全羅南道の名物、ピリッと辛うまの味付けチュクミを炭焼きで香ばしく焼き上げる、チュクミプルコギの元祖店!
こんにちは!ソウルナビです。皆さん、「チュクミ」ってご存知でしょうか?このかわいいネーミングの正体はイイダコ。ソウルではここ数年、このチュクミ料理の専門店がじわじわ増えてきていて、これってブームでは?!なんて密かに思ってるんですが、そのお店のほとんどがチュクミプルコギのお店。これはプルコギの代表格、ソプルコギ(牛肉のプルコギ)のような醤油ベースのタレではなく、コチュジャン(唐辛子味噌)ベースの味付けをして焼いたもの。淡泊でぷりっとしたイイダコと、ピリッと辛うまの味付けのコンビネーションが絶妙で、一度食べたらハマる人続出~の料理なんですョ!そこで今日は、このチュクミプルコギの元祖店「忠武路チュクミプルコギ」をご紹介しましょう!
★ウェルビーイングな食材「チュクミ」★
まずはこのチュクミプルコギの主食材、チュクミ(イイダコ)について少しご説明しましょう。チュクミは韓国の南西海岸で採れ、低カロリーでミネラル、ビタミンのバランスも良く、特に成人病を予防するタウリンがタコやイカよりもはるかに豊富な健康食材。このあたりが、最近の韓国のウェルビーングブームにのって、お店が増えている理由かもしれませんね~。韓国では旬は産卵期前の3~4月とされ、この時期はチュクミのお店が一年でもっともにぎわうんですよ。食べ方は刺身にしたり、焼いたり、茹でたり、炒めたり、鍋にしたり・・・と多様ですが、最近もっともポピュラーなのが、チュクミプルコギ(イイダコの味付け焼き)。チュクミをコチュジャン(唐辛子味噌)、ゴマ油、砂糖、ニンニクなどで味付けして鉄板焼き、または炭焼きで食べます。
忠武路(チュンムロ)の老舗「忠武路チュクミプルコギ」そのチュクミプルコギのお店をソウルではじめて開いたのが、今日ご紹介する「忠武路チュクミプルコギ」。全羅南道は順天(スンチョン)で食堂を営んでいた裕福な家庭で育ったこちらの社長さんが1976年、上京して故郷の名物、チュクミプルコギをアイテムに食堂をオープンしたのがはじまり。それ以前はソウルでチュクミプルコギを食べられるお店はなかったそうなんです。社長さんがこのチュクミに目をつけたのは、小さい頃、運動会や遠足などの特別な日に、お弁当のおかずに持っていくと必ず周りの友達にうらやましがれた料理だったから。オープン当初は田舎の味そのままの辛めの味で出していたものの、ソウルの人の好みに合わせて辛さを調節すると、口コミでどんどん人気になったとか。
昔ながらの地元食堂じゃらじゃらと長い簾をかき分けてお店に入ると、1階はテーブル席、2階は座敷になっていて、店内は昔ながらの地元食堂という雰囲気。オープン当初は光化門にあったそうですが、1年半経たないうちにこちらの忠武路(チュンムロ)へお引越し。この界隈で25年以上お客さんを迎えてきたそう。場所は地下鉄3・4号線チュンムロ(忠武路)駅から徒歩3分ほど。明洞よりのところにあるので、明洞駅からも歩いて15分ほどで行けますョ(地下鉄でも1駅)。
ではさっそく、料理をご紹介しましょう。
こちらのメニューはチュクミプルコギのほかにナクチ(タコ)のプルコギ、キチョゲ(カイバシ、貝柱)のプルコギがあり、さらにこの3つが一度に味わえるモドゥム(盛り合わせ)もあり。ん・・・チュクミももちろん食べたいけど、貝柱もナクチもいいなぁ~ということで今回はモドゥムに決定~!ソウルの龍頭洞エリアで人気の鉄板焼きもありますが、こちらは炭焼き。ソースがしっかり絡まったイイダコ・ナクチ・貝柱を炭焼きにすると、香ばしさが加わって、も~たまりませんよ~。
