日本でお茶といえば「緑茶」。こちらでは、果実や穀類のお茶が一般的。しょうが味、シナモン味、蜂蜜味・・・と甘いものも多く、日本のお茶とはちょっとちがう。健康志向のお茶が大半。のどにいいやら、便秘にいいやら、疲労回復にいいやらetc。食後やちょっと休憩の時には、コーヒーや紅茶の代わりに韓国の伝統茶で一休み、一休み。
スジョングァ(水正菓) シッケとともに韓国の独特な伝統飲料。生姜と桂皮を入れ、煮た汁に干し柿を入れる。寒い冬にスジョングァを外に出しておけば、汁に薄い氷が張る。冷たいスープを飲みながら、やわらかい干し柿をすくって食べるのがなんともいえないほどおいしい。 |
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ユジャチャ(柚子茶) 柚子のお茶。秋に新鮮な柚子を選び、四等分して皮は薄く千切りにし、中身は種を取り出し汁を絞って、同量の砂糖にねかせるか、蜂蜜を入れてビンか,カメにつけこむ。一週間くらいすれば、果汁が出てくる。この汁を柚子膜といい、実と汁を1スプーンずつコップに入れて、熱い湯を注いで飲んだり、やかんに実を入れて少し煮立てて飲む。夏には冷水に入れて飲めば、清涼飲料よりずっとさっぱりした飲み物になる。 |
シッケ(米ジュース) 名節やお祭りのとき、または料理をたっぷり食べたあと、デザートとして楽しむ飲みもの。うるち米やもち米でごはんを炊き、麦芽の粉をつけておいた上澄み液に入れる。それを保温しておけば、ごはんがボロボロになり、上にフワフワ浮いてくる。そこに砂糖や蜂蜜を入れ、一度煮立てて冷ましたあと、冷たくして飲む。煮立てるときに生姜の薄切りや柚子の果汁を入れると、香りと味がいっそうよくなる。 |
センガンチャ(生姜茶) 生姜(しょうが)の皮をとり、薄切りにして水にいれて煮つめる。生姜は香辛料で料理にもたくさん使われるが、漢方薬としても健胃、強壮、去痰などに効能があるという。人蔘、ナツメ、桂皮などを入れて煮詰めたりもする。 |
テチュチャ(ナツメ茶) ナツメのお茶。ナツメは熟しぐあいのちょうどいい、虫が食っていないナツメを選ぶのがコツ。ナツメが半分くらい熟したころにもぎとり、水で洗って干す。ナツメと水を1:3の比率で入れ、ナツメが完全に柔らかくなるまで長く煮、麻の布巾で絞る。この汁を水飴のようになるまで煮て、蜂蜜を混ぜてビンにいれておき、熱い湯にいれて飲む。ナツメは昔から神経衰弱、貧血性、食欲不振、無気力、冷え性などに効果があるといわれている。 |
ポルクルチャ(蜂蜜茶) 蜂蜜のお茶。蜂蜜はその成分の大部分が糖分で、昔から食用、薬用として広く使われてきた。東洋医学で蜂蜜は「五腸を楽にさせ、元気にし胃腸を良くする」。また体がずきずき痛むのをおさえ、毒素を出す作用がある。さらに脾臓を丈夫にし、赤痢を治し、口内炎にもいい。蜂蜜茶は作り方も簡単で、沸騰したお湯に蜂蜜を入れ、その上に松の実を浮かべて飲めばよい。 |
オミジャチャ(五味子茶) 干したオミジャ(五味茶)の実を作るお茶。名前の通り、甘味、すっぱい味、苦い味、辛い味、塩味の5つの味を持つ。昔から強壮剤として知られ、肺を保護し、去痰、鎮咳にも効果がある。五味子茶は色が薄く、その年にとれたものを選び、一日に15gを水3カップに一晩つけてから砂糖や蜂蜜を入れ、冷たくして飲む。 |
モグァチャ (カリン茶) 柚子茶と同じくカリンの皮を取り、切って種を取り除き、薄く切って同量の砂糖につけてビンに入れておく。一週間ほど過ぎると澄んだ液が出てきて、実が上に浮かんでくる。実と果汁を1スプーンずつカップにいれて熱い湯を注いで飲んだり、やかんに実を入れて少し煮たてて飲む。 |