ファンソコジッ

こんにちは！ソウルナビです。ソウルにはいろんなグルメ店がひしめいているけど、そんな中でも「安くておいしいフツーの定食系が食べたいんだよな～」と思っている方々！今日はそんなみなさんにオススメの食堂をご紹介しましょう！やってきたのは鍾路（チョンノ）エリアにあるテジプルコギ屋「ファンソコジッ」。外でいい匂いをさせながら豚肉を焼いているこちらのお店はいつ行っても人がいっぱい！安くておいしいお店として、そして会社員たちのランチどころとして、また軽く一杯できるスポットとして人気のところなんですよ。それではさっそく、そんなお店にぐぐっと迫ってみましょう！

行きやすく探しやすい！川沿いにあり！
お店があるのは清渓川（チョンゲチョン）沿い。ソウルの中心部付近を流れる川で、市民の憩いの場としてもすっかりおなじみの場所ですよね。そんな清渓川のうち、「ファンソコジッ」は長通橋（ジャントンギョ）と三一橋（サミルキョ）という橋の間に位置。清渓川をお散歩がてら歩き、おなかがすいたところでこの店に駆け込むにもピッタリ！最寄り駅の地下鉄１号線鐘閣駅から行く場合も、道の真ん中にピアノの鍵盤が施されている「ピアノキル（ピアノ通り）」のすぐ近くなので、ビギナーさんにもわかりやすいロケーション。エリアとしては鍾路だけど、明洞（ミョンドン）や乙支路・忠武路（ウルチロ・チュンムロ）からも比較的近くなっています。

狭め、でも味のある店内！
お店の間口は上の写真の通り狭く、店内は細長いかたち。丸テーブルの簡単なテーブル席が並んでいて、奥の方だけお座敷席になっています。席はコンパクトにまとまっているから狭くて食べづらいということはないですが、なんせ人気のお店。店内のスペースはどうしても足りなくなるため、ここ「ファンソコジッ」では残念ながら１人での入店をお断りしているそう。これはスペース的な問題によるので、たとえ１人で２人前の食事を頼んでも同じことで、１人での入店自体を遠慮しているとか。みなさんもお店に行くときは必ずお友達を誘ってお出かけくださいね！

これが主役のコチュジャンプルコギ！
こちらのメインメニューが「コチュジャンテジプルコギ」。これはタレに漬けた豚肉（テジコギ）を焼いた料理です。間口が狭いお店をみつけられないときも、入口付近のこのおばさんが目印になるかも！？お店自慢のお肉がじゅうじゅう焼かれているこのスペース、年季の入った網といい、そこに立ち込める香ばしい匂いといい、近寄らずにはいられないっ！お肉は毎日お店に届けられる新鮮なものを使っていて、しょう油ベース＆いろいろな薬味の入った秘伝のタレに一日漬けこんだもの。このタレの中にはコチュジャンが入っているので独特のピリ辛い味がつくのが特徴。しかもこのお肉、ちゃんと炭火で焼いているんですよ！

じゅうじゅうといい音をさせながら焼かれるお肉。香ばしい匂いもプンプン！

１日かけて特製のタレに漬けられます。タレの中身はもちろんヒ・ミ・ツ！

心を込めて焼いています！
こちらがお店の外でいつもお肉を焼いているおばさん。火のそばに座っていらっしゃるので、当然のごとくこの周りは熱気がムンムン！ナビがお話を聞いたときも額やほほには汗の粒がキラキラしている状態。「この網の上は覆われているでしょ？言ってみればオーブンみたいになってるから、比較的一定した温度で焼けるのよ。だから同じ炭火を使っていても、バーベキューや普通のサムギョッサルみたいなものとはまったく別物の味になるってわけ！味をよく知っている人ならお肉を食べただけで“炭火の香りがする”ってわかってくれるの」そう話してくれました。人気店だけに肉を焼くだけでもてんてこまい！「お客が入ってきたのを見てから焼くんじゃ遅くなるし、タイミングを見ながら焼いてるのよ～」。

