肉の臭みが気にならない秘法が決め手!地元の人たちに愛される、おふくろの味的カムジャタンのお店!
こんにちは!ソウルナビです。みなさん韓国語の「トンネ」という単語、聞いたことありますか?これは日本語で言う「地元」みたいな意味。おいしいと言われているいろんなお店の中でも、長いことトンネで人気を集めているという食堂って、そのおいしさはより確かなものと言えそうですよね!今日は地元で評判、なおかつクチコミで遠くからもお客人がやって来るというカムジャタンのお店をご紹介したいと思いま~す!カムジャタンって豚の背部分の骨付き肉がドーンと入っている料理!それが魅力なのに、なかには豚肉の臭みが気になってしまうという敏感な人もいるんです。でも!今日ナビがやって来たこの「カナアンピョヘジャンタン」は独特の匂いがせず食べやすく、さらに味もおいしいと言われているお店!カムジャタン好きの人も苦手な人も、みんなで楽しめそうでしょ!?さっそくお店におじゃましたいと思いま~す!
観光客の来ない街!お店があるのは地下鉄3・6号線ヤクス(薬水・Yaksu・333/633)駅から徒歩1分としない場所。約7~8分ほど歩けば新羅ホテルや新羅免税店があるエリアですが、お店のある薬水駅周辺は観光客がほとんど来ない、ほぼ地元の人オンリーの街。目立ったものはなくても、こういうところにこそおいしい店が隠れてたりするもの!今回ナビがうかがうお店も、お昼休みと夜を中心に地元の人たちで席が埋まってしまう地元人気店。1983年にオープンして以来、ひたすらカムジャタンを作りつづけてきたこの「カナアンピョヘジャンタン」。歴史を感じるたたずまいかと思ったら、外観はこんなにキレイ!これは数年前に隣りにあったお店から移転して、リニューアルオープンしたためなんだそう~。
こざっぱり感がうれしい!「地元の食堂系」のお店は気楽に食べられる雰囲気がうれしいものだけど、狭すぎたりちょっと衛生的に心配があるようではイマイチ気がのらないもの。でもこちらはリモデリング済みでなかなか広くてキレイ!座席はテーブル席とお座敷席がだいたい半々ぐらいになっています。そして、うれしいことにお店は24時間営業!旅行者の方々は食事をしにやってくる方が多いと思いますが、地元の人たちは会社の飲み会として来たり、食事後の2次会や3次会として遅くまでソジュを飲んでいることも。こんなふうにいつ行っても開いているお店は忙しい観光客の方々にとってありがたい存在ですよね。
有名人も来る!?
お店の入口付近にはサインがペタペタと貼られてありました!日本でも知られているようなビッグスター級はあまりいませんでしたが、ドラマ「火の鳥」などで有名なイ・ソジンさんも来ていました^^。たとえば狎鴎亭・清潭洞(アックジョン・チョンダムドン)のような場所ならともかく、この薬水駅周辺に芸能人が来るなんてほとんどない!それだけに、わざわざここまで食べに来ていることにナビもちょっとビックリ。スタッフに聞いたところ、予想通り、彼らは深夜や朝方にやって来るんだそう。
メインメニューはたったの2つ!
お店のメニューはとってもシンプル!だって「カムジャタン」と「ヘジャンタン」の二つしかないんです!どちらも同じくらい人気ですが、だいたいランチにはヘジャンタン、夜など仲間とワイワイ食べるときにはカムジャタン・・・という構図ができあがっているよう!それでは人気の品を一つずつ見ていきましょう!
■カムジャタン
ここのお店に来たらぜひ食べて行きたいのがこのカムジャタン。サイズは小・中・大の3サイズがあり、だいたい小が2人分、中が2~3人分、大が3~4人分・・・と考えればOKで、写真は「大」サイズ。テーブルに鍋が運ばれただけで迫力がすごい!エノキや麺、そしてネギやゴマの葉などの野菜がたっぷりのせられていて、その下には大きなお肉の塊が入っているわけです!それでは火を入れてみましょ~。
お母さんだけが知っている秘伝の法!運ばれてきた鍋の写真(上)を見たとき、鋭い人はもう気付いたかも!そうなんです、ここのカムジャタンには「トゥルケカル(すったエゴマの粉)」が使われていないんです!カムジャタンでどっさりと使われる豚の背肉。その臭みを消すために通常はトゥルケカル」がかなり多めに入れられるもの。ただ日本ではあまり使われない食材だということもあり、トゥルケカルの独特な味や匂いが嫌いだと言う人もかなり多いんですよね。そんな人たちを救うべく!?ここのお店ではトゥルケの代わりにある秘法を使って匂いをなくすことに成功!この作り方は秘密中の秘密!なんと社長チョ・ヨンイルさんすら完璧には知らず、そのお母さん(お店の創業者)のみ知っているんだとか~!豚の匂いもトゥルケの風味も嫌だと言う人、ここのカムジャタンならいいトコ取り!
