ソウルで一目置かれたソルロンタンの有名店!材料にこだわったソルロンタンやキムチなど、地元の人から愛される人気メニューを食べてみよう!
こんにちは!ソウルナビです。韓国で「肉を食べまくるぞ~!」と意気込んでいるみなさん!例えば牛肉なら焼肉としてカルビやトゥンシム(ロース)?いや生肉のユッケ?いろいろ出てくるかと思いますが、忘れがちだけどスープ料理のソルロンタンも立派な牛肉料理!このソルロンタン、牛の肉や骨、内臓などを煮込んで作るもので、ナビが初めて韓国にやってきたときにその優しい味とおいしさですっかり虜にさせられてしまったメニューです。辛くない料理だから誰にでも食べやすいこのソルロンタン。今日は次回の訪韓時にぜひトライしてみようと思っている方々にオススメのお店、「イナムジャン」をご紹介しましょう!30年以上の歴史がある地元の有名店、さっそくその様子を伺いに行ってみましょ~。
周辺もお店も庶民的な雰囲気!お店があるのは乙支路(ウルチロ)エリア。このあたりって明洞(ミョンドン)や鍾路(チョンノ)といった繁華街からも近い場所ではあるけれど、小さな建物やレトロなお店が並ぶ独特のムードがある場所です。そんな雰囲気にピッタリ来るような作りなのが今日ご紹介する「イナムジャン(乙支路本店)」!メディアに何度も紹介されてきた有名店、それも本店なのに行ってみるとまったく気取った雰囲気がない普通の食堂タイプのお店でした。写真のように間口も狭めなこちらのお店、下手すると通り過ぎちゃうかもしれないのでご注意を!最寄り駅の「乙支路3街(ウルチロサムガ)駅からは徒歩3分ほどで着けてアクセスも便利。
素朴な店内!庶民派食堂~
外の様子からある程度予想ができるように、外観同様、店内も素朴な雰囲気が漂っています。席は入口付近にテーブル席が並んでいて、左奥にはオンドルタイプのお座敷席があります。
30年以上前にオープン!この「イナムジャン」は現在ソウルやその近郊を中心に約20店舗のお店を展開しているソルロンタンの専門店。いちばん最初にできたのがこの乙支路本店です。今から30年あまり前、1977年に生まれた「イナムジャン」は現在社長を務めるイ・ジュンホさんのお母さん、シン・ヨンジュさんが作ったお店。材料や調理法にこだわり真心込めて作ったソルロンタンのおいしさが浸透し、店舗を増やしていくだけでなく、ソルロンタンという料理をよりたくさんの人たちに広める役割も果たしてきたと言われているそう。
48時間じっくり煮込んで作るスープ!テレビや新聞などたくさんのメディアで紹介される有名店ですが、ここのソルロンタンを語る上で欠かせないのがスープ!お店の厨房に入らせてもらうと奥に大きな鍋があり、牛の骨を入れたスープがグツグツと煮込まれています。「イナムジャン」のソルロンタンはこの鍋で48時間煮込んむのがポイント!煮込み続けることによって淡白ながらも香ばしい、旨みのあるスープができます。この48時間というのは煮込んでいる骨が壊れて変な味が出てしまうまでのギリギリの時間なんだそう!(その鍋のすぐ横では肉も茹でている最中~。)
■ソルロンタン(特)
味付けはテーブルで!なんと言ってもお店のメインメニューはこのソルロンタン!ここ「イナムジャン」のソルロンタンにはただのソルロンタンと「特(トゥッ)」が付くタイプがあるんですが、今回は「特」の方をご紹介しましょう。その違いは下で説明するとして、まずテーブルに運ばれてきたら味付けからスタート!サービングされた時点のスープは一切味付けがされていないので、お店自慢のスープを一口飲んでみたあと、各自テーブルに置かれた塩と胡椒で好みの味を作り、ネギをのせて食べましょ~。
脂っこくなく淡白なスープ!スープをすするとしつこくなくて飲みやすいことに気づくはず!余計なものを加えていないから、あっさりしているのに香ばしい、独特でナチュラルな旨みを感じられます。このスープ、ソルロンタン一杯あたりにだいたい550gほども入っているんだとか!なお、味付け用として塩・胡椒と一緒にコチュカル(唐辛子の赤い粉)も用意されていますが、お店スタッフいわく、コチュカルは入れずに食べた方がスープの味をしっかり感じられておいしいとのこと。どうしても辛くして食べたい人だけどうぞ。
ボリューム満点、肉の柔らかさに感動!「イナムジャン」で出されるお肉はすべて韓国産。輸入肉は一切使っていないのがお店のこだわりです。ところでこの「ソルロンタン(特)」、ノーマルタイプのソルロンタンと何が違うかというと、「ヤンジ」と呼ばれる牛の胸からおなかにかけた部分のお肉、また「モリコギ」という頭の部分の肉、そして「ウソル」という舌の肉が加わること!実は「イナムジャン」のファンであるナビスタッフがこの「特」バージョンを「肉ロンタン」と勝手に呼んでいるんですが、そのくらいボリュームがすごい!前に別の店でソルロンタンを食べたことがあった人も、ドーンと牛肉がのったこの「特」を見たら別モノのような気がしちゃいそう^^;。
タレにつけて食べましょう!その分厚さにビックリしちゃうお肉も口に入れると柔らかくて食べやすく、まるでとろけていくかのよう!これらの肉はそのまま食べてももちろんOKですが、ついてくるタレにつけて食べるのがお店スタッフオススメの食べ方。醤油ベースのタレになっていて、他に酢やコチュ(唐辛子)、ニンニクなどが入ることによってスッキリした味に仕上がっています。ソルロンタンのお肉はそのまま食べる派だったナビですが、このタレにつけながら食べると、肉を食べたときのサッパリ感がヤミツキに。
