ソウルの西にある、歴史的に興味深いものがたくさんある島
こんにちは!ソウルナビです。今日はソウルからバスで約1時間40分の距離にある、「江華島(カンファド)」をご紹介しましょう。ソウルの観光地はある程度まわったし、次回は郊外にも足を伸ばしたいなぁというとき、水原の次ぐらいに候補にあがるのが江華島ではないでしょうか。この島はソウルの北西約50Km、漢江の西の河口にあり、仁川広域市に属する島。ソウルとは2つの大きな橋でつながり、バスも頻繁に行き来しているので、日帰りの旅も十分可能です。この江華島(カンファド)が観光地として有名なのは、その歴史と深く関わっています。というのも、昔から諸外国からの侵攻を多く受け、島内には当時の要塞が今も残っているほか、韓国最後の伝燈寺(チョンドンサ)や建国神話の舞台として有名な塹城壇(チョンソンダン)など、島のあちこちに多くの史跡が点在していること。さらに、地形を利用した名物や特産物もその理由の一つといえるでしょう。そんな魅力的いっぱいの島「江華島」、さっそくご紹介しましょう!
江華島基本データ
高麗時代の太祖22年、現在の地名である江華郡になりました。外敵が侵入すると朝廷が江華に遷都し、つまり江華は国に大きな変乱が起るとき「第2のソウル」としての役割を果たしてきました。特に蒙古から侵略を受けていた高麗時代、第23代高宗は「王島」を仁川の松島から江華に移し、松島を模倣して宮殿やお寺、史跡などを構築。さらに、敵の侵略が強まると内城、城郭、別宮なども築きました。またモンゴル侵略以降、朝鮮の高宗3年、フランスの軍艦事件、同じく高宗8年のアメリカ軍艦事件、12年の日本軍艦事件など、今まで数多くの侵入を受けてきた江華島は、当時の王宮を中心とした古跡や遺跡が島のあちこちに点在し、多くの史跡の残る有名な観光地として知られています。
● 面積:411,260平方km
● 人工:65,000人(2003年統計)
● 郡庁:仁川広域市江華郡江華邑宮庁里163
● 姉妹都市:慶尚南道南海郡、全羅南道鎮島郡、済州市、ソウル市江南区、福岡県添田町(日本)
江華島の観光情報
島のあちこちに点在している観光地への移動は、バスまたはタクシーを利用することになります。江華郡庁付近に江華島バスターミナルがあり、ここを中心に郡内の主要観光地へアクセスできる多くの路線が出ています。 MAP
~江華島北部~
<江華歴史館>
先史時代から近世までの国防遺跡などを一目で見ることのできる歴史館。第1展示室「開国始原」、第2展示室「江華の文化」、第3展示室「江華の戦争史(高/朝)」、第4展示室「江華の戦争史(近代)」の4つの展示室に分かれています。島めぐりをする前の事前学習にちょうどいいかも。
観覧時間:
(6−9月)9:00~19:00
(10、3−5月)9:00~18:00
(11~2月)9:00~17:00
休館日: なし
観覧料:大人(20歳以上64歳以下)1300ウォン/青少年(13歳以上19才以下)700ウォン/子供(7歳以上12才以下)700ウォン
行き方:江華バスターミナルからタクシーで約7分。バスの場合は市外バスに乗り青少年修練館(チョンソニョンスリョングァン)で下車。そこから徒歩約5~10分。
問い合わせ: 032−933−2178
<江華支石墓(コインドル)> コインドル(支石墓)とは世界的に分布した古代の石墓の一種で、地域によって時代や形態が違う巨石記念物の一つ。ほとんどは富や権力のある人の墓ですが、共同の墓の場合もあり、これを象徴する墓標石や祭壇としても使用されました。韓国と日本では支石墓、中国では石棚、その他の地域ではドルメン(Dolmen)巨石(Megalith)と呼ばれています。このコインドルは巨石文化の遺産で、アフリカ、アジアなど全世界で確認された数は約55000にものぼります。
韓国では青銅器時代を代表する墓の一つとして、全国に約30000余りのコインドルが分布すると言われています。これは全世界の支石墓の50%以上を占める数字。その中で世界遺産に登録されているのがコチャン(高敞)・ファスン(和順)・カンファ(江華)の3ヶ所。この3つは分布、形式の多様性からも、コインドルの形成と発展過程を究明するためにも重要な遺跡。先史時代の文化性を把握できるだけでなく、社会構造や政治体系はもちろん、当時の人々の精神世界を垣間見られるという点からも、先史時代研究の重要な資料となる保存価値の高い遺跡といわれています。
