カニの町、盈徳で食い倒れの旅

ソウルから韓国一カニで有名な慶尚北道の盈徳(ヨンドッ)へ、一泊二日の海鮮三昧!!

こんにちは、あっきーです。突然ですが、みなさん、カニは好きですか?あっきーはカニが大好きです。カニは韓国でも人気の食べ物ですが、韓国の近海で特によく獲れるのはワタリガニとズワイガニ。主にワタリガニは西海(ソヘ)、半島の西の海で、またズワイガニは東海(トンへ、日本海)側で獲れるそう。そして韓国でカニの産地として最も有名なトコロというと慶尚北道の東海沿いにある盈徳(ヨンドッ)という町。韓国語でズワイガニのことを「テゲ」といい、盈徳で獲れるカニを「ヨンドッテゲ」といったりするんですよ。また、韓国でこのズワイガニが一番よく出回り、美味しいとされているのは春の初め、3月頃。ってコトで、今年は3月の終わり頃、盈徳にカニを食べる旅に出かけてきました!海辺の町、盈徳はもちろんテゲ(カニ)でとても有名だけれど、カニだけじゃなくその他の海産物も豊富。ついでにいろいろ食べちゃおう!っと海鮮三昧、してきましたよ!

◆◇◆東ソウルバスターミナルから出発!!盈徳へ向かう◆◇◆

さて今回の旅は、(いや、今回も?)移動の足としてバスを利用。っていうか、鉄道の通っていない盈徳へのアクセス手段は車かバスのみ。ソウルから盈徳へは、盈徳と同じく慶尚北道にある安東(アンドン)を経由するバスが東ソウルバスターミナルから出ています。この盈徳へのバスの乗車券売り場はバスターミナルの正面入口から入って右側の④、⑤番窓口の辺り。ここ東ソウルバスターミナルは、切符売り場窓口の上に行き先と乗車料がズラズラッと掲示されていて、だいたい目的地が書かれた下の窓口で切符を買います。(ただし、位置が変わることもあり。)盈徳までの料金は25,200ウォン。また朝7時から夕方6時までの間、1~2時間おきに運行しています。(※運行時間、詳しくは下記参照。)8時半過ぎ頃にターミナルへやって来たあっきーは朝9:30発のバスに乗ることにしました。
バスの出発を待つあいだ、ターミナル3階の食堂街で朝ご飯をいただくことに。東ソウルバスターミナルを比較的よく利用するあっきーは、今までターミナル内のいろんな食堂を試してみたところ、こちら「キサシクタン」が一番いけているようなので最近はいつもここで腹ごしらえします。バスのキサニム(運転手さん)たちも利用するというこちらの食堂。昇りエスカレーターを降りて、後ろを振り返るとあり。食堂へ入ると、やっぱり他の食堂よりお客さんが多いような~。ヘジャングッ、スンデグッ、ユッケジャン、テンジャンチゲなど庶民的な一般の食堂にありそうなメニューから、コンビジ(おからとキムチ入りの濃厚スープ)とキムチチゲを注文、一緒に行った友人とシェアして朝の栄養補給!
(2010年4月現在、コンビジ、キムチチゲ共に5,000ウォン)
では、いよいよバスに乗って出発です。乗り場は11、12番。ソウルから盈徳までは4時間半~5時間と、とっても長~い道のり。それでもバスはウドゥン(優等)なので座席が広く、シートの下からは足を支えるシート(?)も付いているので、まだ楽に行けるかも。韓国の長距離バスにはイルバン(一般)とウドゥン(優等)があり、ウドゥンのほうがシートが広く、料金もアップ。盈徳行きはこのウドゥンのみのよう。車内は満席で、しゅっぱーつ!!
バスは利川(イチョン)、驪州(ヨジュ)を通り江原道(カンウォンド)の原州(ウォンジュ)辺りにある休憩所で一度ストップ。江原道といったらジャガイモ!ということで、トンカムジャという小さいジャガイモをバター炒めにしたおやつを購入。いやー、休憩所に行くと、お腹が空いていなくても何か食べ物、買っちゃうんですよね~。ところでこのジャガイモ、ホントに江原道だからか、今まで食べたトンカムジャの中でも一番美味しかったような!?たっぷりボリュームでひとカップ2,500ウォン。
午後1時ちょっと前、出発から約3時間半後に最初の停留所、安東(アンドン)に到着~。ここからは高速道路も通っていないので、国道を行きます。途中、ディープな田舎の休憩所に止まったりしながら、山道や田舎道をひたすら進むバス。
安東の街並み。昔、一人旅に来たことを思い出すなあ。

安東の街並み。昔、一人旅に来たことを思い出すなあ。

ちょっぴりディープなカンジがする国道沿いの休憩所。

ちょっぴりディープなカンジがする国道沿いの休憩所。

山を越え、里を越え・・・田舎道をひたすら進む!!