中にはご飯と麺が入っていますスープとご飯が別々に出されて自分でご飯を入れるタイプの店も多いですが、ここ「イナムジャン」でははじめからご飯が入った状態で出てきます。「この方が断然おいしい!」そうスタッフが話していたのですが、炊き上がったお米の表面にできた小さな穴に特製スープが入り込むため、よりおいしくいただけるんだそうですョ。肉が食べ応えあることもあり、ご飯も麺もと食べ終わる頃にはおなかパンパン状態に!この「ソルロンタン(特)」、値段はちょっと高いけど、肉の量も多いしそれだけの価値ありですよ~。
キムチにも注目!韓国料理にキムチは付き物。料理の添えられるオマケ的なものと考えてしまいがちですが、ここ「イナムジャン」で出されるキムチはしっかり味わってほしい一品!キムチは白菜と大根が一緒に漬けられているタイプで、どちらも韓国産なんだそう。漬けるときに加えられる塩も韓国の天日塩(天日製塩でつくられた塩のこと)で、エビの塩辛だって韓国産です。キムチを作るときには水やデンプンなどが加えられるものですが、「イナムジャン」のキムチはその代わりにソルロンタンのスープが入るのが特徴!そのほか、30年間守り続けてきた秘伝のヤンニョム(薬味ダレ)が加わえられて作られます。酸っぱいのに甘くて爽やか、このおいしさは皆さんお店で味わってみてください~。
この中にソルロンタンのスープが入っているんですね
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たっぷりと容器に入れられてくるので、そこから取り出してお皿に盛ります
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食べやすいサイズに切って食べましょう
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ソルロンタンの中に入ったご飯にのせて食べるのも、地元の人たちがよくする食べ方
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■スユッ(※写真は「大」サイズ)
ソルロンタンと並んで人気なのがこのスユッ。上でもご紹介したヤンジ、モリコギ、ウソルやジラ(脾臓)など、質にこだわった韓国産牛が迫力満点に盛られてきます(食べるときに程よいサイズに切ってくれるのでご安心を!)。淡白な味のこのスユッは脂が少ないのでダイエット中の人にもいいし、スタミナをつけるのにもピッタリなメニュー。柔らかいのにモッチリしている独特の食感、肉好きの人はぜひ味わってみてくださいね(焼酎のつまみとしてもオススメ!)。
スユッを頼むと以下のものが付いてきます。
ミニサイズのククス(麺)
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水キムチ
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サラダ
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唐辛子やニンニクなど
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■コットゥンシム(霜降りロース)(※写真は3人分)
「イナムジャン」では焼肉メニューもあり、主に夜に食べていく人が多いそう。こちらは白い花のような模様が特徴のコットゥンシム。肉質にこだわったこの焼肉メニューの肉ももちろん韓国産です。焼肉は「チャムスップル」と呼ばれる堅炭の炭火で焼いてくれます。強い遠赤外線を発する炭火はガス火に比べてお肉がじっくりおいしく焼きあがると言われていますよね。そのため、おいしいお肉をよりおいしい状態で食べられるというわけ。しっかり食べたいときはソルロンタンの前に焼肉を味わってみるのも良さそうですね。(※焼肉メニューは2人分から注文可能)
「プジマゲ」がお店の考え!ソルロンタンはおかずがズラズラと並ぶような料理ではないので、その分ここのお店では麺(ミョン)、スープ(クンムル)、ご飯(パッ)、キムチはお替わりOK!韓国語で「プジマゲ」とは「たっぷりと」という意味があり、この「プジマゲ」がお店の大事にしている考え。一度ここの食堂に来たらおいしいものをおなかいっぱい食べて満足していってほしいという気持ちが込められているんですって。「ミョン」など上でカッコ内に書いたのが韓国語読み。必要に応じて「○○ ト ジュセヨ~(○○をもっとください~)」と言い、しっかりおなかを満たしてくださいね!
冷凍肉は安くてもおいしくないので冷蔵肉のみ使うだとか、その日に作ったスープはあまったら必ず捨てるとか、小さなことから大きなことまでいろいろなこだわりが詰まっている「イナムジャン」。スタッフの話を聞いていても、プライドをかけておいしさを提供していることを実感しました。ソルロンタンって朝ご飯メニューの印象も強いものですが、今回ご紹介した「ソルロンタン(特)」はおなか一杯食べたいときのお昼や夜のほうが合いそうな気がしましたョ。「ソルロンタン」のおいしさを再確認するため、みなさんも一度この人気店に行ってみてはいかがですか?以上、ソウルナビでした。