30年以上の伝統を持つ市庁のプゴグッ(干し鱈のスープ)専門店!
こんにちは!ソウルナビです。今日は市庁と乙支路入口の中間あたり、茶洞(タドン)にあるプゴグッの専門店「ムギョドン・プゴグッチッ(旧プゴグッチッ・ムギョドン・トジュッコル)」をご紹介しましょう。こちらは親子2代、なんと約30年以上、「プゴグッ(干し鱈のスープ)」メニュー1つで頑張っているお店。周りがオフィス街なので、ランチタイムは行列ができるほど地元で有名なお店なんです。それでは、さっそくお店の方にご案内しましょう!
30年以上の伝統
お店のある場所は、地下鉄2号線シチョン(市庁)駅とウルチオイック(乙支路入口)駅から徒歩5分ほど。地元の老舗食堂が並んでいる細い路地裏に、"プゴグッチッsince 1968"とハングルで書かれた木の看板が掛かっています。今から9年前にお父さんから息子さんに代替わりしながら、今でも昔ながらの味をしっかり維持。お客さんのほとんどが長年通う常連客、というまさに地元の人気店。ランチタイムは行列ができるほど混むけれど、"お店を大きくすると味が落ちる"、という韓国式のジンクス?から、オープン以来ずっと同じ場所、同じ規模で頑なに"プゴグッ"にこだわっているお店です。
メニューは1つ!「プゴヘジャングッ」!
今までお客さんからファンテグイ(鱈焼き)とかファンチチム(蒸し鱈)とか、増やして欲しいメニューのリクエストはいくつかあったけど、昔から守ってきたものだし、もともとプゴグッの準備だけでいっぱいいっぱい。他のメニューを作る余裕もないからメニュー1つを自然と維持しているとか。「やっぱり新しいメニューで忙しくなって、プゴグッの味が落ちたなんていわれたら、初代の社長に申し訳ないですしね」と2代目社長さん。
おかずは発酵食品!
メニューが1つだから、席につくと注文しなくてもおかず入りのトレーとご飯、水キムチ、味付けようのセウチョッ(エビの塩辛)などをテーブルの上にセッティングされます。テーブルの長方形の穴にすっぽり設置されたおかず入りのトレイから、白菜キムチ、キュウリキムチ、ニラキムチなどのおかずを各自食べる分だけお皿によそいましょう。このおかずは季節によって少し変わる場合もありますが、基本は整腸作用のあるキムチや塩辛などの発酵食品のみ。
テーブルにつくと3分と待たないうちにプゴグッが運ばれてきます。シンプルな白濁スープに細長く切った豆腐、プゴッ(干したスケソウダラ)、ネギ、そしてふんわり卵が浮かんでいて、表面にコショウが薄っすらかかったスープからは湯気がふわわわわ~ん。まずスープをひと口味見(^-^)。淡白ながらもコクのある熱いスープがのどを通って体中に染み渡っていきます。お味は卵スープにプゴッを入れ、さらにサゴルのコクが加わった感じ。辛いものが苦手な人でもおいしくいただけると思いますョ!ナビはそのままでも十分おいしかったんですが、少し塩が足りないという方は薬味のセウジョッ(エビの塩辛)を適量入れて見て下さい。地元の人は唐辛子やニンニク、ごま油などの薬味を好みに合わせて入れて食べる人もいるそうです。ピリカラで食べたい人は是非お試しを。
~コクスープができるまで~
プゴクッのおいしさはやっぱりこのコクスープ。今日はちょっと厨房にお邪魔してプゴクッができるまでの過程を見てみることに。
1.まずはスープ作り。サゴル(牛肉の骨)、ネギ、大根、そして臭味と脂っこさを取り除くためのうるち米を入れ、約12時間ぐつぐつと煮込みます。出来上がったスープを水で冷やしながら灰汁を取ったらスープの出来上がり。
2.その牛骨スープが完成したら、予め骨を取って食べやすい大きさに刻んだファンテ(干し鱈)を入れて1時間ほど煮ます。
3.このファンテ入りスープに、柔らかくするために1日中冷水で洗った細長い豆腐を入れ、卵をふんわり落として大ネギを刻みいれてひと煮立ちさせます。そして、最後に塩とニンニク、ごま油を少量入れることによって、味がしまるとか。
混んでいる時間は1番スープのおいしい時間!
地元の人気店なので、ランチタイムの11時30分から13時30分までは行列ができるほど。お客の入れ替わりが早いので5~10分程度で入れるそうですが、待つのは面倒という方はこの時間を避けてお店に伺ってください。でもプゴグッの命ともいえるスープは1日の中で味が微妙に変化するらしく、お昼の混雑タイムがお店の温度も上がって1番おいしいスープをいただける時間だとか。余裕があったらちょっと待ってでも食べに行く価値はありかも☆
サービス満点&酒の持ち込みもOK!
おいしくてゴクゴクスープをいただいていると、お店のスタッフが「スープをもう少し差し上げましょうか?」と声をかけてくれます。こちらではご飯、おかず、スープが全てお替わり自由!忙しくない時はスタッフが頃合いを見計らって足りないものを聞きに来てくれます。このサービス満点のところも人気の1つ。また地元では酔い覚ましのスープとしても知られているプゴグッ。前の日にお酒を飲みすぎたとお店にやって来るお客さんも多いのですが、メニューになくてもビールや焼酎は売っているんだそう。日本でいう迎え酒と同じで、"酒酔いは酒で覚ます"と朝から、あるいはお昼にプゴグッと一緒にお酒を飲む人もいるからとか。さらに、お酒で稼ごうと思っているワケではないので?!お酒の持ち込みもOK!いつもお酒持参で来る常連さんも実際いるそうですョ。
ランチタイムを少しずらして行くと、1人で食べている人もたくさん。男性がほとんどですが、1人でもスタッフが笑顔で案内してくれます。ソウルで朝ご飯に何を食べようか?!と悩んだ時は、さっぱりしたコクスープのプゴグッはいかがですか?年中無休で朝からオープン、お持ち帰りも OKで便利!以上、「「ムギョドン・プゴグッチッ(旧プゴグッチッ・ムギョドン・トジュッコル)」で昔良く食べたプゴグッの味を思い出し、スープをゴクゴク飲んで心も身体もほっかほかになったソウルナビでした。