100年の歴史のパンに1時間待ちのホットッ!?有名なB級グルメが意外と多い全羅北道の群山に、ちょっとマニアックなグルメ探訪へ!
こんにちは。地方への旅と、地方のグルメをこよなく愛するソウルナビのナビQです。去年の秋、烏耳島まで大エビ焼きを食べにいったレポート以来ですが、みなさんお元気でしたか?え?ナビQは何をしていたかって!??(ん?きいてない?!)実はナビQ、私ごとで恐縮ですが秋の終わりころに妊娠していることが分かりまして、冬の間はずっと安静にしていたのです。行動範囲も食べられるものも限られ、当然、大好きな旅も(酒も)おあずけ・・・冬の間はそんな日々を送っていました。がっ、しかし!冬の終わり頃から安定期に入り、体調も少し良くなってくると、やっぱりどこか旅に出たい!これから先しばらく自由には旅行できないかもしれないし、いつ行くか?今でしょ!!っと、先月さっそく行ってきたのは前々から行きたかった場所の一つ、全羅北道の群山(クンサン)!今回はいつもほど歩きまわれず、おいしそうな酒のつまみ系は(飲みたくなるので)パスだけど、妊婦でも大丈夫!?見どころが比較的狭い範囲に集まった海辺の街、群山への旅をレポートしたいと思います!
※妊婦の方でも個人差がありますので、「妊婦でも大丈夫」はご参考程度に!^^
レトロな建物がたくさん残る海辺の田舎街、群山
群山はソウルから高速バスで約2時間半、全羅北道の海沿いに位置する港町。1899年に群山港が開港してからこの周辺の地方でたくさんとれるお米の流通拠点として栄え、また当時は日本人も多く住んでいたため、現在もたくさんの古い日本家屋や文化遺産が残っています。現在の人口は28万人ほどの小さな地方都市ですが、古い建物が残るレトロな雰囲気の街ということで国内から観光で訪れる人も最近は若い世代を中心に増えているほか、昔日本人がたくさん住んでいた街というところに惹かれて日本からやって来る人も比較的多いよう。
また群山は海辺の街なので海鮮料理をはじめとする地元グルメもいろいろ。特にカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)や、一夜干しのように少し乾かした魚の干物が有名。群山ではいろんな種類の魚が獲れますが、どれも軽く干してからいただくのが主流のよう。中でも太刀魚やパクテとよばれる大きめのシタビラメを干したものを煮たりチゲにしたりするのは、この地域独特の食文化!さらに群山のグルメというと海鮮料理だけじゃなく、長く経営している有名なお店が多いのも特徴。1940年代や1950年代にオープンして3代目という老舗があちこちにあり、そんなお店の中には海鮮食堂に中華料理店から、ホットッやパンといったおやつや軽食に分類されるお店までいろいろあります!
今回は群山ということでもちろんレトロな街の雰囲気や文化遺産も楽しみたいとおもいますが、これらちょっとマニアックなグルメを求めて、1泊2日でいろいろとまわってきました!
ソウルから高速バスで2時間半!
出発はソウル高速バスターミナルの湖南線セントラルシティから。群山行きは1時間に3~4本と意外に本数があるので、ふらっと行ってもすぐにバスに乗れそうです。ただしバスの種類にはイルバン(一般)とウドゥン(優等)とがあり、イルバンは横4列でシートが狭めだけど運賃が安く、ウドゥンは横3列でシートが広く座り心地も良いですが少しお値段が高め。2014年4月現在、ソウル~群山の高速バス運賃はイルバンが12,800ウォン、ウドゥンが18,700ウォン。約5,000ウォンの差がありますが、ナビQ的には2時間以上バスに乗るならウドゥンがおススメ。シートの座り心地が全然違うので断然楽に行けます!12時20分頃にバスターミナルへやってきたナビQは12時40分発のウドゥン高速バスチケットを窓口で購入。
バスは13時50分頃、忠清南道の公州(コンジュ)市にある休憩所に入り一休み。高速バスの休憩時間はいつでも15分です。休憩所ではトイレに行ってからハッバーを買うのがナビQの定番!ハッバーとは魚介の練り物を揚げた、天ぷら(さつま揚げ?)の串みたいなもの。イカとタコのハッバーに、公州は栗が有名なので美味しそうな大粒の焼き栗も購入~お値段がちょっと高めだけどホントにでかくて美味!ん、でもちょっとデカ過ぎ!?不覚にも3粒でおなかいっぱいに・・・
そして予定通り、15時10分頃に群山高速バスターミナルに到着!群山の高速バスターミナル、かなり小ぢんまりとしています。今のところ、このバスターミナルから発着しているのはソウル便だけで、2014年の4月からは麗水(ヨス)便も開通するとか。そのほかの街へは、この高速バスターミナルのすぐお隣にある群山市外バスターミナルから発着していて、そっちのほうが大きいみたい。
では!まず目指すは去年の夏頃にテレビで見てからずっと行きたかった群山の冷麺店!いろんな分野の“達人”を紹介する番組で、冷麺の麺作りの達人がいると紹介されていたお店。なんでも、珍しい蒸し鶏のトッピングがのった冷麺とか。韓国料理で一番好きな食べ物は平壌式の冷麺!ソウルだけじゃなく機会があれば全国にあるウワサの冷麺を食べ歩いてる、冷麺に目がないナビQ。これは食べんわけにはいかんでしょ!あらかじめ調べておいた情報によると、お店はバスターミナルから歩いていける距離のよう。わお~!じゃ、しゅっぱーつ!!
