創業67年を誇る元祖へジャングッ専門店!!
こんにちは!ソウルナビです。今日はこちら地元で"二日酔い解消スープ"として知られている"へジャングッ"の老舗をご紹介しましょう。場所はヘジャングッ通りとして有名な鍾路(チョンノ)の清進洞(チョンジンドン)。ここは1960~70年頃もっともにぎわっていたと言われるこの通りでしたが再開発が進み、昔からのお店はほとんどなくなってしまいました。元祖ヘジャングッ専門店と言われ、長い間たくさん地元の人たちに昔ながらの味を提供してきたこちら「清進屋(チョンジノッ)」も、近くの新しいビルの1Fに移転!ではさっそく行ってみましょう!
70年以上の老舗!
こちらのお店がオープンしたのが1937年のこと。今の社長さんのひいおじいさんが薪売り商人を相手にお酒を売ったのが始まりだとか。それから60年以上の間ずっと同じ場所でお店を営んできた、まさに老舗中の老舗。移転前のお店は木のイスとテーブルが並べられた韓国の老舗食堂風でした。創業当時はテーブル5つほどの小さなお店だったものを、お客さんが増えるにつれて店の後ろにあった一般住宅まで徐々に規模を拡大。座敷や個室も出来、全部で30テーブルほどありました。24時間営業ということで、昔から食事時間に関係なくいつ行ってもお客さんがいっぱいだったそう。その歴史は移転後の新しい店内にも受け継がれています。
<移転前のお店>
<移転後の店内>
元祖ヘジャンクッ専門店!
お店の中を見回すと今までメディアに紹介された看板や記事が壁という壁を覆っています。わぁ~、移転しても創業70年の元祖ヘジャングッ店の歴史が感じられますね。よく見ると、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどなど韓国国内だけでなく、日本の雑誌や本の記事もありました。社長さんいわく、韓国ではもう数え切れないほど紹介され、日本にもテレビ9社と雑誌や本、インターネットなどでたくさん紹介された、とのこと。
ヘジャングッ誕生!
お店の支配人さんいわく、昔は今のへジャングッというメニューはなく、お酒を注文した時にサービスで出すスルグッとクッパッのみだったとか。スルグッは現在でいうピョダギへジャングッのような牛の骨をじっくり煮込んだスープにじゃが芋と大根葉が入った辛いスープのこと。当時はスープの中の大きなじゃが芋だけを持ち帰り、子供のお土産にしたりする人もいたとか。ではへジャングッはいつ誕生したのか?!実は1945年より後のこと。薪売り商品以外の一般客や家族連れの増加に合わせ、食事として簡単に食べられ、さらに二日酔いはもちろん、気力&体力&疲労回復効果があるスープをということで、へジャングッ(解腸スープ)という名前が誕生したんだそう。
おいしさの秘訣!
へジャングッの主な材料は牛の背骨、サゴル(足の骨)、ソンジ(牛の血)、内臓、ヤンジモリ(牛の胸の肉)、白菜の葉、豆もやし、太ネギ、ニンニク、しょうが、味噌など。まず、大きな鍋に牛の背骨を長時間煮込んだ後、そのスープを別の大鍋に移し、それにヤンジ、内臓、ソンジ、野菜などを入れてさらに煮込み、味噌で味付けしたら完成!田舎味噌を混ぜて臭味を取り、新鮮な牛の血に塩と水を適度に混ぜ合わせておいしいソンジを作ることがおいしさの秘訣だとか。しかし老舗の味とは長い間引き継がれてきたノウハウがあってこと出せる味。以前、日本の方が新大久保にヘジャングッのお店を出したいとやってきて、こちらで修業して帰ったけれど、本店の味を知っている人はその店のスープをひとくち飲んでお金をおいて出て行ってしまったとか。やっぱり本場の味はここでしか味わえないんですねぇ。
ヘジャングッの食べ方
お店のメニューを見るとへジャングッ、タログッ、ソンジといくつかありますが、ベースは同じスープを使用。へジャングッは内臓やソンジなどがたっぷり入り、さらにご飯も入って出てくるもの、タログッはタロ(別に)+グッ(スープ)でご飯とスープが別に出てくるもの、そして、ソンジは普通のへジャングッから肉の具を除いたもの。食べ方は、お好みに合わせてテーブルの上に置いてあるコチュジャンベースの薬味と胡椒を適量入れ、混ぜ混ぜして食べればOK!胡椒と薬味をたっぷり入れたらソンジや内臓などが持つ独特の香りが消え、食べやすくなりますョ。
お味は?!
味噌スープにいろんな具が混ざった深い味。見た目はすくえばすくうほどグロいけれど、スープの味はかなりグッドです。さらに内臓や野菜、ソンジなどの具がたっぷり入っていて、かなりのボリューム。内臓もいろいろ食べてみましたが、う~ん、好きな方はモリモリ食べられると思いますが、実はナビ、一部だめな部位がありました。ソンジは思ったよりも生臭くなく、卵の白身のような、ある意味淡白な感じもしましたが、味わっていると独特な濃さがあります。これは食べているうちに体が熱くなって来て、その日は1日妙に体が燃えた気が!まさに気力&体力&疲労回復スープって感じですね。
こちら「チョンジノッ」は1937年から約70年以上、移転を挟んでほぼずっと続いてきたお店。だから地元の常連客もたくさん。中には100歳を越えるおじいさん(!)も昔懐かしの味を求めてやってきたり、小さい頃に食べたヘジャングッの味が忘れられないと地方や海外からわざわざやって来る人もいるとか。また昔はお客さんのほとんどが中年の男性だったけれど、最近は客層がどんどん広がっているそう。大学のコンパなどでがっぽりお酒を飲んだ後にやってくる若者や女性も増え、近くのホテルに宿泊する外国人の往来も多いエリアなので、韓国に来るたびに朝ごはんを食べに来る日本人の常連客もいらっしゃるそうですよ。ソウルでソジュ(焼酎)飲み過ぎた翌日、朝ご飯をへジャングッでスタートしてみてはいかがですか?その日は朝から元気に旅行スケジュールをこなせると思いますョ。以上、清進洞にある「チョンジノッ(清進屋)」からソウルナビでした。