江華島には先史時代の遺跡と高麗時代の抗蒙遺跡、朝鮮近世の国防遺跡などがたくさん残っていますが、このコインドル(支石墓)もその1つ。青銅期時代を代表するテーブルの形をした北方式支石墓です。支石墓の大きさは高さ260cm 、蓋石の長さ710cm、幅550cm、屋根石の重さは80.000kgにもなるそう。この江華支石墓は韓国一の大きさ。
住所:仁川広域市江華郡下点面(ハジョムミョン)富近里(プグンニ)317
行き方:江華バスターミナルから郡内バスに乗って約15分。
観覧料:無料
<高麗宮址> 高麗時代、蒙古軍の侵略に抗戦するために39年間使われていたお宮。現在の建物は1977年に補修されたものです。
観覧時間:(夏期)9:00から18:00(冬期)9:00~17:00
休館日:なし
行き方:江華バスターミナルから郡内バスに乗って約10分。
入場料:大人900ウォン/青少年・子供600ウォン
<江華山城> 高麗王朝の高宗が江華島に遷都したときのお城。その当時は江華邑、仙源面一帯を取り囲んでいましたが、蒙古軍の攻撃により破壊された後、後朝鮮時代初期に石城が改築されました。4つの門(東・西・南・北)、4つの小門、2つの水門、4つの城門将庁のうち、現在は南門・北門・西門が復元され、水門は水が流れて実際に機能しています。 場所:江華ターミナルからそれぞれの門へのバスが出ています。 (観覧料無料)
~江華島南部~
<広城堡(カンソンボ)周辺> 島の南東部の海岸に位置する広城堡(カンソンボ、史跡第227号)は、1866年にフランス軍と激戦が繰り広げられた場所として有名。その少し南にある徳津鎮(トクジンジン)は、同じく1866年のフランス軍との戦いで勝利を挙げ、1871年にはアメリカとの激しい砲撃戦を繰り広げた場所。さらに南に行くと草芝鎮(チョジジン)は、日韓の近代史で重要な意味をもつ場所で、1875年に起きた江華島(カンファド)事件の舞台がここです。
開放時間:(夏期)9:00~18:00/(冬期)9:00~17:00
住所:仁川広域市江華郡仏恩面徳城里833
行き方:江華バスターミナルからバスあり。
入場料:大人1100ウォン/青少年700ウォン
<伝燈寺(チョンドンサ)> 372年に作られた韓国最古の寺で、高句麗時代の高僧が建立しました。寺内には釈迦三尊のある大雄宝殿、薬師殿などの文化財をはじめ、樹齢600余年の銀杏の木など、あちこちに見所があります。境内に続く道も緑がおいしげり、ほっと一息つける場所です。
住所:仁川広域市江華郡吉祥面(キルサンミョン)温水里(オンスリ)635
電話番号:032-937-0125
開放時間:7:00~19:00(年中無休)
観覧料:大人2000ウォン/青少年1300ウォン/子供1000ウォン
行き方:江華バスターミナルから温水里行きのバスに乗って温水里ターミナル下車。バス停から徒歩約10分。
<摩尼山(マニサン)> 海抜468mの摩尼山(マニサン)は朝鮮開国の始祖、檀君が築いた祭壇と伝えられています。登山コースはいくつかあり、もっとも短いのが塹城壇までコースで1時間40分ほど。山の上から見える黄色海の眺めがとてもうつくしいところです。毎年開催される全国体典(日本でいう国体)の聖火はこの山の頂上にて日の光で点火されます。またこの山は韓国でも「気エネルギー」が高い山としても知られているそう。
場所:仁川広域市江華郡華道面興旺里一帯
開放時間:9:00~18:00
観覧料:大人1500ウォン/青少年800ウォン/子供500ウォン
行き方:江華バスターミナルからバスで華島(ファド)バスターミナルまで行き、バスを降りると摩尼山入口が見えます。
~船に乗って島へ~
<席毛島(ソクモド)・普門寺> 江華島(カンファド)からフェリーで5分ぐらいのところにある席毛島(ソクモド)には、岩肌に彫刻された高さ約9.7m、幅約3.65mの巨大な十一面観音像がある普門寺(ポモンサ)があります。この普門寺は落迦山という山の中腹にあるお寺で、韓国三大観音聖地の一つ。善徳女王4年(635)懷正大師が金剛山からここに訪れ、初めてお寺を建立して普門寺と名付けたそう。お寺を創建して14年後に、高氏姓の漁夫が海辺で仏像と羅漢像22具を網で掬い上げ、お寺の右側にある石窟に奉安したといわれています。それからはこの石窟に祈祷すれば奇跡が起ると、多くの信徒が訪れます。お寺の後方の岩壁には磨崖石佛が彫刻され、ここから眺める西海の眺めは絶景。また、普門寺の境内には約300名の僧侶が修道した時に使われたという、大きな挽き臼と伊吹木、そして1975年に鋳造した梵鐘があります。
