史跡第330号、緑に囲まれた地元住民たちの憩いの公園。
こんにちは!ソウルナビです。今日みなさんにご紹介するのは、「孝昌公園(ヒョチャンコンウォン)」という大きな公園。こちらはその昔、朝鮮第22代王「正祖」の長男「文孝世子」の墓所だったところで当時は「孝昌園」(初めは「孝昌墓」)と呼ばれていましたが、1940年にこの墓が「西三綾」(京畿道高陽市にある朝鮮時代の王族の墓所)へ移された後、公園となった場所。そして独立後には、独立運動家として有名な金九(キム・グ)をはじめとして、臨時政府の要人など祖国の独立や統一のために活躍した人々の墓所が置かれ、1989年に第330号の史跡として指定されました。金九の生涯を紹介する「白凡記念館」があるのもこちらの公園の中。そんな背景を持つ「孝昌公園」は一方で、約3万7千坪(12万3,307㎡)という広い敷地内にたくさんの植物が植えられ、散策コースなども整備された地元住民たちの憩いの場でもあるんです。それでは、歴史的な意味を持つ史跡でありながら、緑いっぱいの癒しスポットでもあるこの公園を詳しくご案内していきましょう!
彰烈門
アクセスは地下鉄6号線「孝昌公園前」駅から
孝昌公園はソウルの中心からいうと西部に位置する竜山区(ヨンサング)にあり。チョッパル(豚足)通りのある孔徳(コンドッ)やテジカルビの有名な麻浦(マポ)など庶民的なグルメ店がたくさん集まる辺りと、名門女子大として知られている淑明女大(スンミョンヨデ)とのちょうど中間くらいに位置します。地下鉄を利用していく場合は、地下鉄6号線ヒョチャンコンウォンアッ(孝昌公園前)駅から歩いて7~8分ほど。ヒョチャンコンウォンアッ駅は観光地としても有名な梨泰院(イテウォン)駅から3駅目のところになります。駅から公園へは少し歩かなければなりませんが、観光客のあまり訪れることのない、地元住民が行き来するフツーの街並みを見物しながら歩いていくのもよさそう。公園前には、かつてサッカーの重要な国際試合などが数多く行われた「孝昌運動場」が。また、公園の正面入口には「彰烈門」という立派な門が建てられており、これは1989年、ここ孝昌公園が史跡第330号に指定された年に建立されたものだそう。
★★公園内の見取り図★★
① 大韓老人会
② 大韓老人会ソウル支部
③ 白凡記念館
④ 白凡金九墓域
⑤ 反共闘士慰労塔
⑥ 義烈祠
⑦ 李奉昌義士の像
⑧ 三義士墓域
⑨ 象徴造形物(點指)
⑩ 臨時政府要人墓域
⑪ 元暁大使銅像
가 バドミントン場
나 広場
다 自然学習場
라 子ども公園
마 出入り口
※敷地の右下辺りにある「정문」と書かれたところが正門の「彰烈門」。
◇◇主な見どころをご紹介!◇◇
<白凡記念館>
1876年生まれの独立運動家、金九(キムグ)の生涯を紹介した記念館。「白凡」(ペッボム、ペンボム)というのは号。祖国独立だけではなく、祖国統一のためにも戦い続けた金九について詳しく知ることができます。
(※「白凡記念館」についての詳しい情報は、この記事の上にある青いバーの「TOP」をクリックしてTOPページへ行くと、右に「関連記事」一覧があり、そこから見ることができます。)
<白凡金九墓域>
金九の墓所は、白凡記念館のすぐ隣りに。記念館の2階からも見えます。募域内は飲食物持ち込み、飲酒、喫煙、ペット連れ込みは禁止されているのでご注意を!
