韓国の食文化を代表するキムチ。その伝統や種類など、キムチのことならここに行けば、なんでもわかる!
こんにちは!ソウルナビです。韓国の漬物といえばキムチ!韓国でも子供たちのキムチ離れが進んでいるそうですが、カレーに福神漬けやらっきょうじゃなくてキムチが食べたくなるほど、普段の食卓に欠かせないキムチ(笑)でも単にキムチといってもオーソドックな白菜キムチからカクトゥギこと大根キムチ、ポッサムキムチなど、キムチにできない野菜はないといわれるほど種類も味も豊富なキムチ! 地方により、また家庭によっても漬け方や材料が違う、幅広くて奥深いキムチ、今日はキムジャン(キムチを漬けること)について学ぶことができるキムチ専門の博物館「ミュージアムキムチ間」をご紹介しましょう!こちらは2014年までは三成洞のCOEXにあり、日本人をはじめ多くの外国人を迎えてきましたが、このたび仁寺洞に移転し、名前も変えて再オープン!以前とはコンセプトも内容もがらっと変わって戻ってきました!それではさっそく行ってみよ~
見て、学んで、作って、食べられる、キムチの体験館!
韓国ならではの食文化「キムチとキムジャン」の専門博物館「ミュージアムキムチ間」。2015年4月21日、仁寺洞のショッピング、グルメ、文化などメイドインコリアのモノだけが集まる複合文化空間「仁寺洞ンマル」内にオープンしました。 仁寺洞のメインストリートから「マル」の案内板を見ながら曲がると、少し奥まったところに「マル」の建物があり、向かって右手の建物の4、5、6階の3フロアに博物館が入っています。全体的にこじんまりとしているので、限られた旅の日程の中でも負担にならないほどの規模。こちらは資料や模型を展示、説明する一般的な博物館とは違い、デジタル技術を利用した映像や画像が多く、実際に見て、聞いて、つくって、食べられる体験コーナーが全体の8割以上占める「キムチの体験館」になっています。
<フロア案内>6階 ユネスコ人類無形文化遺産/キムジャンマル(キムチ作り体験場)/キムチ工房(芸術体験)/キムチ試食室
5階 キムチ勉強室/キムチウム(キムチ展示)/カフェ「ディヒ」
4階 受付/ミュージアムショップ/キムチマダン(映像でキムチ作り体験)/キムチサランバン/科学者の部屋
フロア案内
それでは各フロアについて、見て行きましょう。
■4階 文化疎通空間
博物館の受付は4階。必要な方は外国語音声ガイドもここでレンタルしましょう。4階はミュージアムキムチ間のメインフロアともいえる場所。中央は5階まで吹き抜けで、高い天井にまで続く壁の一面にはキムジャン(キムチ漬け)の映像が映されています。もう一方の面には今ではだんだん見かけなくなったキムチを漬けるオンギという容器の蓋がくっついています。これはオンギが並んだ様子を空から見下ろしたというもの。ちなみにこのオンギ、さりげなくくっついてますが、全羅道のオンギの名匠がつくったものだとか。また中央には二つのモニターが設置され、デジタル映像でキムチ作りを体験することができます。
○キムチマダン
中央のタッチパネルモニターはキムチのソッ(漬けるときに使う色んな材料を混ぜたもの)作りから、キムチの漬け方まで、モニター上で体験できるます。
*外国語選択で日本語を選ぶことができます。
○科学者の部屋
キムチ科学者の実験室を再現した部屋。部屋の壁にはキムチ内に生きている乳酸菌を顕微鏡で映したものが展示されています。キムチの乳酸菌って、キムチ1gあたり約1億個もあるんだとか!この部屋では実際に顕微鏡を覗いて乳酸菌を見たり、机にある科学者の研究ノートをちらっと見ることも。このノート、日本語をタッチすると日本語のノートに!吹き抜けのメイン空間の奥まったところにあり部屋も暗いため見逃さないようにご注意ください。
○企画展示空間&メインホール
壁にはいろんなキムチの古い名前が!
