元刑務所跡を公園に。受難の歴史を後世に伝える公園!
こんにちは!ソウルナビです。今日は地下鉄独立門駅の目の前にある公園、西大門独立公園(ソデムントンニッコンウォン)をご紹介しましょう。ここは1908年から約80年間、「西大門刑務所」がありましたが、刑務所はソウル郊外に移転し1992年、刑務所の跡地が「西大門独立公園」として生まれ変わりました。延べ面積34180坪の緑豊かな公園は、噴水や池などもある市民の憩いの場であり、また韓国の受難の歴史を後世に伝える歴史公園でもあります。それでは公園の中に行ってみましょう~
西大門独立公園とは
ソウルの中心部から近く、地下鉄3号線トンニンムン(独立門)駅前に広がる西大門独立公園。独立公園の大通りを挟んで向かい側には地元の人が訪れる在来市場、霊泉市場(ヨンチョンシジャン)もあります。公園には西大門刑務所の保存・復元施設と展示を観覧できる西大門刑務所歴史館や史跡32号の独立門、3・1独立宣言記念塔、独立館、徐載弼先生銅像などがあります。
公園にある施設は
それでは公園にある施設を1つ1つ、見て行きましょう。
◆3・1独立宣言記念塔/サミルトンニプソノンキニョムタッ
1963年8月15日、タプコル公園に建てられましたが、タプコル公園の整備事業のために1979年に撤去された塔。しかし各界から復元を望む声が高まり、1992年、西大門独立公園の中に復元されました。塔の裏には3・1独立宣言文が刻まれ、独立万歳運動を導いた民族の代表33人の名前が彫られています。
◆独立門/トンニンムン(史跡32号)
1897年、中国(清)の朝貢国状態であった韓国が、中国や日本、さらにロシアなど西欧列強と同じ自主独立国家であることを国内外に宣布するために建てられた門。韓国初の西洋式建物としてフランスの凱旋門をモデルに建てられた門は、約1,850個の白い花崗岩でできています。もともとこの場所には中国の明の使臣を迎えるための施設「慕華館(モファグァン)」の門、迎恩門(ヨンウンムン)がありましたが、その門を壊して、独立門が建てられました。独立門は長い間、一般公開が制限されていましたが2009年、独立門や西大門刑務所歴史館が「西大門独立公園」として再整備された際、112年ぶりに一般市民に開放されました。
◆徐載弼先生銅像/ソ・ジェピルソンセンドンサン
独立門を造った徐載弼の銅像が独立門の後ろに建っています。徐載弼はアメリカに亡命し、アメリカの市民権を得て、アメリカ人となった独立運動家。また韓国初の西洋医学の医者でもありました。独立協会を発足させ、独立新聞を発行し、また、韓国の独立のためにさまざまな活動をした人物として知られています。
◆独立館/トンニックァン
李朝時代、中国の使者に対する歓送の儀式を行う場所として使用され、1898年末まで開化運動と愛国啓蒙運動の中心となった場所。自主、民権、自強の思想と民族意識を高揚させる集会の場所でしたが、当時の政府により撤去されました。現在の場所に韓国式木造建物として復元された独立館は独立のために亡くなった運動家の位牌を奉安、展示する場所として利用されています。
◆殉国先烈追念塔/スンクッソニョルチュニョムタッ
独立のために支配者に立ち向かい、独立のために亡くなった独立運動家たちを追悼するために建てられました。独立運動の様子が長さ40mに渡るレリーフとなり、すぐ下には闘争の歴史を記した「殉国烈士追悼塔記」が置かれています。
◆西大門刑務所歴史館/ソデムンヒョンムソヨクサグァン
大韓帝国末期の1908年、現在の独立門駅前に建設された「京城監獄」。日本統治時代の1912年に「西大門監獄」、1923年には「西大門刑務所」と改称され、1987年ソウル郊外に移転するまで実際に刑務所として使われていました。1992年、刑務所の跡地が「西大門独立公園」として歴史的に保存されることになり1998年、刑務所の施設を保存・復元し、さまざまな資料を展示する西大門刑務所歴史館として開館しました。
独立公園にある独立門と西大門刑務所歴史館は一年中、国内外から多くの観覧客が訪れる観光スポット。日本人としては心苦しい気持ちになる場所ではありますが、韓国の近代&現代の激動の歴史と向き合い、民族受難の現場であるこの場所を訪れるのは、あらためて韓国の一面を知る良い機会になると思います。近くにある霊泉市場や独立門と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか?以上、西大門独立公園からソウルナビでした。