香ばしい豆の真っ白な冷たい濃厚スープに絡むお店特製ツルツル麺!ソウルで最も有名なコングクスをお試しあれ!
こんにちは!ソウルナビです。太陽の光がジリジリと焼け付くように全身を襲うソウルの夏。日本の多くの地域よりも北のほうに位置するのに、ソウルの夏もやっぱり暑い!そんな日には韓国で昔から伝わるイヨルチヨル(以熱治熱)で参鶏湯や熱々の辛いスープなんかを汗をかきかき食べるのもいいけれど、暑すぎて食欲がない~なんて時は喉越しすっきり冷たい麺はいかがですか!?韓国料理には夏にぴったりの冷たい麺料理がいろいろありますが、コングクスもそんな暑い日に特においしい麺の一つ。大豆をひいて作った冷たいスープの麺料理で、栄養たっぷり、疲労回復や夏バテにも効果があるそう。今日はそのコングクスの有名店「チンジュフェグァン(晋州会館)」をご紹介します!こちらは1962年創業の老舗で、夏になると行列もでき、コングクスではソウルで最も有名ともいえるお店。ほかのお店より濃厚なスープが特徴ってどんなコングクス?ナビと一緒にお店へ行ってみましょう!
ソウル中心部のオフィス街にあり!
お店の場所はソウル中心部、地下鉄1・2号線シチョン(市庁)駅から歩いてすぐのところ。といっても駅のいちばん端っこのほうの出口に近く、ソウル市庁からは歩いて10分ほど。お店のある辺りは西小門洞(ソソムンドン)といい、会社が密集するオフィス街。また老舗の食堂が集まり、お昼時になるとスーツのサラリーマンがぞろぞろと行き交う会社員たち御用達のグルメ街でもあります。「チンジュフェグァン」もこの場所でお店を構えて50年以上になる老舗。お店の入り口にも堂々と「100%純国産大豆で作った50年伝統の味」との看板が。またこちら、お店の造りがちょっと変わっていて、道の角にアルファベットのL字のような形でお店が建っています。裏のほうにもコングクスの写真やお店の看板が掲げられた小さな入口がありますが、同じお店です。
L字型のお店はちょっと不思議だけど中は広々。2階もあり、テーブルは合わせて450席ほどもあります。夏のランチタイムにはこのすべての席が埋まり、さらに行列もできるとか!お客さんの多くは周辺のサラリーマンなので、お昼の時間をはずして行くのがよさそう~
季節限定メニュー、コングクス
冒頭でもちらっと触れましたが、コングクスとは豆をひいて冷やしたスープに麺が入った料理。韓国では夏にいただく冷たい麺として定番で、多くのお店では夏限定メニューになっています。作り方は、まず茹でた大豆を潰してスープを作ります。これに炒りゴマやピーナッツ、松の実など、好みに合わせて加えると香ばしさが増すそう。このスープを冷やしたものに麺を入れたら完成。麺の上に千切りのキュウリやゴマをのせたりすることも。味付けはシンプルに塩のみで、普通は真っ赤なキムチと一緒にいただきます。蛋白質と不飽和脂肪酸が豊富な大豆を主原料として使っているので疲労回復、動脈硬化、老化防止にも効果がある栄養価の高い健康メニューなんだそう!ちなみにこちらのお店で人気のコングクスがいただけるのは3月1日から11月15日まで(※2016年6月現在)。暑い日のピーク時には1日平均3,000杯ものコングクスが出されるとか!
コングクスの人気の秘密は?
