有名な大統領について知り、韓国の近代化を肌で感じてみよう!
こんにちは、ソウルナビです。皆さん、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領ってご存知ですか?朴正煕とは2013年現在の大統領 、朴槿惠(パククネ)大統領の父にあたり、韓国経済に漢江の奇跡を起こした人物としても知られている人物。韓国では「最も功績のあった大統領」という評価もある一方、「民主主義を弾圧した独裁者」などの評価もある大統領です。その大統領が成し遂げた韓国近代化の功績を子孫にも伝えるべく、このたび開館した「朴正煕大統領記念・図書館」!構想13年、建設に10年の年月をかけた記念館へ、さっそく行ってみよ!
場所は 芸能事務所や放送局が集まるデジタルメディアシティ(DMC)にあり!
「朴正煕大統領記念・図書館」があるのはソウルの西にあるデジタルメディアシティ(DMC)!地下鉄6号線ウォルドゥコッキョンギジャン(ワールドカップ競技場)駅から徒歩約20分の場所にあります。周りにはSBSなどの放送局や関連施設が集まり、これからお店や人がどんどん増えそうなエリア!新しく開発された街らしく大きなビルがたくさん建ち並び、周りの風景はとっても現代的な雰囲気。近くには芸能事務所や音楽番組「M countdown」の収録会場もある上岩CJ E&Mセンターやワールドカップ競技場もあります。
「朴正煕大統領記念・図書館」は朴正煕元大統領の軌跡と功績を称えるために建立された記念館。1999年、当時の金大中大統領が朴正煕記念事業会へ記念館建設のために財政的にサポートする意思を表明。朴正煕政権で政治的に迫害を受けた金大中大統領の決定は、当時大変な評判を呼びました。政府から支援を受け、10年の年月を経た2012年、図書館が完成!全体規模は5,290平方m(1,603坪)、地上3階建て。内部には朴正煕大統領記念ショールームのある閲覧室や特別資料閲覧室があります。こちらには朴正煕前大統領の在任期間である1960~70年代近代化事業に関わる多数の資料や朴正煕元大統領の著書、写真、映像資料、生涯記録、朴正煕評伝などが所蔵されています。
朴正煕元大統領とは?
ここで朴正煕元大統領について簡単に経歴を紹介しましょう。朴正煕は大韓民国では3人目の大統領で、クーデターで政権を奪取して軍事独裁体制を築きあげ、韓国第5代から9代大統領を務めました。在任期間中は日韓基本条約を締結したり、韓国経済に「漢江の奇跡」と言われる高度経済成長を呼び起こしたりしましたが、1979年、61歳のとき側近に暗殺されました。
1917年11月14日 慶尚北道亀尾で生まれる
1932年 大邱師範学校に入学
1950年 陸英修さんと再婚
1951年 韓国陸軍本部作戦部次長
1953年 韓国陸軍准将に昇進
1959年 韓国陸軍少将に昇進
1961年 5月16日 5・16軍事クーデターを起こし、国家再建最高会議議長に就任
1962年 3月24日 大統領権限代行
1963年10月15日 韓国大統領に就任
1974年 8月15日 文世光事件。暗殺未遂、陸英修夫人が死去。
1979年10月26日 暗殺。享年61。
朴正煕大統領記念・博物館を詳しく紹介!
それでは記念館の中に入っていきましょう。
2階 入口・第1展示室・お土産コーナー
1階 第2、第3展示室
■第1展示室、ロビー
記念館の入口は1階ではなく2階にあります。第1展示室の中に入るとお~きな朴正煕元大統領の写真が目の前に!第1展示室には朴正煕元大統領の18年6ヶ月にも及ぶ業績が、年度別に展示されています。朴正煕元大統領を知らない人でもここだけ見れば大丈夫!それ以外にも歴史の転換期とも言われる5.16革命(クーデター)をはじめ、韓国の発展に寄与した朴正煕元大統領の軌跡を感じるこができます。この第1展示室は、「5・16革命と近代化革命コーナー」「輸出主導型、経済開発推進コーナー」「電力難解決のための苦闘コーナー」に分かれています。
〇玄関・ロビー
〇5.16革命と近代化革命コーナー
5.16革命とは1961年5月16日に発生した軍事クーデターのこと。当時少将(第2野戦軍副司令官)だった朴正煕がリーダーとなって決行し、組織された軍事革命委員会が実権を握りました。その当時クーデターに至った過程や革命公約などの過程が写真などで展示されています。
〇輸出主導型、経済開発推進コーナー
1960~1970年代の韓国の輸出事業の成果が分かりやすくグラフや写真で説明され、当時の工場の様子などが人形などで再現されています。
〇電力難解決のための苦闘コーナー
1960~1970年代、深刻な電力難を解決するためにいかに克服したかを知ることができます。
階段を降りて1階へ!
■第2展示室
第1展示室から階段を降りていくと、1階に第2展示室があります、。第2展示室は高速道路建設や農業開発、重工業など、近代化の過程が再現・展示されています。韓国が近代化へと突き進んでいった60~70年代の時代が感じられます。
〇高速道路建設コーナー
世論などの反対がありながら産業発達のために促進、建設された高速道路。高速道路が完成するまでの当時の様子が人形や写真で再現、展示されています。
〇セマウル運動コーナー
セマウルとは「新しい村」という意味で、韓国独自の地域開発運動のこと。今でも特急の名前や食堂の名前で見かけますよね。こちらでは当時の様子を写真などで振り返ることができます。
〇農業開発コーナー
農業の現代化を通じ農村を暮らしやすい村へと変化させるための過程を写真を通じて知ることができます。
■第3展示室
〇人間、朴正煕元大統領と陸英修夫人コーナー
第3展示室には朴正煕元大統領と陸英修(ユク・ヨンス)夫人を深く知ることのできるコーナー。多くの遺品や記念品などが置かれ、大変貴重なものはこちらでしか見ることができません。また今まで知ることのなかったプライベートな面から大統領の人間味を感じることができます。
■その他にもお土産コーナーや休憩所も!
せっかく記念館に来たからには土産や記念品を買っていきたい、そんな時は2階入口前にあるお土産コーナーへ。こちらにはキーホルダーや朴正煕元大統領に関する本などが置かれています。
いかがでしたか?ここ「朴正煕大統領記念・図書館」に行けば、大統領が成し遂げた韓国の近代化の過程がよくわかります。また朴正煕元大統領の生い立ちや活動などもよく分かる資料や貴重な遺品が多数展示されていて、この時代を生きた人ならおそらく見てビックリするようなものもいっぱいあります。また最新の技術を駆使した映像や動く人形が使われるなど、目だけでなく耳からも雰囲気が感じられる展示になっています。韓国の近代史に興味のある皆さんは一度チェックしてみてくださいね!以上、「朴正煕大統領記念・図書館」からソウルナビがお伝えしました。