山を越え、里を越え・・・田舎道をひたすら進む!!

◆◇◆盈徳へ到着、カニはどこだ~!??◆◇◆

午後2時15分頃、4時間45分という超ロングなバスでの移動を無事終えて、ようやく盈徳のバスターミナルに到着!うーん、ホントに長かったなあー^^; ヨンドク、ヨンドクテゲとよく聞くけれど、こんなにもアクセスが不便な場所にあったとは。なんせ、高速も鉄道も通っていないですからね。さて、こちら「盈徳市外バスターミナル」は、カニや海産物を食べられる海岸沿いからは少し離れたところにあります。海のほうへ行くバスもありますが、初めての地で到着するやいなやバスに乗るのはちょっと難しそうなので、タクシーに乗っていくことに。バスターミナルのすぐ横には、「盈徳郡観光案内所」と書かれた、タクシー乗り場があり。ターミナルを出て、右方向です。そうそう、この後もずっとそうだったのですが、盈徳には観光案内所が無いみたい。「盈徳郡観光案内所」と看板が出ているところは、実質タクシー乗り場のようです。でも観光案内地図は置いてあったのでゲット!
ターミナルにあった盈徳郡の地図

ターミナルにあった盈徳郡の地図

「盈徳郡観光案内所」と書かれたタクシー乗り場

「盈徳郡観光案内所」と書かれたタクシー乗り場

タクシーにもカニの絵が・・・

タクシーにもカニの絵が・・・

まず目指すはターミナルから一番近い港、「江口港」(カングハン)。ここはカニを売る食堂が集まる「カニ通り」や、カニ市場があるとか。タクシーに乗ること約15分、何だか大きなカニが見えてきました。盈徳郡南部を流れる「五十川」(オシプチョン)にかかる「江口大橋」を渡ったところで、「ここから海の方向へ歩いて行く道が、カニ通りだよ」と運転手さん。おお、カニにありつける場所へとうとうやって来た!?ここまでのタクシー料金9,600ウォンを払い、カニ通りへと歩きます。ちなみにタクシーの料金は地方なので高め。

◆◇◆どこを見てもカニだらけっ!「江口港カニ通り」◆◇◆

運転手さんの言っていたとおりに行くと、すぐにカニの店がズラリと並ぶ「江口港カニ通り」(カングハンテゲコリ)へ!それぞれのお店の前には、お客さんを呼び込もうとするお店の人たちが立っており、店先に置かれた水槽の中にはどこもカニがぎっしり~。そしておもしろいのは、あちこちに見られる巨大なカニの模型!いろーんなポーズのカニが、お店の屋根から壁からアピールしています。まさにカニだらけのカニ通り。そんな光景を見ていると「カニを食べるぞ!」というテンションも自然と上がります。川沿いからカーブした道を通り、港のほうへ行くと道路は車で渋滞!みんなカニを求めてやって来た人のようです~。さすが有名なカニの産地。
水槽をのぞくと折り重なるように入れられたカニが

水槽をのぞくと折り重なるように入れられたカニが

カニを買って帰っている人々。

カニを買って帰っている人々。

道端でも、カニを売っていましたよ。

道端でも、カニを売っていましたよ。

   ★★カニの巨大模型コレクション★★
カニのトンネル

カニのトンネル

マンセー(万歳)するカニ

マンセー(万歳)するカニ

こちらはツメだけ。

こちらはツメだけ。

地面や建物から生えるカニ

地面や建物から生えるカニ

屋根からカニ

屋根からカニ

巨大カニに襲われる建物!?

巨大カニに襲われる建物!?

