てもらえるし、またそうすることで新鮮さが命の海産物の回転がよくなり、常に新鮮なものを出せる、というコトとか。なるほど~。
◆◇◆韓国の海の幸たっぷりの南道式韓定食!◆◇◆
それではお店自慢の海産物たっぷり、全羅南道式の料理満載のコースメニューをご紹介しましょう!ディナータイムのメニューはこのコース料理が中心で、内容によってお値段もさまざま。今日はその中からスタンダードなクラスの「ウルドルモッコース」をご紹介しましょう!
●前菜(えごまスープ、アロエジュース、山芋焼き)
韓国料理のコースには最初にミニサイズのお粥が出てくることがよくありますが、こちらではトゥルケ(えごまの実)をすり潰してお粥のようにした「トゥルケタン」(えごまスープ)。時々見かける、カルグクス(うどん風の麺)やスジェビ(すいとん)をこのようなえごまスープでいただくのはもともと全羅南道地方の郷土料理なんですよ。海草や貝、キノコも入っていて風味豊かなトロトロ濃厚スープ。それに焼いた山芋の輪切りに黒胡麻をまぶしたものと、お店特製のアロエジュースが付きます。どれも体に良いといわれる食材で作られた、ヘルシーな前菜!
●海草七折坂
さまざまな食材を細く切って別々に調理し、それらを薄焼きのチヂミのような皮で包んでいただく「九折板(クジョルパン)」や「七折板(チルジョルパン)」は、宮中料理の韓定食に登場する定番メニューですが、こちらは具材が全て海草の「海草七折坂」!いろんな種類の細い海草を少しずつ海苔にのせ、魚の内臓から作られるピリ辛味のチョッカル(塩辛)とニラのキムチを一緒に巻いていただきます。海草というと何だか地味そうですが、海草と海苔のやさしい海の香りにパンチとコクのきいたチョッカルとニラキムチが何ともいえないハーモニーにっ^^ お酒が進みます~
●海産物の盛り合わせ
こちらはコースのメイン料理の一つともいえるヘサンムルモドゥム(海産物の盛り合わせ)。季節の海産物が使われるので、内容は時期によって異なります。この時のラインナップは殻付き生牡蠣、ナマコ、ケブル(ユムシ)、ホンオフェ(発酵させたガンギエイ)、サーモン、さっと茹でたナクチ(テナガダコ)、それにクァメギ。季節の珍味が勢揃いで、海産物好きさんにはたまらない盛り合わせでは!?^^ これらは塩入りゴマ油やワサビ醤油、チョコチュジャン(酢入り唐辛子味噌)をお好みでつけていただきます。
サンマなどの青魚を潮風にさらして半干し状態にする冬の味覚、クァメギは全羅道ではなく慶尚道(キョンサンド)の海辺の地方の郷土料理ですが、冬の間にはこのクァメギが登場することも。食べ方は海苔や昆布の上にクァメギ、生にんにくスライス、青ネギ、などをのせてチョコチュジャンで味をつけ、巻いてから一口でパクリとどうぞ!お酒のおつまみにぴったり!
●生きナクチの足の蒸し物
新鮮な生きたナクチの足を豆もやしと一緒にさっと蒸した料理。半生状態のナクチがプリプリ。塩とゴマ油だけで味付けられているので、シンプルにそのままいただいてもいいですが、チョコチュジャンにつけても~
●アワビとセコシ
セコシとは韓国では一般的な骨付きのお刺身。日本でもこうやっていただくことがありますよね?!セコシは日本語のセコシ(セゴシ)からきています。骨の周りぎりぎりの美味しい部分までいただけるし、韓国では噛み応えが良い!と人気の食べ方なんですよ。こちらは薄~く切られたヒラメのセコシ。食べ方は、ムグンジ(古漬けのキムチ)にセコシをのせ、ニンニクやネギなどの薬味入り味噌でいただくというちょっと変わった方法。これは南道式なんだとか。キムチの酸味と味噌の香りであっさりとしたヒラメが風味豊かに~。骨も細かく切られているのでそんなに気になりません。それから、コリコリ食感のアワビの刺身もついてきます!
●おからチゲ
韓国でもいただくおから。コンビジといい、日本のおからよりも豆の味がしっかりと感じられるものが多いかも。こちらはキムチと一緒におからを煮たコンビジチゲ。トゥッペギ(土鍋)でアツアツに煮込まれたものが運ばれてきます。生モノが続くので、お腹があたたまりホッとする一品。辛すぎず、豆の自然な甘みや香りに癒されます。
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ナクチ炒め全羅南道でよく獲れるナクチを韓国らしいピリ辛炒めにしたナクチポックン(ナクチ炒め)。かなりピリ辛ですが、火の通り具合は半生状態で、直火焼きをしたような香ばしい香りのするナクチポックンは他でいただくのとは違ったお味!
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干し鱈のスープ
日本でも美肌に良いと評判になったプゴグッ、干しダラのスープも付きます。高麗人参やナツメなど漢方も入っており、出汁もよくきいていてホントに深い味わい。こちらも専門店や家庭でいただくものとはちょっと違います!
●エイの蒸し物
韓国語ではカオリという小さなエイを骨付きのまま豆もやしと一緒に蒸したもの。コリコリの軟骨と濃厚なお味の柔らかい白身がピリ辛のソースにマッチ!
●お餅のスープ
韓国のお餅、トッのスープ。こちらはシメのご飯モノにあたります。コースは普通、お酒と一緒にいただくので、シメにはつるりといただけるお餅の軽い汁物というのが嬉しいトコロ。スープは季節によって牡蠣入りだったりファンテ(冬の間に屋外で干した鱈)入りだったり。さきほどのプゴグッやと同様、あっさりながらもしみじみと自然な深いお味です。
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デザート(冷たい梅の実茶、冷凍紅柿)
デザートは消化を促進するメシルチャ(梅の実茶)と、よく熟した柿を冷凍し、トロトロ状態でいただくホンシ(紅柿)。どちらも自然で素朴な甘みがグッド。
☆パンチャン
全て手作りの南道式おかずも美味~。内容は日替わりです。
海鮮尽くしの料理の数々、いかがでしたか!?ご紹介したものの他にも、春はトダリスックッ(メイタガレイとヨモギのスープ)、夏はハモ、秋はチョノ(コノシロ)、冬は牡蠣やセチョゲ(トリガイ)など季節によって様々な海産物料理がいただけます。古くから食文化が発達していて、新鮮で質の良い海産物がたくさん獲れる全羅南道地方のいわゆる南道料理が最近、日本で注目され始めてきているとききましたが、こちらはソウルで海産物をたっぷり使った南道式の韓定食コースが比較的リーズナブルにいただけるお店ということで、気になっていらっしゃる方にもおススメできそう。もちろん海鮮料理好きの方にもおススメですョ!以上、「ウルドルモッ・カヌンギル」からソウルナビがお伝えしました。