韓国版ジャージャー麺、チャジャンミョンの歴史が分かる博物館!
こんにちは!ソウルナビです。韓国国民のソウルフード、チャジャンミョン。今や出前の代名詞となっているチャジャンミョンは、韓国でなんと一日に700万杯も売れるんだとか。ドラマでもチャジャンミョンの出前を取って食べるシーンがよく出てきますよね?そのたびに「うわ~、食べたいっ!」と思う方も多いはず。今日はそんな気になる韓国版ジャージャー麺、チャジャンミョンの歴史がわかる博物館にご案内しま~す!
仁川チャイナタウンに新名所、レンガ造りのレトロな建物が目印!
チャジャンミョン博物館は、チャジャンミョン発祥の地・仁川のチャイナタウンに2012年4月にオープン。仁川のチャイナタウンの中でもひときわ目を引く煉瓦とペパーミントグリーンの窓枠のレトロな建物は、かつて宴会場を備えた有名な中華料理店としてその名を博した店「共和春」の建物を仁川市中区が買い取り、改装したもの。お店が丸ごと博物館になっちゃったというワケなんです。赤を基調とした派手な色彩と模様の建物内部は、中国のイメージそのままの華やかな雰囲気で、ナビもなんだかテンション上がってきました!ではでは、さっそく1階から見ていきましょう。
【1F 1960年代・共和春の厨房を再現】
1960年代の「共和春」の厨房でチャジャンミョンを調理する光景を見学することができるブース。全身真っ白の少し怪しげな人形たちが、さらにレトロ感を醸し出しています・・・麺打ち厨房、まな板厨房、そしてソースを作るかまど厨房で等身大の人形が調理しているのを覗き込むと、本当に厨房に入り込んだような不思議な気分に。写真入りでチャジャンミョンのレシピも展示されているので、興味がある方は日本に帰ってから「共和春」の味を家庭で再現してみてはいかが?壁面の大型スクリーンでもチャジャンミョンの調理法と「共和春」の歴史を映像で見ることが出来ます。
◇チャジャンミョン麺の歴史◇
チャジャンミョンはもともと1883年の仁川開港時、茹でた麺に味噌と野菜を乗せ、混ぜて食べる炸醤麺(ジャージャー麺)が、中国は山東省から渡ってきた華僑たちによって紹介されたのが始まり。調理法が簡単な上、同じアジア圏で味噌文化にも慣れていることもあり、韓国でも次第に人気を集めるようになりました。1945年の独立解放後には山東風ジャージャー麺からキャラメルが添加された甘くて黒いチュンジャンを使用する韓国風ジャージャー麺へと変化。また1960~70年代は米不足で韓国政府が混食・粉食奨励政策をとったため、値段が安い小麦粉が原料のジャージャー麺の人気は不動のものになりました。
その他、1階には「共和春」で実際に使われていた食器や調理用具、看板など貴重な展示もあるので要チェックですよ~!
さて、チャジャンミョンの作り方がわかったら、お次は2階へGO!
【2F ジャージャー麺の誕生から現代まで】
・仁川開港とチャジャンミョンの誕生
2階の第1展示室では、仁川開港期に中国人労働者たちが仕事の合間に山東風ジャージャー麺を食べる様子が、これまた白い人形たちと写真の組み合わせで再現されています。重労働の中でも手軽に食べられるジャージャー麺は、労働者たちにはもってこいの食べ物だったのでしょう。こうして彼らが基礎を作ってくれたからこそ、私たちは楽しく旅行できるのだと感謝しなくてはなりませんね。
◇1930年代の共和春の接客室◇
同じく2階フロアの第2展示室は、開港から約50年が経過した1930年代の「共和春」の店内を再現。この頃、中華料理が一般化し始め、ジャージャー麺も中華料理店のメニューに登場するようになりました。なんとここでは人々がジャージャー麺を食べる様子が見学できるだけではなく、私たちもあの白塗り人形たちと同席することができるんです!恥ずかしいなんて思わないで、思い切って同席して記念写真を撮っちゃいましょう。「共和春」で使用されていた物をそのまま使って再現されているので、座ってみると一気にタイムスリップしちゃいますよ!
◇ジャージャー麺の最盛期◇
第2展示室からのれんをくぐるとそこは1970年代の中華料理店の店内を再現した第3展示室。韓国ジャージャー麺・チャジャンミョンの味が現代の味に近づいていくこの時代は、まさにチャジャンミョンの最盛期。家族のお祝いごとや特別な日の外食として、国民的料理の地位を確立し、韓国国民の生活に深く浸透していきました。ここでは子供の卒業式後に家族でチャジャンミョンを食べている場面が再現されているのですが、これまでと違いカラー人形なのは現代に近づいたからでしょうか?カラーになってもイマイチ微妙な人形ですが、ここでもまた家族に混ざって写真撮影が可能なので、是非1970年代の韓国の家族になりきってみましょう。この第3展示室の中華料理店は「善隣飯店」と名付けられ、展示室の外側には配達用の自転車も置かれ、お店の外観もしっかり作られているのも見どころです。
◇現代のチャジャンミョン◇
第4展示室では出前用の岡持ちや、いろいろな展示資料でチャジャンミョンの遍歴を見ることができます。現代の配達にはかかせない出前バイクはブースの中央に展示、「美味しいチャジャンミョン劇場」では巨大スクリーンで歴代のドラマに登場したチャジャンミョンが登場するシーンが繰り返し上映され、韓流ドラマ好きの方にはたまらないコーナーになっています。その他にもジャージャー麺の種類と調理法、世界のジャージャー麺を紹介したパネル展示など、博物館自体の大きさはそれほど大きくはありませんが、見ごたえ十分の施設になっています。
「共和春チャジャンミョン」は麺とソースが別々に出てきます。ソースの盛り方があまりキレイではないけれど、この辺りはご愛嬌で・・・この「共和春チャジャンミョン」のソースはカニチャーハンに付いてきたソースと味が違って甘いけどピリカラな味で、もっと中華的な風味。具はエビ、カニ、玉ねぎ、エリンギなど。もちろんチャジャンミョンには欠かせない沢庵も付いてきますよ~。見た目は「食べてる途中に飽きそう」と思ったのですが、ぜ~んぜんそんなことはなく、気づけば完食。太めでモチモチの麺と、ピリカラで甘いソースの絶妙なバランスがクセになります。どうして国民的料理になったかは、この味を体験してみれば説明なんて必要なし!
ちなみに「共和春」には普通のチャジャンミョンもありますよ。