ずっと食べたかった鶏トッピングの冷麺はやっぱり美味!!
バスターミナルから歩くこと10分弱、住宅地の中にお目当ての冷麺屋を無事発見。看板を見ると、1954年創業、3代続く平壌式冷麺と。んー、古いとはきいていたけれど、そんなに昔からやってたんだ~ でも名前は「ポパイ冷麺」!ポパイ?!ってやっぱりあのアメリカの昔のアニメに出てくるホウレン草の好きなムキムキの兄ちゃんのこと??韓国の老舗冷麺店にポパイ・・・なんだかイメージが結びつかないけれど、ま、かなりユニークな店名なのは間違いない。お店は比較的最近改装されたようで、新しく広々としていて清潔なかんじ。テーブル席が並び、奥には座敷席もちょこっとあり。壁にはテレビで紹介された時の「達人」のプレートも!
メニューは水冷麺と辛いビビン(混ぜ)冷麺にそれぞれのコッペギ(大盛り)とマンドゥ(蒸し餃子)のみ。ナビQはもちろん水冷麺!っと、注文するとまもなく運ばれてきました!鶏肉のトッピングがモリモリにのった冷麺が!日本で冷たい麺のトッピングとして蒸し鶏というのは一般的だけど、韓国冷麺ではとっても珍しいんです。チョゲタン(酢鶏湯)くらいかな。スープは鶏と豚?のダシに海辺の冷麺らしく魚介系のダシも入っているみたいでこちらもとっても独特。ソウルで食べる牛スープやトンチミがメインのスープとは全然違います。平壌冷麺にしてはコシが強く細い麺もさすが達人のものだけあって、これも独特の香ばしさが~この麺と個性的なスープの相性もバツグン!これはスタンダードな平壌式冷麺からいうとかなり独特だけどホントに美味しい冷麺!!近くにあったら通いたい~~
季節は3月半ば、春になりかけといえどもこの日は結構寒く、午後3時頃だったから食事時ではないのでお客さんはそんなに多くはなかったけれど、地元の常連さんらしき人が何組かいました。こんな肌寒い日に、しかも食事時じゃないのにお客さんがいるなんて、やっぱり地元でも人気の冷麺店のよう。そんな冷麺屋を後にして、次に目指すは地図で見ると文化遺産の集まっているらしき場所。昔っぽい建物がところどころに現れる道を海のほうへ向かって歩きます。
15分くらい歩くと、何だかお店が多くなってきたような~車や人も増えてきました。どうやら街の市街地のよう?チェーンのコスメショップやファーストフード、服屋なんかもあります。
そしてちょっと開けた交差点に出ると、向こうに何やら人だかりのできているお店が!?よく見ると、群山で有名なパン屋さん、李姓堂(イソンダン)だ!!
100年のパンのお味は!?
こちらイソンダンはもともと1920年に日本人が開業、経営していた菓子店あとに1945年オープンしたパン屋さん。韓国で初の近代式パン屋として有名な、そして韓国3大パン屋の一つと言われるお店です。特に開店当時から作っているというヤチェ(野菜)パンとあんぱんが人気で、どちらも毎日焼き上がり時間が決まっているため、時間になるといつもお店の前には長~い行列ができるそう。今日はいつ焼きあがるのか知らなかったけれど、この時もちょうど行列ができていたのでナビQも並んでみることに!お店の前には「今日の野菜パンの販売は材料切れのため終了した」との看板が。じゃあこの行列はあんぱんかな!?列がすすんで中に入ると、けっこう広いお店のよう。あんぱんと野菜パンだけかと思ったら、いろんな種類のパンが売っています。
列に並んで無事あんぱんをゲットした人々のトレーには、どれも大量のあんぱんが見えます。でもどうやら一人10個ずつまでみたい!?あんぱん売り場に近づくと、野菜パンとあんぱんの今日の焼き上がり時間が掲示されていました。あんぱんは午後4時。今は午後4時半頃だから、偶然タイミングが合ったんですね!ラッキー!!
