ソウル薬令市・韓医薬博物館

ソウルヤクリョンシ・ハニヤッパンムルグァン서울약령시 한의약박물관

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ソウルの漢方市場と韓医薬の歴史&文化を学ぼう!

こんにちは!ソウルナビです。ソウルの市場(シジャン)といえばたくさんありますが、中でも漢方薬の市場といえば、京東市場(キョンドンシジャン)のソウル薬令市ですよね。こちらは漢方医院、漢方薬局、漢方輸出入業者、薬草製粉所などが1000軒ほど並び、全国の漢方のうち70%が流通するという韓国最大の漢方市場。さて、このソウルの人なら誰でも知っている薬令市ですが、何故ココにできたのかご存知でしょうか?実は時代をさかのぼること李朝時代。この頃からここに漢方処方をふくむ治療施設があったからだそうなんです。ナビもこのことを知ったのはある博物館に伺ってのこと。実は京東市場のあるチェギドンに、韓医薬の歴史と文化を紹介する博物館「ソウル薬令市・韓医薬博物館」が昨年(2006年)オープンしたんです。さっそくご紹介しましょう!
健康デパート東医宝鑑内にある博物館
場所は京東市場のソウル薬令市から大通りを挟んで向かい側。昨年(2006年)オープンした漢方薬デパート「健康百貨店東医宝鑑」の地下2階です。観覧料は無料で、受付で芳名禄に名前・住所を書けばOK!館内の展示は英語のタイトルと韓国語の説明になっていますが、入口には日本語・中国語・英語のパンフレットもあり。また簡単な日本語で案内してくれるスタッフもいるとのこと。パンフレットをみつつ、説明を聞きつつ、観覧しましょう!
ソウル薬令市・韓医薬博物館
さっそく中へ!館内はそんなに広くはありませんが、韓国で発達してきた韓医学の歴史と文化について、模型や絵などを通して分かりやすく紹介しているのがこちらのポイント。入口にはソウル薬令市の起源というべく普済院という李朝時代の救済施設の縮小模型があり、その横には漢方薬のつくり方や道具、韓医学に関する書物などが展示されています。また高麗人参、鹿の角をはじめ、普段気軽に手に入れられる漢方薬から貴重なものまで、たくさんの薬材が展示されているコーナーもあり。ここでは漢方の効能から、よく知られる漢方薬の調合法や国産漢方薬の見分け方など、興味深い展示が楽しめます。そのほか展示室の外には休憩ルーム、無料の診断ルーム、ギフトショップなどもありますョ。では中をくわしく見ていきましょう!
■東大門・普済院(ポジェウォン)
普済院とは、李朝時代に貧しい人々や病人を救済する施設のこと。その頃は4大門(東大門、西大門、南大門、北大門)内をソウルとし、その周りは京畿道だった時代。その東・南・西門横にはそれぞれ普済院、梨泰院、弘済院があり、貧しい人々や病人を救済する施設があったそう。中でも東大門横、つまり現在のソウル薬令市の場所にあった普済院は、他の2院と違い宿泊、食事提供のほかに韓医院と漢方薬の施設が整っていたとか。それが現在の薬令市として発達したと起源だそうなんですよね。
李朝時代のソウルの地図

李朝時代のソウルの地図

普済院の模型 普済院の模型 普済院の模型

普済院の模型

■漢方の採取、薬づくりに使われていた道具
漢方剤を採取する道具、そして薬を切ったり、削ったり、つぶしたりする道具、薬を煎じる道具などのほか、漢方薬専用の家具などが順番に展示されています。今ではほぼ見られなくなったものがほとんどですが、あの小引出しがたくさんある漢方薬用の家具は、最近でも漢方医院に行けば見かけますよね。各引出し正面には漢方薬の名前が書いてあり、その名前に合わせて漢方を保管していたそう。
■韓医学に関する書物
韓国のドラマ「ホジュン」をご覧になった方はご存知だと思いますが、朝鮮時代最高の医師として知られ、韓医学のバイブルともいわれる「東医宝鑑」の著者である許俊(ホジュン)、そして李済馬(イ・ジェマ)という韓医学の発展に大きく貢献した二人に関する資料や韓医学書などがこちらに展示されています。
 ■薬草村の模型展示
韓国はもともと良質の薬草がよく育ち、昔から天然草を薬として使ってきたそう。そしてこのコーナーでは薬草の採取から家庭で薬として飲むまでのようすが、その時代の人々の日常生活がよく分かるように縮小模型で展示されています。細かいところもチェックすると、いろいろと面白いですよ。