・普門寺の基本情報
場所:仁川広域市江華郡三山面メウム里629
開放時間:9:00~18:00
観覧料:大人2000ウォン/青少年1500ウォン/子供800ウォン
問い合わせ: 032−933−8271~3
行き方:江華バスターミナルから外浦里(ウェポリ)(または普門寺行き)のバスに乗り ⇒外浦里船着場で下車(所要時間約30分)⇒外浦里(ウェポリ)船着場からフェリーに乗って席毛島(ソクモド)へ(所要時間約10分)⇒ここから普門寺までバスで約10~15分。
★乗船料:大人2000ウォン/子供1000ウォン/車往復14000ウォン
問い合わせ: 032−932−6007
※30分に1便運行、シーズン時は随時運行
※運行時間は季節または天候によって変更する場合があります。
○江華島のグルメ
<鰻焼き>江華島は昔から臨津江(イムジンガン)と漢江(ハンガン)の合流地点に近く、エビや鰻漁が発達したとか。島のあちこちに鰻屋さんがありますが、本土とつながる江華大橋を渡ったすぐのところに、トリミチャンオグイマウル(トリミ鰻焼き村)という鰻屋さんが10数軒並ぶスポットもあります。
※トリミチャンオグイマウル(トリミ鰻焼き村)は江華バスターミナルからタクシーで約10分。
<ペンデンイ(ママカリ)刺身>
江華島の海岸沿いには、刺身屋さんがたくさん並ぶ刺身村がいくつかあります。そこでいろんなお刺身がいただけますが、特に江華名物といえば、ペンデンイの刺身。この魚は養殖はせず、すべて天然モノで、栄養が豊富な小骨のついたままいただく青魚です。特に産卵期の4~6月は脂がのってもっとも美味しいそう。刺身のほか、ムッチムといって韓国式に唐辛子やニンニクなどの薬味で野菜と一緒に和えた「ペンデンイムッチム」も地元で人気。
※ウェポリフェマウル(外浦里刺身村)はウェポリ船着場の周辺にあり、江華バスターミナルからはバスで約30分。
○江華島の特産物
<高麗人参>韓国の特産物としてお土産に人気の高麗人参。江華島はその産地として知られています。ここ江華の高麗人参は肉質が堅く重量があり、香りが強いのが特徴。さらに、有効サポニンの含有量が高く、煮ても濃度が保たれる質の高い高麗人参が採れるそう。ちなみに高麗人参は滋養強壮、健胃、食欲不振、神経衰弱、糖尿病などに優れた効果あり。また、高麗人参をお土産に買いたい~という方、江華バスターミナル近くに高麗人参センターがありますョ。
<江華花紋席>井草を染め、それを織り込んで花模様を作る花紋席(花ゴザ)は高麗時代中期から家庭内手工業として始まったとされています。現在ではさまざまな模様を好みに合わせて作られていますが、主に龍や虎、おしどり、鳳凰、鶴、梅、牡丹など縁起の良いものをよく模様にしたそう。また、島内には江華花紋席の歴史の紹介や作品の展示や教室(団体のみ)も運営している江華花紋席文化館もあるので、興味のある方は是非。
・花紋席文化館(ファムンソッムナグァン) 住所:仁川広域市江華郡松海面(ソンへミョン)チャンジョン陽五ギル413(旧:陽五里(ヤンオリ)630−1)
電話番号:032−930−7062
観覧時間:(1,2,11,12月)9:00~17:00、(3,4,9,10月)9:00~18:00、(5,6,7,8月)9:00~17:00
休館日:1/1、旧正月、秋夕、毎週火曜日<2010.4.12更新>
行き方:江華バスターミナルからタクシーで約15分。
ホームページ:http://www.hwamunseok.co.kr/
○お土産スポット
<高麗人参センター>江華バスターミナルのすぐ近くにあるのが農協が運営する「人参センター」。こちらには江華でとれた高麗人参や、さまざまな高麗人参商品が販売されています。6年ものの高麗人参や高麗人参酒、高麗人参茶、人参粉末、エキスなど、お土産にぴったり。 行き方:江華バスターミナルの正面入口を背にして右側に進むと右角にあります。徒歩3分。