■プルコギモドゥム(プルコギ盛り合わせ)■
チュクミプルコギ(イイダコのプルコギ)
チュクミ(イイダコ)は南海、西海で採れたばかり新鮮なものを急速冷凍したものなので、一年中イイダコのプリプリ感が味わえるそう。実際食べてみると、予想以上に柔らかくて弾力があって、それでいてちゃんと噛み千切れる歯切れの良さ。ほんと、プリプリ!またピリッと辛くて、ちょっと甘みもあるコチュジャンベースのソースがしっかり絡まって、炭焼きにするとなんとも香ばしい!食べ方はそのまま食べてもいいし、焼肉を食べるときの要領でサンチュに焼いたチュクミ、ニンニク・青唐辛子のスライス、そしてサムジャン(包み味噌)をくるんで食べてもまた違うおいしさ~。
ナクチプルコギ(タコのプルコギ)
チュクミほどは肉厚ではないものの、これもプリっとしていて、噛むと甘味があっておいしい~。細いので食べやすく、これまた炭焼きの香ばしさがたまりません。
キチョゲ(カイバシ)プルコギ(貝柱のプルコギ)
カイバシというので、貝柱みたいなんですが、肉質からいうと平貝のような感じ。これも淡白な貝なので、コチュジャンソースがぴったりマッチ。これも歯ごたえもありつつ柔らかく、これもお酒のおかずにぴったり!
おかずはこんな感じ~。
キムチ、野菜のナムルなどのおかずが5~6種類並び、1人に1つずつコンナムルクッ(豆もやしスープ)が出てきます。特にこのもやしスープを飲むと、口の中の辛さを和らげてくれるそうですよ。
■最後はチュクミヤチェポックンパッ(イイダコと野菜入りのチャーハン)!■
チュクミプルコギを食べたあと、最後の〆として地元の人がよく注文するのがこのチュクミヤチェポックンパッ(イイダコと野菜入りのチャーハン)。テーブルの上で炒めるのではなく、炒めてからテーブルに持ってきてくれます。これがまたうまい~!プリプリのチュクミもたくさん入っていて、お腹いっぱいでも思わず入っちゃう、そんなチャーハン。皆さんもぜひお試しを~。
夜行くときは予約を忘れずに~。
こちらは夜7時前後になると1階、2階がほぼ満席になるとのこと。ナビがお昼に行ったときも、その日の夜の予約の電話が何本も掛かってきていて、実際に夜7時半ごろお店に伺ってみると、入ってくるお客さんは「予約した○○ですが・・・」と予約の方がほとんど。その日は雨がけっこう降っているのにも関わらず、時間が経つにつれて席はどんどん埋まっていき、お店のスタッフも大忙し。ん~ん、まさに地元の人気店です。
皆さんも、夜ご飯に行く場合は事前に予約をした方が確実だと思いますョ。
地元のお客さんに突撃インタビュー!たくさんのお客さんでにぎわっている中、ちょっと地元の人に声を掛けてみることに。こちらは近くの会社に勤めてらっしゃるという同僚4人組。お店には月に2~3回は食べにくるとか。「いつも頼むものは?」と伺ってみると、「モドゥムイェヨ~(盛り合わせです)」とのお答え。3種類一度に食べられるので、決まってこの盛り合わせを注文するそう。カムサミダ~。マシッケトゥセヨ~。
韓国ならではのピリ辛&ちょい甘い味付けの香ばしいチュクミプルコギ、まだ食べたことない~という方も、食べたことがある方も、ぜひ一度こちらで食べてみてくださいね。地元の人に混じって、わいわいがやがや、おしゃべりもお酒もすすむこと請け合い~。以上、ソウルナビでした。