韓国で唯一のポジャギ&キルト博物館!19世紀のポジャギや開城のチョガッポなど貴重な品も!
こんにちは!ソウルナビです。今日はポジャギ&キルト博物館「草田繊維・キルト博物館」をご紹介しましょう。こちらは韓国伝統の繊維芸術の保存とキルトを通じた国際文化交流を目的とした博物館。館内には韓国のパッチワークといわれるポジャギ、チョガッポ、刺繍などの伝統工芸作品のほか、海外のキルト・パッチワークの作品が保存・展示されています。規模はこじんまりとしていますが、展示品の中には技術を受け継ぐ作家が少なくなっている作品や100年以上も前の作品、北朝鮮は開城地方の作品など、他ではなかなか見ることのできない貴重な作品がたくさん。また、キルト関連のオリジナリティあふれる企画・特別展も開催されているんですョ。ではさっそく、博物館の中へご案内しましょう!
明洞から徒歩約5分、南山ケーブルカーの手前に位置
場所は地下鉄4号線明洞(ミョンドン)駅からNソウルタワー(南山タワー)方面へ坂を登ること約5~7分。シンプルなビルの1階がギャラリーになっています。博物館まではもちろん山道ではなく、コンクリートで舗装された道になっていますが、傾斜がかなりあって山登り感覚。がんばって歩いて行きましょう。通り道の数ヶ所に「草田繊維博物館」というシンプルな看板が掛かっているので、それを目印にして進んでくださいね。さあ、博物館に着きました!入口で入場料を払って中に入りましょう。
博物館の中へ館内は少し薄暗く、展示スペースは中央入口から奥に向かって広がり、入口右側には世界各国の人形コレクション&伝統工芸品のお土産ショップになっています。展示スペースにはポジャギ、伝統衣装、刺繍など国内作品、海外のキルト作品が常設展として展示され、同じスペース内で特別展・企画展も行われます。今まで、大阪「世界の風呂敷展」や名古屋「世界キルト展」など、海外の展示会にも出品してきたというこちらの博物館。そのため、常設展の内容はその時々で少し変るそう。
館長さん
こちらの館長のキム・スンヒさん。もともと編物が大好きだった先生は、1962年に韓国ではじめて編物学院を設立し、韓国の伝統芸術の技術と作品の保存・伝承・文化交流などのさまざまな活動をなさっているお方。韓国の大学で講義を行ったり、またポジャギ・チョガッポなどに関する著書も多数。日本の東京、大阪、名古屋などの姉妹校をはじめ、海外の学校や博物館などとの活動・展示のために海外を飛びまわりながら、作品活動も続けてらっしゃるそう。それから、先生は日本語が堪能なので、博物館に伺ったときに館長さんがいらしたら、ぜひいろいろ質問してみてください。日本語で説明してくれますョ。
常設展示&企画展
こちらで催される展示は大きく2つに分かれています。一つは博物館で所蔵する作品を中心とした常設展示、そしてもう1つは、その時々によって国内外のキルト作品を展示する企画・特別展。企画・特別展の内容に関してはいつも変るので、直接博物館にお問い合わせくださいね。
■韓国のポジャギ・キルト常設展示
韓国伝統刺繍・ポジャギ・チョガッポが一番多く、装飾具、伝統韓服、中国の装飾具などが展示されています。
婚礼用の豪華な刺繍が施された伝統韓服
韓国ではなかなかお目にかかれない北朝鮮は開城(ケソン)の作品
(右上)こちらは19世紀の作品。つまり、もうかれこれ100年以上経っている貴重な作品。
(下)個々の作品を見てみると、夏は麻、冬はシルク…といった風に、季節ごとに違う布地を使ったり、デザイン・技術・縫い目なども違います。特に技術的に難しいものや珍しいものなど、こちらには貴重な作品が並んでいるそう。先生の説明を聞きながら見ると、用途、技術、布地、装飾などの違いから韓国の文化までも垣間見られるよう。
■特別展・企画展
ナビが取材に伺ったときはちょうど開館10周年を記念して、ヨーロッパ各地のキルト作品を集めた特別展が行われていました。作品ごとに国籍、モチーフ、使っている材料などの簡単な説明もあり、韓国の伝統作品とはまったく違う斬新でモダンな作品から、なんとなく共通点を感じるものなど、多様な作品があって興味深かったですよ。ちなみに今回の展示はなんと101回目。
世界の人形コレクション&お土産ショップ
展示を観覧したあとは、お土産ショップにもぜひ寄りたいところ。というのも、こちらにはお土産だけでなく、世界各国の人形が展示されているんです。アフリカの部族、ロシアのマトリョーシカ、日本人形、中国の京劇ダンサーカップル、闘牛士と牛とカルメン、十二支、一番上には懐かしのモンチッチがズラリ…と各国の特徴ある人形が棚にぎっしり。実はこれ、館長さんが世界を旅しながら集めた世界各国の人形コレクション。ぜんぶでなんと450体もあるとか。
■世界各国の人形コレクション
■伝統工芸品
針刺しや刺繍入りのキーホルダー、ペンケース、巾着など、お土産にいかが?!
★日本の方に突撃インタビューナビが伺ったときに興味津々で作品をご覧になっていた日本の方にちょっと声を掛けてみました~。「以前からずっと来たかったんですが、なかなか…今回やっと来られてうれしいです」という岐阜出身のお2人。特に右の方は、ポジャギをもう6年もやっているとのことで、訪韓のたびに、ポジャギを習ったり、材料を買ったりしているそう。今回は念願の博物館観覧のほか、広蔵市場で布地や材料を買われたそうですよ。また先生にもお会いできてうれしいです、と喜んでらっしゃいましたよ。
いかがでしたか?在韓者の中にもこの韓国の伝統工芸であるポジャギや刺繍などに興味を持たれ、習っている方もたくさんいらっしゃいますよね。そんな方々だけでなく、日本のパッチワークをなさっている方との交流会や展示会などを通して、日本から個人または団体でこちらの博物館にやってくる方も多いそう。館内はこじんまりとしているので、所要時間はじっくり見て30分ほどです。場所も明洞なので、買い物や観光ついでに気軽に寄れちゃいますよ。みなさんも一度足を運んでみてはいかがでしょうか?以上、ソウルナビでした。