北村 / プッチョン

プクチョン북촌

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韓屋(韓国固有の家屋)の美しさと趣きが感じられる都心の生きた博物館!

こんにちは、ソウルナビです。今日は高層ビルが建ち並ぶソウルの都心で唯一、韓国の伝統家屋である韓屋(ハノッ)の趣きが残る地区、北村(ブッチョン)についてご紹介します。このエリアは南山コル韓屋村や韓国民俗村でしか見ることのできない韓屋が集まるエリアで、政府が運営するのではなく、実際に一般市民が居住している「村」!時代の流れにより、一時その美しい景観が失われかけましたが1984年、ソウル市が北村を「韓屋保存地区」に指定、2001年からは住民と政府による「北村づくり事業」がスタート!現在、美しい北村の景観が保たれています。それでは、さっそく韓屋村の見物に北村まで出かけてみよう!

北村(ブッチョン・North Village)とは?

清渓川(チョンゲチョン)と鍾路(チョンノ)の北側に位置し、北村(プッチョン)と呼ばれるこの場所は李朝時代、朝廷で地位の高い官吏や王族、士大夫(官吏)が居住する高級住居地として、当時政治・行政・文化の中心地だったところ。現在は900棟あまりの韓屋と狭い路地など昔の姿がそのまま残り、韓屋の美しさと趣きが感じられる都心の生きた博物館。一方、権勢のある家柄ではない下級官吏や、両班の子孫ながら高級官吏ではない人たちが寄り集まって暮らしていたのが南山ふもと、南村(ナンチョン)でした。北村に居住しながら宮廷料理、漆工房、織物工房、伝統染め、メドゥ(装飾用の組みひも)、民画、お守りなど伝統文化を守り続けている人が多く居住し、伝統文化の中心地として新しく注目されている地区でもあります。北村は西側に景福宮(キョンボックン)、東側に昌徳宮(チャンドックン)、南側に栗谷路(ユルゴッノ)と仁寺洞(インサドン)、そして北側の三清(サンチョン)公園に囲まれ、行政区域は鍾路区(チョンノグ)に属し、嘉会洞(カフェドン)、桂洞(ケドン)、斎洞(チェドン)、安国洞(アングットン)、苑西洞(ウォンソドン)、三清洞(サムチョンドン)、昭格洞(ソギョッドン)、仁寺洞(インサドン)、司諫洞(サガンドン)など10の洞(日本の町にあたる)から構成されています。

約1500棟あった韓屋が900棟まで急減!

風水地理学的に日当たりよし、排水よし、南山をはじめとする周辺の景観もよく、昔から高級住宅街の名声を引き継いできた北村は、江南(カンナム・漢江の南側)エリアが本格的に開発される前の1960年代までソウルで一番の高級住居地であり、誇りある韓屋村の姿を維持してきました。しかし1970年代後半から京畿高校(1976年)、ヒムン高校(11978年)、チャンドッ女子高校(1989年)などの高校が次々と江南エリアに移転、その跡に現代建設本社(1983年、15階建て)や憲法裁判所のような大きな建築物が建設され、北村の景観は急速に変化しはじめました。
現代建設本社ビル

現代建設本社ビル

憲法裁判所

憲法裁判所

そこでソウル市は1984年4月、北村エリアを「韓屋保存地区」に指定、韓国固有の建築様式を使って建てられ、オンドルと棟を備えた独特な構造を持つ韓屋の増・改築を厳しく制限し、新築の建物も建築審議委員会の審議を経てから伝統韓屋様式を継承するよう規制しました。その結果、時が経つにつれ、このエリアの韓屋はどんどん老朽化していき、それに伴う維持、補修費用の問題が発生、欠陥韓屋が登場するなど、地域住民たちの不満が爆発しました。これに対しソウル市は1991年5月、韓屋保存地区の指定を解除、1994年には建築物に対する高度制限を解除し、地域住民の気持ちを懐柔しましたが、その結果約1500棟あった韓屋が900棟あまりまで急減し、新たに多世帯住宅が埋められるなど景観的に良くない結果を招くことになりました。

北村韓屋村を守り、整えるための新しい動きが急浮上~!

このように急激に破壊されていく北村の環境に関する危機感により1999年後半、地域住民とソウル市両方の協議により北村韓屋村を守り、整備するための新しい動きが生まれました。地域住民のあいだには韓屋を朽ちらせ多世帯住宅を建てるぐらいなら、韓屋を守り蘇らせることが北村の経済的価値を高めることになるという新しい認識が広がり、ソウル市も老朽した韓屋について工事費の3分の2を無償または無利子で支援するという政策を打ち出しました。その結果、2年の間に韓屋900棟あまりのうち約250棟が改・補修が完了、または工事中の状態に。また路地の整備、共同駐車場の造成、歴史探訪路の造成、伝統施設の誘致、伝統文化資源の育成などなど、地区の特性を考慮したさまざまな改善事業が推進され、地域住民の歓迎を受けています。このすべての改善事業は「北村づくり事業」と呼ばれています。

北村づくり事業


住民と政府の新しい認識による「北村づくり事業」は2001年から本格的に施行されました。「北村づくり事業」の具体的な事業範囲は嘉会洞、三清洞、苑西洞、桂洞一帯の歴史文化美観地区(面積 64万5,000平方m/約19万5,000坪)。この地区には韓屋が924棟があり、事業は大きく分けて韓屋登録制(登録しなければ改・補修費用がもらえない)の施行、改・補修工事費の支援と融資、韓屋の買い入れや活用、環境整備事業などなど。事業期間は2001年~2006年までとされました。

最近の様子は?

2006年に「北村づくり事業」は終了。最近では韓屋をリフォームしたオシャレなカフェやお洋服屋さんも増え、いまや北村はソウルの人気スポットとなっています。新しいカフェやショップだけでなく、昔ながらの商店なども健在で新しさを取り入れつつ、どこか昔懐かしい雰囲気を味わうことができます^^
以上、北村についてお伝えしました。この街にも多くのの紆余曲折があったんですね!(^-^)  いまでは韓屋の美しさを誇る北村。この韓国的な美のおかげで現在では有名テレビドラマや有名アーティストのミュージックビデオの撮影場所として人気のある場所になりました。しかし真夜中に撮影することもあり、地域住民からの不満を呼び起こすこともあるとか(^-^) お昼に韓屋の見学に行くときも、あまりの美しさについはしゃいでしまいそうですが、ここには実際に住んでいる人がいることを忘れずに、あまりはしゃぎ過ぎず、静かに見学しましょう。それでは、北村の韓屋村からソウルナビがお伝えしました。

記事更新日:2013-11-29

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2003-04-10

スポット更新日:2013-12-02

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