◆◇◆「トングァン魚市場」でカニにありつく!◆◇◆

カニに囲まれた通りをキョロキョロしながら15分ほど歩いて行くと、海沿いに建つ「トングァン魚市場」に到着。事前にインターネットで調べた情報によると、通りに並ぶお店よりもさらに安くカニをいただけるとか。こちらは建物の1階が市場になっており、ここで買ったカニを上の階にある食堂で調理してもらって食べることができるんです。ソウルの鷺梁津(ノリャンジン)市場形式ってとこかな?!さっそく市場に入ると呼び込み合戦!慶尚道イントネーションで威勢の良いおばちゃんたちの呼びかける声が聞こえます。またどこを見ても、カニ、カニ、カニ。盈徳ってホントにたくさんカニが獲れるんですね~。たくさんあるお店の中から、これもあらかじめインターネットで調べておいた68番の「ヒョンテ・フェセンター」へ。入口から右奥のほうで見つけました。
カニは値段を交渉しながら購入。大きなものから小さなものまであり、もちろん大きなものは高価。でもカニを保護するという目的で、甲羅の縦幅が9センチ以下のもの、そして雌のカニは売ってはいけないんだそう。大きめのカニ(真ん中の写真)のお値段を聞いてみると、一杯8万ウォン!甲羅が10センチくらいのレベルのものだと、一杯20,000ウォンくらいみたい。大きなものは数がそんなに獲れないのでそれだけ価値が高いとか。ということで、交渉の結果、10センチレベルのものを三杯にもう一杯小さめのおまけをつけてもらって60,000ウォンで買うことに。ソウルでは安いときで一杯3~40,000ウォンくらいからなので、やっぱりお得ですね!
購入したカニはカゴに入れてもらって、お店の人の案内で4階の食堂へ~。2階にも食堂があるみたいで、カニを購入したお店によって契約している食堂に案内されるよう。
食堂からはさっき歩いてきたカニ通りや港の様子が一望でき、なかなか良い眺め。カニが蒸しあがるのを待っていると、トットリムッ(どんぐりの寒天風)がサービスで出されました。うーん、無料おかずの多い韓国で、これだけってちょっとさみしい気がしないでもありませんが^^; ちなみにこちらの食堂の利用料は、カニだけなら大人一人2,000ウォン、子供は1,000ウォン。そしてそれプラス、カニの蒸し代金がカニの購入価格の10%必要。(カニが5万ウォン以下の場合は一律5,000ウォン)今回はカニが60,000ウォンなので6,000ウォン+大人二人分の席料4,000ウォンがカニの価格に加算されるってことですね。
と、いよいよお待ちかね、蒸しあがったカニが運ばれてきました~!カニはスタッフの方が食べやすいようにハサミで丁寧に切ってくれます。なので、お皿に並べられたものをカニフォークで食べればいいだけ!なるほど、カニを蒸す料金がちょっと高いかな、と思っていましたが、こんなサービスがあるならいいですね。さっきまで生きていた、新鮮な蒸したてカニ。身がしっかりつまっているし、甘くて美味しいです!!一人当たり二杯のカニは、ボリュームもたっぷり!
お店のおばちゃんが、食べやすく切ってくれます。 お店のおばちゃんが、食べやすく切ってくれます。 お店のおばちゃんが、食べやすく切ってくれます。

お店のおばちゃんが、食べやすく切ってくれます。

カーニだ~~~!! カーニだ~~~!! カーニだ~~~!!

カーニだ~~~!!