毎日コツコツこうして焼いていらっしゃいます…

焼かれたお肉はこの場で一口サイズに！

コチュジャンテジプルコギを味わってみよう
お待たせしました！こちらがランチメニューの「コチュジャンテジプルコギペッパン」。「唐辛子味噌漬けの豚肉定食」…といった感じでしょうか！？おかずがズラズラと並び、またサンチュなどの野菜やスープ類でテーブルがにぎやかに。写真は２人分ですが、メインのテジプルコギの量を見て「ちょっと少なめ？」と思ったナビは本当に２人分か確認してしまいました。でもこれが見た目よりも意外と食べ応えがあり、しかもおかずもたっぷりくれるからモリモリ食べられてボリュームもたっぷり！

ピリ辛で甘く、そして香ばしい！
肉を漬け込むタレの中にはコチュジャンが入っていると先ほどご紹介しましたよね。パッと見たところ赤い色がついているわけじゃないので、見た目だけでは辛い味は想像できないかも。でも一口ほおばるとピリリとした辛味が舌や口の中を刺激する～。かといってヒーヒー言うような辛さではなく、タレの甘みも同時に感じら、それに炭火の香ばしさもプラスされるので口の中ではいろんな味と香りがミックスされた状態に！この味でご飯がどんどん進んじゃうっ！

気取らない家庭の味を堪能しよう！
一口サイズにと乱雑に切られたこの肉を見てわかるように、ここの定食はほんとに素朴なので一般家庭で食べるご飯かと錯覚しちゃいそう。肉を食べても「すごい柔らかいっ！」だとか「厚い！」だとか大げさなセリフは出てこないけど、でもでもなぜか引きつけられる懐かしい味っ！実際お客さんたちは「昔おばあちゃんが作ってくれた味だ～」とか「これ、うちのお袋の味だ」なんて言いながら食べていくんだそうですョ。その懐かしく素朴なおいしさこそが人気の秘密なんでしょうね。

おかずもご飯もお代わりはセルフサービス！
この定食を注文すると、ご飯やおかず、味噌汁などのお代わりはすべて自分でよそいます。お店の真ん中にある電気釜をパカッと開けてご飯を盛っていると、家でご飯を食べてる気分がさらに倍増～。セルフサービスだから食べ盛りの人にもうれしいですよね。ところでみなさん、このページ上方にある「メニュー」部分をクリックしてみて！こんなにおかずが並ぶのに、そしておかわりも自由な都心のお店なのに、価格が安いことにビックリしちゃいませんか！？この物価高のご時世、正直なところ利益はホントに少ないそうですが、その分たくさんの人に来てもらうことで商売を続けたいというのが「ファンソコジッ」の考え。一度訪れてファンになった人、これから通っちゃいましょう！

店名の「ファンソコジッ」って！？
「ファンソ」とは韓国語で「黄牛」、「コジッ」とは「固執」のこと。豚肉メインの食堂なのになんでそんな名前？と思った人も多いはずですが、「ファンソコジッ」とは頑固一徹だとか、頑ななこだわりのこと（またはそれを持っている人）を表す言葉。コチュジャンテジプルコギとソコッチャン（牛のホルモン）という少ないメニューに集中しつつ、飲食店としてのプライドを持ちながらおいしい食事を提供する姿勢がこの店名に込められているんだそうですよ。

ナビが訪れたのは平日の１４時半ごろ。ランチの時間を外してきたつもりでしたが、サラリーマンや周辺オフィスの制服を着たＯＬたちが食事を楽しんでいました。人気店なのでご飯時は避けた方がよく、初めての方なら１４時過ぎくらいに行かれたほうがいいかも（※１５時～１７時はお休みタイム！）。夕飯時もかなり混むそうなので、ワサワサした感じを楽しむくらいの気持ちで訪れてくださいね！安くておいしい庶民の味方「ファンソコジッ」、清渓川観光とあわせて素朴な家庭料理を楽しんでみてはいかがですか？以上、ソウルナビでした。