○ミュージアムショップ
食器類は作品なので高価なモノが多いけど、雑貨などお手ごろなものも。ここにしかないオリジナルお土産だから
喜ばれそう。
■5階 キムチを五感で学ぶ、 息づくキムチに出会う空間
キムチロード1-キムチの発酵する音が聞こえる階段道
4階を観覧したら、奥の長~い階段を上って5階へ。この階段はキムチロードといい、キムチの発酵する音を楽しめます。ナビはぞろぞろと上る人の足音でよく分かりませんでしたが・・・耳を澄ませて聞いてみてください。階段を上りきると、日韓中の漬物文化の歴史が年号表になって紹介され、突き当たりはキムチに関連したドキュメンタリー映像が見られるコーナー。「キムチの言い伝え史」「宮中キムチ、八道キムチ」「日本秋田のいぶりがっこ」の3つの映像がそれぞれ5分間ずつ、決まった時間に上映されています。また5階のテーマ「息づくキムチに会う空間」にふさわしいのがエレベーター横にあるキムチ体験空間「キムチウム」。模型ではなく、本物の韓国の多様なキムチが展示されています。
○キムチウム
食品となると傷むので模型を展示することが多いけれど、こちらは模型は一切なく、デジタル映像のほか実際のキムチも展示しています。5階のキムチウムでは暗いこじんまりとした空間に透明の容器に入ったさまざまなキムチがライトに照らされ色鮮やか。左側には韓国のキムチが12種類、右側には世界の野菜の漬物を並んでいます。普通に見ると、ほぉ~いろんなキムチだねで終わってしまいますが、実はこちら、部屋の温度を4℃に維持し、匂い、発酵する音、温度などを体験できるようにしているとか。イメージは大型キムチ冷蔵庫?臭覚、聴覚、視覚など5感を集中してみてください。
■6階 キムチを食べて、作って、キムジャン文化体験空間
このフロアのほとんどは「キムチ作り体験場」。体験場を囲むように、いくつかのテーマ空間が並んでいます。入口すぐのところにあるのが世界のユネスコ人類無形文化遺産に登録された食文化を紹介したコーナー。韓国だけでなく、世界の文化がマルチビジョンで展示されます。そして一番奥にあるのがキムチ関連の昔の新聞記事や写真。写真だけでも時代が感じられ面白い!フロア入口付近から左に進むと「キムチ工房」があり、キムチをモチーフにしたアート体験コーナーが。ハガキにキムチ柄やハングルのスタンプを押したり、キムチパターンをつくったりといった簡単なものなんで、気軽に楽しめますョ。このアート体験、キムチ作り体験は両方とも有料になっています。
○キムチ作り体験
今回キムチ作り体験は子供向け、外国人向けなどいくつかに分かれていて、月ごとにスケジュールが決まっています。特に個人旅行者も考慮して今回から1人からでも参加可能なプログラムを開始したので、興味のある方は事前に問い合わせてみてくださいね。
<Oh My Kimchi(1人から参加できるキムチ作り体験)>
刻まれた食材や調味料をレシピをみながら混ぜ、コッチョリ(サラダキムチ)をつくります。
※毎日行われないため、参加を希望される際は事前に電話で確認することをオススメします。
開始時間:14:10
所要時間:約20分
参加費:1万ウォン(1人)
<団体でのキムチ作り体験>
予約時に体験時間、体験するキムチの種類などを相談してください。
参加費:キムチの種類により1~5万ウォン(1人あたり)
○ユネスコ人類無形文化遺産に登録された世界の食文化紹介コーナー
このコーナーでは韓国だけでなく、2010年から2014年までに文化遺産に登録された世界の食文化を紹介しています。韓国のキムチをみんなで漬けて、みんなで分ける文化「キムジャン」が文化遺産に登録されたのは2013年のこと。その年は日本の伝統文化としての「和食」、アルメニアの伝統発酵パン「ラバッシュ」、地中海の食文化、古代ジョージア(グルジア)の伝統クヴェヴリワイン醸造法などが同じく文化遺産に登録されています。こちらの展示も壁に掛けられたマルチビジョンに落書きのように書かれたキーワードにタッチしたり、映像と組み合わせると、関連の画像や説明が出てくるデジタル展示。日本語もあるので是非トライしてみてくださいね。
○キムチのアート体験コーナー
時間:11:00~11:40、15:00~15:40(2回)
開催日:毎日
※基本的に毎日行われていますが、変更される場合もあるので事前にご確認ください。
○キムチの味見コーナー
食文化って、やっぱり一番の楽しみは食べること!こちらにはキムチの試食コーナーがあります。
オープン当日の午前中は開館式が行われ、開館記念イベントとしてキムチ名人の試演会が行われていました。記念イベントのキムチは「ヘムルソッパッチキムチ(海鮮入りの白菜と大根キムチ)」とサグァナバッキムチ(りんご、白菜、大根の白キムチ)」。置いてある食材もあわびやさざえなど、普段家庭で作るキムチとは次元が違い、まるで高級料理!ほんとにキムチっていろんな種類があるんですよね。そんな広く&深いキムチの世界に出会える博物館に、皆さんも訪れてみてください。以前COEXにあったときの内容とはがらりと変わっているので、昔COEXで見た、という方もぜひ仁寺洞にも足を運んでみてくださいね!以上、「ミュージアムキムチ間(旧キムチ博物館)」からソウルナビでした!