◆◇◆まだまだ食べるぞ!今度は食堂へ~◆◇◆

さて、カニを満喫した後は、またちょっと海辺を散策。カニ通りとは反対のほう、北のほうへ向かって歩いてみることに。カニ食堂ではご飯ものを注文せず、どこか美味しそうな食堂があったらそこでさらに何か食べよう!という計画です^^ 「トングァン魚市場」より北側にも、カニ通りほどではないけれどポツポツと並んでいる海産物のお店。と、その中で「コムチへジャングッ」の旗が気をひく食堂を発見!お店の前の水槽にはコムチという魚がたくさん泳いでいます。これがコムチなのか~。東海側の北のほうで獲れるコムチ。あとで聞いたところによると、こちらのお店のもそっちのほうから仕入れているとか。コムチとは本来、ウツボのことをいうらしいのでウツボの仲間かと思っていたら、実はそうではないらしい。方言でこの魚のことをコムチ、またはムルゴム(チ)と呼ぶみたい。日本語ではクサウオというそうで、調べてみるとカサゴ目に属する魚なんですね。でも、産地でコムチ、またはムルゴムと言い、他の地方でもそう呼んでいるのなら方言ではないのでは?とも思うのですが^^; ま、とにかく以前、東海で食べたコムチが美味しかったのでこの「テヨンテゲフェッチッ」でコムチを食べるぞー!
コムチへジャングッを二人前注文すると、六つのパンチャン(おかず)とともに辛そうな色をしたコムチ入りの鍋が運ばれてきました~。コムチは真っ白な身がとっても柔らかく、皮の部分はトロトロした魚。何と言ったらいいか、ホントにフワトロです!以前、コムチのチリを食べたときにも感じたのですが、独特の甘みがあり、スープにするとその甘みが溶け出すみたいで何ともいえないお味に。海草を使った惣菜や小魚の塩辛などソウルではあまり見ないおかずも美味。またこちらのお店、お客さんたちとお店の人のやりとりを聞いていると、地元の人も結構来る食堂みたい。そして珍しいコムチへジャングッの他に、刺身や盈徳カニ、慶尚道地方の海辺の名物料理、ムルフェなんかも扱っているよう。別のテーブルでは、地元の人らしきグループが、ムルフェを「ウマイ、ウマイ!!」と言いながら食べていましたよ^^ (※それぞれの価格は、下にリンクしてある「テヨンテゲフェッチッ」のメニューページをご覧ください。)
カニとコムチを連続して食べたので、ううっ、苦しいほどお腹がいっぱい・・・^^; ここから江口港以外のところに移動しようと、地図でチェックした「江口市外バスターミナル」を目指して、腹ごなしに歩いてみることに。来た道を戻り、タクシーを降りた江口橋のほうを目指して歩きます。海沿いに伸びる道からは素晴らしい海辺の景色が。天気があまり良くなく、曇っていたのが少し残念。
さっきカニを食べた「トングァン魚市場」の前には、海産物市場が出ていたのでちょっと寄り道して見学。カニのほかにもいろーんな魚介類が並んでいます!市場ウォッチングは楽しいな~^^ 
今はカニの他に、へサム(なまこ)の季節とか。右の写真に写っている赤いナマコはホン(紅)ヘサムといって、韓国では今の時期にしか獲れないそう。日本の赤ナマコよりもデカくていっそうグロテスク!?お値段をきいてみると、一匹30,000ウォン!わー、高価なんですね。

◆◇◆江口港からバスに乗って・・・◆◇◆

 「江口市外バスターミナル」は最初にタクシーを降りた辺り、「江口橋」を渡ったところにあり。寄り道しながら50分ほどかけ歩いて到着~。まっすぐ来ると30分ちょっとくらいの距離でしょうか?この小ぢんまりとしたバスターミナルからは盈徳郡内にある各地へのバスが出ているほか、近郊の町、浦項(ポハン)などに行くバスもあるみたい。ところでこのターミナルに来る前に渡ってきた江口橋(カングキョ)という橋、ソンスンホン、故チェジンシルなどが出演する1997~1998年に放送されたMBCドラマ「クデクリゴナ」(あなたそして私)の撮影地のよう!橋を渡っているときに、記念のパネルが飾られていたので知りました。大胆なカニのトンネルが目立つ橋です。当時はこのカニ、いなかったのかな?
ここ江口港から次の目的地として向かうは丑山港(チュッサンハン)。ガイド地図で見たところ、海沿いにはいくつか港町があり、中でも丑山港は海産物の食堂がたくさんあり開けていそうなカンジに書かれてあったので行ってみることに決定。ここでバスに乗るには、ターミナル待合所の発券機であらかじめ切符を購入しなければなりません。運賃は2,500ウォン。午後6時40分頃、やってきたバスに乗りこみ出発。バスは海沿いの道を走り、丑山港まで4~50分の移動です。バスから見える、暮れ行く田舎の海辺の景色はとっても幻想的・・・。

