毎年5月第1日曜日に開かれる王家の祭礼。
こんにちは!ソウルナビです。皆さんは「宗廟大祭」って聞いいたことがありますか?2001年5月にはユネスコ「人類無形遺産」に登録されたほど歴史的な価値のあるお祭り!1年に1度、5月に行われる祭礼儀式なんです。今日はこの宗廟大祭について、ご紹介しましょう。当日は会場である宗廟に誰でも無料で入場できますが、祭礼儀式は厳粛に行われるため、ナビも心を落ち着かせて~はいっ!それではいよいよ儀式の始まりです!さっそく行ってみましょ~
宗廟
宗廟大祭について説明をする前に、まずは宗廟大祭が行われる宗廟(チョンミョ)について、簡単にご説明しましょう。宗廟はソウルの中心部にあり、李朝時代に歴代王と王妃の位牌を祀ったところ。1394年に工事が始まり、翌年の9月に完成。現在は正殿の19室に48位の位牌が、永寧殿の16室には主に死後称号を贈られた王と王妃を中心とした32位の位牌が、そして正殿の庭前にある功臣堂には李氏朝鮮時代の功臣83位の位牌がそれぞれ祀られています。またこちらも1995年、優れた建築的価値と歴史的価値からユネスコ世界遺産に登録されました。
宗廟大祭とは?
宗廟大祭とは、この宗廟で祀られている朝鮮王朝歴代の王と王妃の位牌を祀る祭礼儀式。朝鮮王朝時代にはなんと年に5回行われていましたが、1910年からの日本統治時代に中断、1969年から宗廟祭礼保存会(全州李氏大同宗約院)によって復元されました。現在では年に1度、5月の第一日曜日に行われています。1975年には重要無形文化財第56号に指定され、2001年にはユネスコの「人類無形遺産」として登録されました。まさに世界的に価値のあるお祭りなのです。
御駕行列と祭祀の2つ
宗廟大祭は大きく分けて景福宮から宗廟まで向かう御駕行列と、宗廟で行われる祭祀の2つに分けられます。
それではまず、御駕行列からチェックしてみましょう。
御駕行列
景福宮の光化門を出発し、光化門十字路から鍾路に入り、宗廟まで続く御駕行列。これは昔、王が宗廟大祭を行うために宮殿から宗廟へ向かう過程を再現したパレードとか。馬を先頭を行き、色鮮やかな部隊と楽隊、王様が乗る神輿が大通りを練り歩きます。その整然とした行列はまさに歴史絵巻のよう!このパレードは時間的に真昼に行われるためか、鍾路1街あたりでは観客も少なく、ゆっくり見ることができます。
宗廟大祭ってなにするの?
宗廟で行われる祭祀は永寧殿(13時から)と正殿(16:30)の2回。行われます。
どのような祭祀が行われるか、見てみましょう。
■斎戒
心身を厳粛で清潔に保ちます。
■就位
祭官が定位置につきます。
■進請行事
王と王妃の位牌を出されます。
■農課禮
神様を迎えます。
■進饌禮
神様のために供え物をします。
■初献禮
神様に最初の酒を捧げます。
■亜献禮
神様に2回目の酒を捧げます。
■終献禮
神様に3回目の酒を捧げます。
■飲福禮
神様の恵みをいただきます。
■徹邊豆
供え物を下げます。
■送神禮
神様を送り出します。
望燎礼
祝文と碑を焼きます。
ナビ的観覧ベストポイント!
宗廟大祭の祭祀を観覧する際は、会場の正殿・永寧殿の敷地内に入り座って観覧することは出来ますが、中に入って観覧しても神殿の内部までは見ることが出来ません。また年に1度の宗廟大祭には世界中から人が集まってくるので敷地内はかなり観覧客で混雑!椅子もない地べたに座って見るよりも、外に設置されている大型モニターで見たほうが神殿内部で行われている様子まで詳細に見ることが出来ますヨ!
宗廟での注意事項!
宗廟の中には石畳が3つに区分され、3つある道の真ん中の道が左右の道よりも少し高くなっています。この3つの道にはそれぞれ意味があり、最も高い真ん中の道を「神香路」、東側を「御路」、西側を「世子路」といいます。「神香路」と呼ばれる真ん中の道は亡くなった王様や王妃様の魂が通る道。祭礼を執り行うために王宮から宗廟に来た王様は進行方向右側、王世子(皇太子)は進行方向の左側を歩き、そのほかの人たちは石畳ではなく両側の土の地面を歩きます。当日は係の人が数メートル間隔で立っていて、もし神香路の上を歩いていると、「降りなさい!」と注意されるのでご注意を!
世界遺産の宗廟大祭、いかがでしたか?1年に1度のみ行われる壮大な儀式。毎年5月のGWの期間に行われるので、この時期に来られる旅行者は必見のお祭り!ただ、一般公開はされていますが、宗廟自身が朝鮮王朝歴代の王と王妃の霊が祀るとても神聖な場所で、宗廟大祭はその祀られている王や王妃のための祭礼儀式。厳粛な祭礼ということを忘れないで、騒いだりせず静かに観覧すれば、古の王朝の雰囲気をきっと感じられるはず!以上、宗廟にいくたびに厳かな気持ちになるソウルナビでした。