町中にあふれる提灯!釈迦の誕生日を祝うお祭り。
こんにちは、ソウルナビです。4月になると気温がぐんぐん上昇し、4月後半にはすっかり初夏を思わせる陽気のソウル。街を見渡すと街路樹やお花もキレイに色づき、外に出かけるのもすごく楽しい季節になります。韓国は毎年4月後半から5月あたりの時期になると赤、青、黄色などのカラフルな提灯が街のあちこちに見られるようになります。この提灯は旧暦の4月8日にあたる「釈迦誕生日」を祝うもの。韓国ではこの季節の風物詩となっています。日本ではお釈迦様の誕生日って、クリスマスなどに比べればあまり大きなイベントではないけど、韓国ではとても大切な祝日でお休みにもなるくらい。ちなみに釈迦誕生日は旧暦のため、毎年変わります。その誕生日の1週間前の金曜日から日曜日、これをお祝いする「燃灯祝祭」が行われます。お祭りムードの中、夜には大きな燃灯も街を練り歩きます。
◆◇◆街の様子は!?◆◇◆
ブチョニム(お釈迦様)誕生の日を祝うシンボルとなっている提灯。韓国語では燃灯(ヨンドゥン)といいます。毎年、お釈迦様の誕生節の約1ヶ月くらい前から街にカラフルな提灯が登場。赤、青、黄色にオレンジの提灯などが街路樹の新緑に混ざって、見た目もとっても鮮やか!市庁前のソウル広場には毎年恒例の大きな塔の燃灯が登場(年により光化門のすぐ前に)。夜になると街中に吊るされた提灯がぼわわんと光って、ちょっと幻想的な感じになります。
仁寺洞(インサドン)の一本横の道にある、仏教関連のグッズを売るお店がズラリと並ぶ「堅志洞(キョンジドン)仏教用品通り」。この時期、この通りのお店の軒先にはお祝いに使う色とりどり、大小さまざまの提灯やお祭りの装飾品などが売られています!
◆◇◆清渓川にもユニークな燃灯の数々が!◆◇◆
清渓川(チョンゲチョン)には、迫力ある燃灯のオブジェが今年も登場!仏教っぽい蓮の花やお坊さんなどから虎、鹿、魚、三足鳥(サムチョゴ、不死鳥)といった伝説の動物まで、カラフルな燃灯が清渓川を彩っています。これらは日中に見てもキレイだけれど、夜になると明かりが灯って「燃灯」の本領発揮!さらに美しく、人々の目を楽しませてくれます。
◆◇◆東国大学のキャンパス内でも!◆◇◆
南山の麓にある仏教系私立大学の東国大学でも、毎年この時期になるとキャンパス内にたくさんの燃灯(提灯)が飾られています。夜になると色とりどりの伝統提灯がキャンパス内を色鮮やかに飾りとてもキレイです。キャンパスからはソウルタワーも眺めることができます。
◆韓国仏教最大宗派の本山「曹渓寺」では…?◆
韓国仏教の中でも最大宗派という曹渓宗の総本山「曹渓寺」(チョゲサ)。毎年この時期には、お寺の境内はたくさんの提灯で覆われ、まるでカラフルな天井のように!実はこの提灯、市民が申し込むと提灯に自分の名札を吊るしてもらえるんだそう。このカラフルな提灯は全体的に色分けして配置されていて、何かの模様を表現しています。過去には太極旗だったことも。境内の仏像の前ではたくさんの参拝客がお供え物をしていたり、日本の花まつりと同じくお釈迦様に甘酒をかけていたりしています。
◆◇◆曹渓寺の前では、仏教文化マダン◆◇◆
ここ数年、燃灯パレードが行われた次の日の日曜日に開催される「仏教文化マダン」。曹渓寺の前の通りがホコ天となり、仏教一色に。ランタン作りやお寺の食事の紹介、仏画や曼荼羅描きなど、いかにも仏教的なブースもありますが、仮面づくりや韓紙工芸体験、伝統遊びや伝統衣装体験など、仏教というよりは韓国の伝統文化のイベントもいろいろ。西洋人をはじめ外国人の姿もたくさん見かけます。また家訓書きや北朝鮮の食事紹介などのコーナーも。カンボジアやネパール、タイ、インド、台湾、チベットなど外国の仏教のブースもあり、エスニックな仏教が人々の関心を集めています。無料漢方治療やヨガ、禅など健康志向のブースや子供たちに参拝方法を教える教室も。鍾路タワーの前にはミニステージが設けられ、公演も行われます。
◆◇◆お祭りの目玉、燃灯パレード!!◆◇◆
2011年から土曜日の夜に行われるようになったパレード。日頃は車が行き交う鍾路(チョンノ)も全面交通止めとなり、7時過ぎると両側に用意された椅子がほぼ埋まります。パレード開始前から熱気がムンムン!伝統衣装を来た人々やサムルノリの演奏パレードから始まり、ねぶたのような大きな燃灯から人々が手に持ち歩く小さな提灯まで、さまざまな提灯が鍾路を次々と行進していきます。大仏や龍、ゾウなど毎年見かけるおなじみの提灯も登場しましたが、子供たちにはかわいらしい仏教系キャラクター(日本のゆるキャラ的な?)が人気のよう。また、一般の市民や障がい者の方々、盲導犬、そしてミャンマーやネパールなど外国からの行列にも沿道からもあたたかい声援が送られます。中には、飛び入りで行列に参加してしまう人の姿も!外国人の方もノリノリで、べつに仏教徒じゃなくても関係なくなってきたみたい。大盛況のパレードは、夜10時くらいまで続きます。
<サムルノリや伝統舞踊、お坊さん、一般市民のパレード>
<パレード後には、ステージ公演も!>
パレード後には鐘閣(チョンガク)前でステージ公演!仏教系フォークグループから仏教系アイドル&ラップ、仏教系ダンスチームなど、仏教のお祭りにちなんだステージが続きます。ちなみに仏教系アイドルは、毎年仏教系の新曲を用意。ステージ横の大画面にはリアルタイムな会場の様子やイベントのプロモーション映像が流れ、ステージでは音楽に合わせてド派手な紙吹雪などで演出。終盤には韓国人の皆さんが大好きな伝統歌謡、カンガンスルレの歌も始まり、会場はマイムマイム状態に。これが仏教イベント!?と思わせるような熱狂的イベントは夜遅くまで続き、鍾閣駅前の十字路は初夏の訪れを祝うように、夜遅くまでお祭り騒ぎが続きます・・
いかがでしたか?韓国仏教最大のお祭りであり、初夏の訪れを告げるイベントでもある「燃灯祝祭」。お釈迦様の誕生日をこんなに盛大にパワフルにお祝いするのは、日本人から見るととっても新鮮ですよね。とにかく派手でなんでもありって感じで、信仰とは関係なしに楽しめちゃうイベントでもあります。この時期に韓国にくれば、韓国仏教のお祭りの雰囲気を味わえるかも!また提灯に彩られたキレイな街並みは、とっても見る価値があります^^ 以上、ソウルナビがお伝えしました!