◆◇◆静かな田舎の港町、丑山港でムルフェと海産物!◆◇◆

すっかり暗くなり到着した丑山港。んん?暗いのは日が暮れたからだけじゃなく、明かりがほとんどないから!?そうなんです、このあたりは予想と反してほとんど何もないトコロ・・・。ひえー、こんな場所に美味しい食べ物屋さんがあるのか?!というか、泊まるところは確保できるだろうか・・・などと不安になりながらも、もうここから移動するバスは無いしタクシーも通っていないので、とりあえず宿を探すことに。人気のない港の近くを歩いていると、一軒だけまともそうなモーテルがあるのを発見し、そこにチェックイン。「ガヤモーテル」という名前なんですが、もし行かれることがあったらこの辺りにモーテルは一軒しかないのですぐに分かると思いますよ。一泊30,000ウォンとお得で、モーテルの中でも部屋は清潔に保たれているほうだと思います。
なーんにも無さそうな丑山港周辺ですが、それでも港に沿ってポツポツと食堂の明かりが見えます。港ということもあってどこも刺身など海産物を食べるお店みたい。その中の一軒に行ってみようと、とりあえず人が入っていそうなお店に突撃。しかし営業はもう終わったと。中ではお店の方と近所の方らしきおじさんたちが宴会をしているようでした。別のお店をのぞいてみると、これまた近所のおじさんとお店の人が宴会をしている模様。ココもダメそうです。そして三軒目、明かりは点いているけれど人の気配のしない食堂へ・・・。おそるおそる入ってみると、人のよさそうなおばちゃんがニコニコと迎えてくれました。きいてみるとこのお店は特にムルフェがおススメとか。

ムルフェとは名前の通りムル(水)をかけていただくフェ(刺身)。もちろんただ水のではなく、コチュジャン、すりおろしニンニク、ゴマ油などで味を付けた冷たいスープに、細かく切った刺身と千切り野菜などをまぜまぜしていただく、慶尚道の郷土料理です。実はソウルで何度か食べたことがあり、「ビミョーな味やな~」という印象しか持っていなかったので最初はどうしようかと思いましたが、ここはムルフェの本場!いろんなウワサからも美味しいムルフェというのはあるはずだ!ということで注文すると、ソウルで見たものとは随分様子の違うムルフェが運ばれてきました~。おかずもいっぱい!1人前10,000ウォンです。
ムルフェはまず、刺身と野菜、薬味の入ったボールをかき混ぜます。コチュジャンで全体が真っ赤になるくらいよく混ざったら、氷と水を注ぎさらに軽く混ぜると完成!これがすごーく美味しい!刺身は魚に加えて貝を茹でたものも入っていて、それが冷たい水でシメられるからかコリコリ度がさらにアップ。野菜は細切りのニンジン、きゅうり、梨、青ネギに大量のニンニクなど。それにコチュジャンの甘辛い味とゴマやゴマ油の香ばしさが香ります。コチュジャンはお店で作っているものだそう。ソウルで食べたのとは全然違うぞー!!このムルフェはもともといわゆる漁師メシで、さらにご飯や麺を入れていただいてもいいらしいですよ。ヘジャン(酔い覚まし)にもいいとか。
お客さんはあっきーたちだけだったけれど、お店の人がいろいろ気を使ってくれてすっかり話し込んでしまいました。お店のおばちゃんは、とってもフレンドリー。話によると、この辺りでは夏の海水浴シーズン以外には外からあまり人が来ないんだそう。でもソウルからの常連さんもいるそうで、お目当ての海産物が入荷したと連絡をすると車をとばして来る人もいるとか。そうこうしているうちに、ムルフェの美味しさに感動したこともあってせっかくだからここで何かもう一品!と、お刺身をいただいてみることに。今はトダリ(メイタガレイ)という小さめのカレイが旬というので注文!しばらくするとナマコ、茹で貝、アナゴの甘辛コチュジャン焼き、それから東海の地エビといった海産物のつけ合わせと一緒にトダリのお刺身が登場~!これで30,000ウォン。豊富な海の幸のおまけと新鮮なお刺身のあまりの美味しさに、友人と2人で焼酎を5本も飲んでしまいましたー。焼酎は慶尚道の「チャム」ソジュ。スッキリしていてグッド!ここまで来た甲斐があったな~^^

