中間駅から慶全線と東海南武線の始発終発駅へ
アンニョンハセヨ、プサンナビです。ソウル~釜山間をわずか2時間40分で結ぶ、高速鉄道(KTX=Korean Train Express)の開通を4月1日に控え、何かと話題の釜山ですが、KTXの終着駅として駅舎が大規模に一新される釜山駅(プサニョッ)だけではなく、地味ながらも地元の人々や日本の鉄道ファンの方々に静かに注目されている駅があるのです。それが今回紹介する釜田駅(プジョンヨッ)。地下鉄1号線、釜田洞(プジョンドン)駅の程近く、生活の臭いが漂う釜田市場(プジョンシジャン)に位置しています。
高速鉄道についてフランスのTGV方式を取り入れた最高時速300kmの高速鉄道。高速専用路線と在来線のどちらも走ることができるのが特徴。京釜線の場合、4月の開通時はソウル~東大邱駅までを高速路線で走り、そこから釜山までは在来線を走る。東大邱~釜山間は現在も工事中で、完全に高速路線が開通するのは2008年になる見通し。
統一号・ムグンファ号の出発駅が釜山駅から釜田駅へ
それではなぜ釜田駅が注目されるのかといえば、今年の2月1日から、もともと釜山駅や釜山鎮(プサンジン)駅が始発だった慶全線(キョンジョンソン)と東海南部線(トンヘナンブソン)のほとんどの列車が、釜田駅始発になったからなんです。変更の理由は、釜山駅が今後、KTXを中心とした運行になるためだとのこと。過去の地方シリーズの記事(蔚山、浦項に行こう)の汽車によるアクセスも情報が変更されているのでご確認ください。
○慶全線=釜田→馬山(マサン)・木浦(モッポ)方面
▲コインロッカーもこのとおり
新築された駅舎鉄道庁では釜田駅の利用者が増えるのを見込み、3年前から新駅舎の建設をすすめ、去年の暮れ、障害者向けのエレベーターなども設置してある新舎駅がようやく完成しました。
失われる名物風景
釜田の駅前通りは露天商や買い物客でごった返す、活気あふれるアジアの雰囲気だったのですが、駅の利用者増加による交通難に備えて、今後は不法の露天営業や駐車を取り締まっていくそうです。鉄道庁も釜田市場の方に前もって説明会などを開き、釜田駅の発展のための協力を呼びかけてはいますが、今も根強い反対運動が起こっているとか。新駅舎ができて便利になる反面、釜山の名物風景がひとつなくなってしまうのは少しさびしいところです。
鈍行列車でゆっくりと車窓の風景を楽しみたい方は、釜田駅からの旅を選択肢に加えてはいかがでしょう。以上、プサンナビがお送りしました。