火にかけてから数分すると野菜がしんなりし、中にある肉も見えてきます。さっそくいただいてみると、味は濃すぎず薄すぎずでサッパリ!肉、そしてウゴジ・ジャガイモ・唐辛子・ニンニクといった野菜類がヤンニョム(薬味)とミックスされて味は深いのに、淡白に仕上がっているではないですか!これこそがここのカムジャタンの特徴。社長いわく「スープやチゲと思って食べてください」とのこと!もちろん化学調味料は一切使っていない自然派のお味。味が強すぎず柔らかみをもっているので、日本人の舌にもよく合うのでは?お肉も他のお店では「輸入&冷凍モノ」を使うところが多いのですが、「韓国産&冷蔵モノ」にこだわっているのがここのお店流。「コストはかかるけどやっぱり味がよくて」・・・というのが理由とか。脂っこくないし柔らかいのでお年よりやお子さんが食べるのにも良さそうですョ。
野菜も国産!ジャガイモ一つとっても本来持っている自然の旨みがしっかり感じらておいしく、他の野菜も食べるとシャキシャキ。
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お肉はとても大きいので、こんな感じで骨を分解するようにして食べるといいですよ、と社長が教えてくれました~。
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特製ソースにもつけて!普通に食べるのもいいのですが、味にアクセントをつけたくなったらソースにつけて食べてみるのもオススメ。テーブルの上には薄茶色のソースが置いてあり、カムジャタンと一緒に出てくる白い小皿にこのソースを入れてつけて食べます(辛いものが大好きな人は、お好みで唐辛子の粉を振りいれてもOK)。このソースは研究の末に数年前に開発されたもの。これまた秘伝のソースということで具体的な中身は教えてもらえませんでしたが、果物やすりおろした野菜、辛子などが入った甘酸っぱいお味になっています。「肉に味が染み込んでいるだろうになんでさらにソースを?」と思った方々!まずは試してみて。これをつけて食べると肉がさらにサッパリといただけるんです。特に若者から人気なんだそう!
付いてくるおかずはこちら!
キムチも毎日作られる新鮮なもの!韓国では中華料理屋に行くとよく出てくるこのタイプのタマネギ、日本のものとはちょっと違って爽やかな口当たりですよ!
白菜キムチ
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カクトゥギ(大根キムチ)
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青唐辛子とタマネギ
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テンジャン(味噌)
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ほぼ100%の人が食べていく!?「ポックンパッ」「鍋のシメはやっぱりポックンパッでしょ」と言っているあなたはもう韓国料理ツウ~。もちろんここでも鍋の残り汁とご飯を炒めて食べるポックンパッが食べられます!スタッフのおばちゃんが「カムジャタンを食べたら99%の人が食べていくわよ!」と言っていたシメ料理ですもん、食べないテはないでしょ!?韓国海苔・ネギ・キムチと炒めるこのご飯、特に海苔の風味が効いていて香ばしい仕上がりに!(※写真は2人分です。)
このポックンパッは2種類の食べ方があるんだそうで、一つは普通にスプーンですくって食べるサッパリ味。もう一つは鍋との間にこびりついた部分をスプーンで引っかくようにして食べる、ちょっとしょっぱい、でもおこげの独特の風味を感じられるパターン!あなたはどちらがお好き!?
■へジャンタン
お店の名前にも入っているのがこの「ヘジャンタン」。「へジャングッ」と同じように、お酒を飲んで胃腸の調子が悪かったり食欲がないときに食べるのもいいし、もちろん普通の食事として食べてもOK。忙しいランチタイムに会社員がササッと食べていくのをよく見かけます。また大鍋に入ってくるカムジャタンと違い、一つから注文できるから「ひとりご飯」にもピッタリ!このヘジャンタンに入っているスープは基本的にカムジャタンのものと似ていますが、いろんな具が入るカムジャタンに比べたら味が優しめ(薄め)になっています。唐辛子で適度な辛みはついているけど、辛いものが苦手な人でも食べられるレベル。ジャガイモは入っていませんが、柔らかい肉やウゴジが入っているのはカムジャタンと同じです。
豚の背骨部分がたまたま大きかったりすると上の写真のように盛り上がってすごい量が入っているように見えますが、中に入っている肉は多すぎず少なすぎずの適当な量。おかずとご飯もついてくるし、ゴロッとしたお肉がしっかり入っているので値段の割におなかいっぱいになれます!肉料理だから重めのメニューではあるけれど、スープが体に染み渡るのでナビは体調が悪い時に食べたりしています。
いかがでしたか?「カムジャタン」はソジュ(焼酎)と相性がいいこともあり、お店に来るのはサラリーマンを始めとした男性陣が多いんじゃ?と思っていたナビ。でも意外や意外、男女比は50%ずつくらいだそうで、ナビの取材時にはカップルで来ている人もいました。日本からの旅行者もたまに来るとのことですが、ナビは今までここで外国人を一度も見かけたことがないほど地元ッ子率の高いお店。こういうお店でカムジャタンを好きになってもらえたらナビもなんだかうれしくなっちゃう!都心からそう遠くない場所なので一度訪れてみてはいかがですか?以上、ソウルナビでした。