<江華プンムル市場>江華バスターミナルの斜め向かいにあるのが地元の市場「江華プンムル市場(カンファプンムルシジャン)」。こちらには江華で獲れた果物や野菜などの青果のほか、魚介類を使った塩辛、江華の特産物である江華薬用ヨモギや高麗人参をはじめとする漢方、高麗人参入りのドンドン酒(どぶろく)などが売られ、週末は特に地元の人たちでにぎわっています。 行き方:江華バスターミナルの正面入口を背にして横断歩道を渡ってすぐ右へ、少し進むとあります。
○江華バスターミナル
ここが江華を周るメインバスターミナル。新村(シンチョン)や永登浦(ヨンドゥンポ)、仁川(インチョン)、富川(プチョン)、安養(アニャン)などを結ぶバスの発着場であり、また江華島内の郡内バスのメイン発着地でもあり。道路沿いのターミナル正面入口から入り、お店が両側に並ぶ通りを突き抜けるとバスチケット購入窓口、バスの出発着場所、観光案内所などがあります。建物内には売店、お土産屋さん、食堂街、サウナなどがあり、移動前にお菓子や飲み物などをココでゲットしておきましょう。
島のあちこちに観光地が点在する江華島ですが、バスはこちらの江華バスターミナルを起点としている場合が多いです。特に温水里ターミナル(伝灯寺方面)、外浦里(普門寺方面)、華道ターミナル(摩尼山方面)への直行バスを利用する場合、1度江華バスターミナルに戻ってから別のスポットにバスで移動する形になります。バス路線が複雑なので、くわしい行き方はターミナル内にある観光案内所で確認して下さいね。またチケット購入時には何時に何番からバスが出るのか確認してから乗るようにしましょう。
※ バス料金は900ウォン、直行バスのみ1200ウォン。江華バスターミナルの窓口でバスチケットを購入しますが、T-moneyカードも使えます(一部を除く)。
☆江華ターミナル内の観光案内所
こちらは日本語のできる方がいるので(いないときもあるそう)、行く前に日本語のマップをもらい、観光地の周り方やバスの行き先など聞いておいた方がいいでしょう。
場所:江華邑 南山里 江華バスターミナル内
電話番号:032-930-3515
運営時間:(夏期)9:00~19:00/(冬期)9:00~17:00
江華島の見所は今回紹介したスポットのほかにも島のあちこちに点在していて、全部見るには一日では足りないほど。島内にはペンションやモーテルなどもあり、地元の人は合宿や休暇で数日間過ごす方も多いようですが、ソウルからも近いのでポイントを絞って日帰りの旅も十分楽しめます。自転車をレンタルしたり、うまくバスを利用して、楽しい江華島の旅、計画してみてくださいね?以上、ソウルナビでした。
行き方
<市外直行バス>
地下鉄2号線シンチョン(新村・Sinchon・240)駅1番出口からすぐの、現代百貨店前(目の前の大通りの中央分離帯にあるバス停です)にあるバスのりばから乗車します。
※以前の出発地だった新村バスターミナルは廃止になりました。
バス番号:3000番
(路線名 運行時間 / 運行間隔 / 平均所要時間 / 料金 )
江華⇒新村 4:40~22:00 /10分 /約1時間 50分 /3400ウォン
新村⇒江華 5:40~23:20 /10分 / 約1時間50分 / 3400ウォン
※交通状況などにより、運行時間が変更される場合があります。
江華−ソウル方面路線:江華運輸032-934-4343/934-9811
<郡内バス>
江華バスターミナルから郡内のあちこちに点在している観光地行きのバスが出ています。
運行時間:7:00~21:00
運行間隔:30分
料金:一般1000ウォン/学生900ウォン
お問い合わせ:ソンジンバス(032-933-6801)
季節などによって運行時間が変更する場合があります。
<旅客船>
~外浦里から席毛島の普門寺へ~
【外浦里(ウェポリ)−席毛(ソンモ)】
・平日は1時間に2便、外浦を出航。乗客・車両が多い場合は随時運航。 運航間隔30分/所要時間10分/始発7:00/最終(3−11月)21:00、(12−2月)19:30
※季節によって運行時間が変わります。
※公休日、土曜日、日曜日は随時運航。
※運行時間や便数は夏休みや旧盆などの休みの日、または天候によって変更する場合があります。
問い合わせ:三宝海運(032-932-6007,3324)
料金:大人2000ウォン(往復)/子供(小学生以下)1000ウォン(往復)