◆◇◆超地元の味!屋台のオデンでシメ!!◆◇◆

一夜明けて二日目。ホテルの窓からは、昨日とはうって変わって晴れやかな青空が見えます。かもめの声だけが聞こえてくる朝の静かな漁港はとっても爽やかな眺め。しかし、昨日一日の食べすぎ飲みすぎ(!?)からか、全然お腹が減っていません。昨日夜遅くまで飲んだアルコールがだいぶ残っているような気もするし^^; ちょっとホテルで休んで、遅めに出発することに。でもまだ食堂で何か食べるほどお腹は減っていないしな・・・、と宿を出て歩いていると見つけた小さな屋台。オデンやプンオパン(たい焼き)、スンデなどを売っているよう。ここで軽く腹ごしらえをしようかな。と、何も特別な期待もせず食べたここのオデンがすごく美味しい!スープが違うんです。濃ーいイリコと昆布のダシがきいていて、体に染み渡り、じんわりと温まります。そうそう、この辺りは一年中を通して風がとても強いそうで、旅行中も日差しは暖かいのにこの風のせいでとっても寒かったんです。屋台のおばちゃん曰く、「夏でも強い風が吹くと肌寒くって、上着を着ないと寒いほどなんだよ」と。なるほど、この近くには風力発電所もあるし、盈徳はカニの町だけでなく風の町でもあるんですね。
さて、ここからどうやって帰ろうかと、港の辺りを歩いているとバスが一台止まっているのを発見。バス停らしきものは見当たらないのですが。運転手さんに聞いてみると、盈徳市外バスターミナルまで行くそう。ちょうど良かった!このバスはここ丑山港から出発して海辺を通り、昨日バスに乗った江口港市外バスターミナルを経由してから盈徳市外バスターミナルへ向かいます。そこからさらに山のほうを通って丑山港よりも北西に位置する寧海(ヨンへ)へ行くというルートを通っているみたい。昨日乗ったバスの逆周りルートを走るんですね。運賃は盈徳市外バスターミナルまで乗ると3,700ウォン。
港の横にポツンとバスが・・・

港の横にポツンとバスが・・・

かもめがホントにたくさん~

かもめがホントにたくさん~

昨日とは違う、キレイに晴れ渡った海を見ながら約1時間後に盈徳市外バスターミナルに到着。14:30分発の東ソウルバスターミナル行きに乗ってソウルへ~。帰りはソウル付近で道が渋滞し、6時間近くかかりました~^^;
丑山港

丑山港

バスの窓から見えた「元祖テゲマウル(カニ村)」というところ。ここも気になるな~。

バスの窓から見えた「元祖テゲマウル(カニ村)」というところ。ここも気になるな~。

盈徳市外バスターミナル

盈徳市外バスターミナル

本当に食い倒れた盈徳カニと海産物の旅、いかがでしたか?盈徳はソウルから行くとホントに遠いトコロでした。盈徳テゲの漁は毎年12月から翌年の5月ころまで行われるそう。春先が一番の旬らしく、3月の中ごろには「テゲチュッチェ」(カニ祭り)も開かれます。(今年2010年は3月12~14日だったそう。)でも、ムルフェを食べた食堂のおばちゃんによると、12月から2月くらいまでが一番美味しいという話も・・・。とにかく、カニを目当てに盈徳を訪れるならカニ漁が行われる時期が良いようです。その他の季節には、カニ市場などでは刺身を中心に売るらしいですよ。交通は不便だけれど、美味しいカニと海産物の宝庫、盈徳。新鮮なカニを産地で食べたい時はもちろん、韓国の田舎の港町へ、ちょっと遠くまで行ってみたいな、という時に訪れてみるのもいいかも!?以上、あっきーでした。



その他情報

【東ソウルバスターミナル~盈徳バスの時刻表】
○東ソウル発→盈徳市外バスターミナル行き
 7:00、8:00、9:30、11:00、13:00、14:30、15:40、17:00、18:00
○盈徳市外バスターミナル発→東ソウル行き
 6:40、8:00、9:20、11:50、12:40、14:30、15:30、16:40、18:30
 ※安東経由。
 ※所要時間は5時間前後。

 ※運賃は片道25,200ウォン。

【寧海~(江口港)~丑山港バスの時刻表】
○寧海発→丑山港行き
 9:30、11:00、13:10、14:30、16:30、18:20
 ※それぞれ江口港市外ターミナルには15~20分後くらいに到着。
○丑山港発→寧海行き
 11:00、13:00、14:00、15:00
 ※江口港市外バスターミナル、盈徳バスターミナルを経由。

 ※運賃は盈徳市外バスターミナル~丑山港3,700ウォン、江口港市外バスターミナル~丑山港2,500ウォン。

★盈徳郡ホームページ
http://www.yd.go.kr/open_content/main_page/www.aspx (韓国語)
http://jp.yd.go.kr/open_content/main_page/ (日本語)

※記事中の価格、バスの時刻表などは全て2010年3月現在のものです。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-04-09

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