原州式のドジョウスープは5年熟成のコチュジャン(唐辛子味噌)仕立て!即席で煮るから後味さっぱりの栄養満点スープ!
こんにちは!ソウルナビです。韓国のスープ料理といえばたくさんありますが、今日はその中でも専門店でしか味わえない「チュオタン(ドジョウスープ)」の有名店をご紹介しましょう!ドジョウスープと聞くと、生臭い?!と思う方もいるかと思いますが、なんせ韓国グルメだからいろんな薬味が入り、味噌仕立ての深い味わいのスープが楽しめるんです。また地元では美容と健康に良いスタミナ料理として知られ、最近は健康ブームで男性だけでなく女性にも人気だそう。そんなドジョウスープ、実は地方によって味付けや調理法が違うらしいんです。中でも今日は、1977年オープンの原州式ドジョウスープを味わえるお店「元祖原州チュオタン」に伺ってみたいと思います!
チュオタン(ドジョウスープ)ってどんな料理?!
ドジョウを使ったチュオタンは昔から庶民がよく食べた伝統健康食。冬眠の準備をするため夏の間中いっぱい食べて太るので、秋頃が一番おいしいそう。またこの時期のドジョウはたんぱく質やカルシウム、ビタミンA・B・Dも豊富!冬前の栄養補給にぴったりのスタミナ食なんです。また冒頭で触れた通り、調理方法や味付けは地方によって違うそう。慶尚道(キョンサンド)では煮込んだドジョウをすりつぶし、それに茹でた白菜やワラビ、里いもの茎、ネギ、ニンニク、山椒を入れて作るタイプ。全羅道(チョルラド)では味噌とエゴマの汁を入れてとろみのあるスープを作り、山椒を入れて辛めの味付けに。またソウルでは内臓や骨などで作っただし汁に豆腐、キノコ類、ズッキーニ、ネギ、ニンニクなどを入れて煮込んでから山椒を入れ、別に火を通しておいたドジョウを入れていっしょに煮るのが一般的だそう。
原州式ドジョウスープは味噌が違う!特に「原州チュオタン」のおいしさの秘訣は、5年熟成の唐辛子味噌!
味噌仕立ての場合は「テンジャン(味噌)」を使うところが多いなか、原州式はコチュジャン(唐辛子味噌)を使用。さらに大鍋に材料を入れてぐつぐつと煮込み、それを鍋や1人用の器によそって出すお店がほとんどらしいんですが、こちらは注文と同時に器に用意した具とスープを入れ、各テーブルでぐつぐつ煮込みながら食べる即席煮タイプ。だから、深い味わいの中にも後味のさっぱりしたスープが楽しめるそう。では実際に、どんな材料を使って、どうやって作るのか?店長さんにご説明いただきたいと思います。 では店長さん、お願いしま~す!
☆こちらは茹でたドジョウのすり身入りタイプ「カラソチュオタン」とドジョウが丸ごと入った「トンマリチュオタン」の2タイプあり、お好みで選べるようになっています。この2タイプのうち、今日は地元で人気のすり身入りチュオタンを準備していただきました。
材料を準備します
粋のいいドジョウをそのまま圧力釜で茹で、ミキサーで磨り潰してペースト状にしておきます。
可楽市場から今朝仕入れたばかりのシイタケ、ジャガイモ、ニラ、里芋の茎、ネギなどの山野菜を適当な大きさに切り、後で入れるセリと刻んだニンニクも用意します。
鍋に準備した野菜を並べます。
薬味と自家製コチュジャンを入れます
唐辛子の粉、すりゴマ、そして太陽の下で5年熟成させた手作りコチュジャン(唐辛子味噌)を入れます。この味噌が原州式であり、おいしさの秘訣!見た目も普通の味噌とは違い茶色がかっています。
ドジョウのすり身を入れ、準備完了!
テーブルでひと煮立ちしたところで、セリとみじん切りニンニクを入れてさらに煮ます。
好みに合わせて唐辛子スライス、山椒やコショウを入れ、
混ぜて器に盛ればあとは食べるだけ!
コクがあってさっぱり!すり身なのにどろどろどろ~っとしてないスープ!さっそく、いっただっきま~す!スープはいろんな薬味やドジョウのすり身が入り、深みのあるスープな割に思ったよりどろどろ感が少ないです。どろどろスープが好きな方には少し物足りないかもしれませんが、しっかりスープの味は濃厚。辛さは喉元過ぎるときにピリっときますが、それがかえってドジョウスープをさっぱりしたものに。さらに、セリのアクセントも効いて生臭さはなく、一口食べるごとに不思議と体にエネルギーがみなぎってきます(ほんとに)。白いご飯はもちろん、お酒にも合いそう。いや~、寒い冬に冷え切った体を芯からあっためてくれそうだし、夏は以熱治熱!これで夏バテも防げそうです~。
ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら)
チュオタンと一緒につまめる一品料理として、あるいはお酒のおつまみとして人気のメニューがミクラジティギム。ドジョウを丸ごと天ぷらにした栄養満点料理!またミクラジコチュティギムといって、ドジョウのすり身に15種類の野菜や薬味を入れたものを青唐辛子の中につめて揚げたものも人気。韓国の屋台にも普通のミンチを唐辛子に詰めた天ぷらがありおいしいので、これもかなりイケるのでは?!今度是非食べたい一品!
江南駅前の繁華街にあり、混雑時を避ければ1人ランチもできます
場所は江南駅前のランドマーク、教保タワーの向かい側。大通りから少し入ったところにあります。ホテル通りからも近いので、近場でランチに迷ったら原州式のチュオタン、トライしてみてはいかがでしょうか?お店はテーブルと座敷があり、ランチタイムは周辺のサラリーマンやOLでいっぱいに。でもナビが2時すぎにお店にうかがったときは地元の女性客やサラリーマンが数組いる程度。1人で食べている方もいたので、混雑時間を避ければこちらで1人チュオタン、イケると思いますョ。
最後にオーナーにインタビュー小さい頃から原州に住んでらっしゃったというこちらのオーナー。地元では家庭でよくチュオタンを食べていたそう。ソウルにやってきたのは、今からかれこれ約30年前。ふるさとの原州で親友の方が人気のチュオタン屋さんを経営していて、オーナーにチュオタン屋ならソウルでやってはどうかと勧められ、1977 年に上京して今のお店をオープン。ソウルでも原州式のチュオタンはクチコミで有名になり、今まで地元のグルメ番組や雑誌に紹介されること多数。あまりに紹介されすぎて、最近は取材依頼があっても断っているほどだとか。
お昼はドジョウスープを注文する人がほとんどだそうですが、夜はメギプルコギ(ナマズのプルコギ)が人気。これも約20種類の薬味を入れた特性コチュジャン(唐辛子味噌)ソース仕立てで、即席で焼いた野菜とドジョウの切り身をゴマの葉に巻いてソースにつけて食べるんだそう。お味は生臭さもなく甘辛テイストとのこと。今回ナビはチュオタンでお腹いっぱいなってしまい食べられなかったんですが、もし食べた方がいたら、感想を聞かせてくださいね。以上、ソウルナビでした。