<山の方では「山参が取れたぞ!!」と喜んでる人が。また採ってきた薬草をカットしたり、つぶしたり、干したりする薬商人一家。>
<市場で漢方薬を販売。そのほか藁に包んだ卵を売っているおばちゃんがいたり、昔の市場のようすもうかがえます>
<韓方医院で診療&漢方薬を処方>
<処方された漢方薬を家で煎じているところ>
■鍼の歴史
手前にはホジュンが皇帝を治療した場面を再現した模型があり、左側には鍼の概念や仕組み、効果などを映像とパネルを使って分かりやすく説明しています。また中央には病気別の気の流れが分かるようになったものや、正面奥には太陽人、太陰人、小陽人といった韓医学的に区分した体質別の説明が掛かっています。
■さまざまな漢方薬
漢方薬コーナーには500種類以上の漢方薬材が種類別に展示され、それぞれの薬材には名前、起源、薬効なども書かれています。でもこちらはただ見るだけでなく、体験コーナーがあちこちに設置されているんです。韓国産と中国産との違いを虫眼鏡で見分けるコーナーや、香りの良い薬材を集め、本来の姿を映した写真とともに実際に匂いを嗅げるようになっていたり。また漢方薬といえば、ほとんどの場合いくつかの生薬を混ぜて処方してもらいますが、こちらでは処方の基本原理を紹介しながら、複合処方の効能とそれぞれの薬材などを説明したコーナーもあり。そのほか、普通の漢方薬屋さんではなかなか見られない貴重な薬材、毒のある薬材なども展示。
<複合漢方薬> <複合漢方薬>

<複合漢方薬>

<鹿の角といった高価&貴重な薬材> <鹿の角といった高価&貴重な薬材> <鹿の角といった高価&貴重な薬材>

<鹿の角といった高価&貴重な薬材>

<毒のある薬材> <毒のある薬材> <毒のある薬材>

<毒のある薬材>

<香りの薬材> <香りの薬材> <香りの薬材>

<香りの薬材>

■漢方薬と食事
韓国では今でもよくお茶や食事などに漢方薬をよく使うんですよね。例えば伝統茶は漢方入りのお茶が今でもお茶屋さんに行けば飲めますし、また参鶏湯や豚足などのお肉料理にも漢方をつめたり、茹でるときに漢方を使ったり。それだけ漢方薬は韓国の人々の生活と深くかかわってきたということがよく分かります。
■子供体験コーナー
こちらはお子さん連れの方も楽しめるコーナー。壁いっぱいに絵が描かれていて、ところどころに設置されているパネルを開けると、どんな薬材がどこで採取できるのか分かるようになっているんです。また薬草を採るときの道具も展示されています。
その他の施設
■休憩スペース
観覧後に自由に休める休憩スペース。インターネットPCで漢方薬に関する情報を検索できます。
■ギフトショップ
博物館入口すぐ横にあるのがギフトショップ。博物館の記念品や漢方茶などの漢方製品を販売。
■韓方体験館
体質チェックや健康年齢などを測定できるスペース。こちらは韓国人スタッフのみ。
いかがでしたか?今回は読者の方から取材希望があり、またもともとナビも日本で漢方薬を飲んでいたこともあり、興味があって今回行ってみたんですが、とても分かりやすく楽しく観覧できました。特にこちらは薬草や漢方薬の紹介だけでなく、韓医薬の歴史と文化が紹介されていて、昔の韓国の人々の日常生活や漢方との関わりなどもよく分かるようになっていたのがよかったです。館内はぐるりと1周まわるのに30~40分程度。皆さんも、東大門市場や京東市場に来たら気軽に寄ってみてくださいね。以上、ソウルナビでした。

記事登録日:2007-06-18

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スポット登録日:2007-06-18

スポット更新日:2012-05-31

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