<義烈祠>
愛国先烈たちの影幀(肖像画)を保管している祠堂「義烈祠(ウィヨルサ)」。影幀は大韓民国臨時政府の要人、李東寧(イ・ドンニョン)、曺成煥(チョ・ソンファン)、車利錫(チャ・リソク)と臨時政府主席の金九(キム・グ)、そして李奉昌(イ・ボンチャン)、尹奉吉(ユン・ボンギル)、白貞基(ペク・ジョンギ)の「三義士」の合計7人のもの。大韓民国臨時政府樹立60周年にあたる1979年4月13日に合同追慕祭典が行われてから毎年定例で祭典(※下記「その他の情報」参照)が開かれています。
<反共闘士慰労塔>
「義烈祠」の裏手、公園内で一番高くなった所にひっそりとあります。
<李奉昌の像>
「三義士」の一人、李奉昌(イ・ボンチャン)の像。
<三義士の墓域>
祖国光復(独立)のため殉国した「三義士」、李奉昌(イ・ボンチャン)、尹奉吉(ユン・ボンギル)、白貞基(ペク・ジョンギ)の墓。1946年にこの場所へ安置されました。三つ並んだ墓の横にもう一つある墓碑の無い墓は、安重根(アン・ジュンコン)の虚墓。募域内は他の募域と同様、飲食物持ち込み、飲酒、喫煙、ペット連れ込みは禁止されています。
<象徴造形物「點指」>
独立のため活躍した先烈たちの墓所である「孝昌公園」の象徴的なモニュメント。正門を入るとすぐにあります。「點指(チョムジ)」とは、「精気」や「根」という意味を持ち、「生命の根源を成す大地の内部に帰結され疎通する」んだそう。
<臨政要人墓域>
大韓民国臨時政府の要人として活躍した臨政主席の李東寧(イ・ドンニョン)、軍部部長の曺成煥(チョ・ソンファン)、そして秘書部長だった車利錫(チャ・リソク)の墓所。募域内は他の募域と同様、飲食物持ち込み、飲酒、喫煙、ペット連れ込みは禁止されています。
<元暁大師銅像>
7世紀に仏教の大衆化のため活躍した僧侶、元暁(ウォンヒョ)大師の銅像。
◇◇地元住民たちの憩いの場!◇◇
と~っても広い敷地には緑がいっぱい植えられていて、散策コースなんかもあるんですョ!上の園内案内地図にはA~C三つのモデルコースが点線で示されていますが、960~1820mとかなり歩き応えあり!?またこの散策コースどおりに行かなくても、もちろん自由に園内を散歩することもでき、近所の住民たちもたくさん訪れいてそれぞれ思い思いに自然に親しみながらのんびりとくつろいでいるみたい^^ 敷地の東端には児童用の遊具がある「子ども公園」もあり。
☆7月末~8月頃にはムグンファも!
またこちらの公園には多くの植物に混じって韓国の国花、ムグンファ(無窮花、和名はムクゲ)の木もあちこちに。花の咲く7月末から8月にかけてはこのムグンファの花を観賞できます。いっぱい密生している、というわけではないけれど、金九の墓所周辺や散歩コースなど時々で見られますョ。
独立運動で活躍した人々の墓所や記念館などがあり史跡として重い意味を持つと同時に、市民が気軽に訪れる憩いの場所でもあるこちらの公園。興味のある方は史跡をじっくりと見学するのもいいし、また広々とした敷地内をブラっと散策して自然を感じるのもよさそう。比較的都心に近い場所にある史跡でありながらも、今まで観光客向けにあまり紹介されていなかった「孝昌公園」、今までとちょっと違った場所に行ってみたい、という時に訪れてみるのもいいかも。あ、そうそう、上でもご紹介したとおり公園はかな~り広く、そのうえ散歩道はゆるやかな上り坂、下り坂に石畳の道なんかもけっこういっぱいあるので、訪れる際には歩きやすい靴を用意されるといいですョ。ナビはヒール付きのサンダルで行ってしまったため、足が大変なことになってしまいました!^^; 以上、孝昌公園をぐるぐる歩き回ったソウルナビがお伝えしました~!