ではこちらのお店のコングクスの人気の秘密とは!?社長さんに聞いてみました!まずポイントは、社長が長い間研究して作り出した香ばしくて濃い特製豆スープ。江原道(カンウォンド)一帯で契約栽培した100%国産の黄太豆(ファンテドゥ)だけを使用しているそう。また豆を茹でる時間も重要で、固ゆででもだめだし、茹ですぎてもだめだとか。豆の臭さを押さえ、豆の香ばしさを最大限に引き出すために茹で加減を調節。そうやって茹でられた豆の皮を剥いて冷やしてから、特製の機械ですりつぶしてスープにするのですが、濃厚スープを作るまでにはまだまだ+α(アルファ)があるとか。でもこれ以上は企業秘密。社長のみぞ知る秘伝で、これから息子さんに少しずつ、一子相伝で伝授されるとか。
そしてもう一つのポイントがコシのある麺。小麦粉にさらにそば粉と軽く炒った豆の粉、片栗粉、ピーナッツや松の実を練り込んで作った手作り麺をその場で茹でて出されます。スープ自体が濃いのでコシのあるスパゲティのような太めの麺がぴったり^^ また注文を受けてからすぐ茹でてスープをかけて出すので、茹でてから時間が経ったものは棄ててしまうんだそう。そうしないと麺のコシとつやがなくなってしまうからだとか。
こちらのコングクスはややクリーム色っぽいスープに太めの麺のみで、刻んだキュウリやゴマなどはなし。スープはドロリとしていて、麺にしっかり絡まります。ひと口食べると豆の香り豊かでクリーミーなコールドスープが口の中に広がり、見た目よりさらに濃厚。まるで豆の冷製ポタージュスープのよう!地元の人はこのスープをたくさん飲む人も多いみたいですが、全体的に量もたっぷりなので、全部食べるとかなりお腹いっぱいに!
まるで豆の冷製ポタージュ!
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スープがよく絡まるツルツル麺!
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一般的にコングクスは味付けをほとんどしないで出てくる場合と、塩で味付けされて出してくれるところがありますが、こちらはもともと塩でちょうどいい感じに味付けされています。そして、コングクスといったら欠かせないのはキムチ!豆の濃厚な甘みと香りだけを楽しむのもいいけれど、さすがにこれだけじゃ単調な味で少し飽きちゃいそう・・・そんなときは是非付け合わせのキムチと一緒に食べてみてください!ただ辛さがプラスされるだけじゃなく、キムチのコクと豆スープの香ばしさが相まって、味の深みが一気にアップ。コングクスは美味しいキムチがあってこそコングクス!こちらのコングクスには白菜のキムチだけが付いてきますが、この白菜キムチも厳選した国産の白菜のみを使ってお店で漬けた特製のキムチ。辛さの中にも甘みや粉唐辛子の香りも感じられて、とっても美味しいキムチに仕上がっています!
コングクス以外のおススメは!?
コングクスで有名なお店だけど、実はコングクス以外にもいろんなメニューがあるんです。コングクスをやっていない時期にいただけるメニューもいろいろ。中でも人気なのはキムチポックンパッ。コングクスと一緒に食べても美味しい、あのお店特製のキムチを使ったチャーハンです。具にはキムチだけじゃなく牛肉、椎茸に野菜も入っていて、しかもテーブルの上で炒めて熱々をいただけるチャーハン!注文すると、材料の入った平たいお鍋が運ばれてきて、お店のスタッフがジャジャっと炒めてくれます。キムチの酸味と牛肉や野菜の甘味がミックスされ、イケる味に!量も1人分とは思えないほどたっぷりなのにリーズナブルなのも人気の秘密!ただ冬はこれを注文する人が多いけれど、夏のランチタイムは注文できないこともあるのでご注意を~
人気の濃厚コングクス、いかがでしたか?こちらのコングクスはスープがホントに濃くて豆の香りや甘みをとってもよく感じられます。そしてスープだけじゃなく、そば粉や豆の粉まで一緒に練りこまれた生地を注文が出てから茹でる弾力麺に、お店特製のキムチ。この3つが上手く調和して美味しいコングクスになっているよう!韓国料理で冷たい麺というと冷麺がダントツでよく知られているけれど、韓国ではコングクスも夏の麺料理としてごく一般的。栄養たっぷりの大豆を原料にしていてつるつると食べやすいから、夏の暑い日に食欲がないときにも、またイソフラボンをたっぷりとりたい!という女性の方にもオススメです。夏のソウル旅行の一食にそんなコングクスはいかがでしょうか!?以上、市庁駅近くの「チンジュフェグァン」からソウルナビがお伝えしました。