5、6分ほど待っただけで、ナビQも無事あんぱんをゲット!味見をするだけなので、とりあえず3個購入することに~ 次はレジに並ばなくっちゃ。レジも長い列です。そうこうしているうちにも厨房から焼きあがったあんぱんがワゴンで次々と運ばれてきています。ホントにすごい人気だなあ。
お店の奥にはカフェコーナーもあるので、そこで紅茶と一緒にいただくことに。なんかどことなく日本のパン屋さんのイートインコーナーのような雰囲気?!あんぱん三つのほか、韓国のパン屋というと必ずあるチャプサルパン(もち米パン)2種類に、コロッケもセレクト。コロッケは日本のコロッケとは違い、韓国では揚げ野菜パンみたいなパンのことです。お値段はあんぱん1,200ウォン、コロッケ1,500ウォン、チャプサルパンは一つ1,000ウォンくらいだっけかな?
あんぱんは薄皮のパンにあんがどっしり。あんは甘すぎず小豆の香りがして、パンはイーストの香りもして素朴だけど確かに美味しい!んー、でも最近ソウルではあんぱんが流行っていてレベルが高くなっているし、ナビQ的にはソウル駅の「ソウルの恋人あんぱん」のほうが好きかも!?でもずっと昔からこの味が食べられたなんて・・・ひと昔前ならもっと感動してたかも~ それよりナビQが美味しかったのはコロッケ。ほんのりカレー風味の野菜あん入り揚げパンはかなり美味!ここはサンドイッチとかもあるし、近くにお店があったらこの揚げパンとかサンドイッチとかを頻繁に食べにきたいな~!
群山の名所を散策!
地図を見ると、イソンダンの周辺エリアは群山の見どころスポットが点在しているよう。まずは一番近そうな「チョウォン写真館」へ。歩いて5分ほどでしたが、途中にも昔の日本家屋らしき建物などレトロな建物が~ また、観光客にも分かりやすいように、路地のところどころには道しるべの案内表示が付けられています。
タイムスリップしたような沐浴湯(銭湯)!
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立派そうな古い建物を改装中。カフェか何かになるのかな??
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「チョウォン写真館」は古い写真スタジオで、ハンソッキュ監督の有名な韓国映画「8月のクリスマス」のロケ地になった写真館。自由に入って見学できます。普通の写真館のように写真も撮ってもらえるとか。中には撮影当時のスナップ写真や古いカメラなどが展示されていました。映画を観てたらもっと感動するんだろうな。
次は「旧朝鮮米穀倉庫株式会社社宅」。日本統治時代に旧朝鮮米穀倉庫株式会社の群山支店長が住んでいた社宅だそう。1935年に建てられた建坪40坪、敷地94坪の日本式住宅で、当時の建築様式をうかがうことができる建物とか。現在住んでいる人がいるそうで中には入れませんが、九州にあるナビQの田舎の本家を思わせるような日本家屋!?「チョウォン写真館」から歩いて約2分。
こっちは途中で見たレトロな建物
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旧朝鮮米穀倉庫株式会社社宅
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そして次は国の文化財に登録されている大きな日本家屋、「旧広津家屋」へ。広津(ヒロツ)だけど、韓国語にはツの発音がないので、読み方はヒロス家屋。旧朝鮮米穀倉庫株式会社社宅から歩いて2、3分の距離ですが、途中にも昔っぽい建物がいっぱい。観光スポット同士も近いし、少し歩くだけでタイムスリップしたような街並みが観られるこの辺りはホントに見どころが凝縮していますね!
赤い壁に囲まれた旧広津家屋は2階建てのホントに立派なお屋敷。廊下に沿って畳の部屋がいくつもあり、ちょっとボサボサになっているけど広い日本庭園はその廊下のどこからでも眺められるよう「く」の字になっています。ん~、粋な造り!広い畳と床の間と障子の部屋や低めの天井、長い木の廊下に窓の木枠のデザインなど、日本人的には懐かしさを感じずにいられないものばかり。韓国でこんな建物が残っているなんて・・・不思議な感覚。地元韓国人の観覧客も多く、若い子のグループや大きなカメラを抱えた写真愛好家とみられる人たちが多かったかな。若い女の子が、見学しながら「霊気を感じる・・・」とひたすらつぶやいていたのにはビビりましたが(笑)
さて、今日最後に向かうのは、東国寺。韓国に残された唯一の日本式寺院だそうです。途中、昔の日本家屋を利用した畳の部屋のある有名なゲストハウスも見えたのでちょっと見学。名前は「古友堂」、なんか数年前に流行ったタイムスリップする医者のドラマに出てきた江戸時代の治療院みたい?!敷地の真ん中には池のある庭園も。フロントでお値段をきいてみるとそんなに高くないし、子供が生まれたら一緒に来てみよ。畳の部屋に布団を敷いて寝られるから、ファミリーによさそう。ちなみにここはゲストハウスだけじゃく、カフェや食堂、売店などもある、群山市が作った「近代歴史体験空間」なんだそうです。
ささっ、暗くなってきたので先を急がなくっちゃ。お寺はすぐ近くのはず。
1909年、日本の僧侶によって作られた布教所に1913年に建てられたという東国寺。規模は大きくないけれど、屋根の感じが日本のお寺!といったかんじ。軒に魚の風鈴がかけられているのは韓国っぽいですが・・・そしてお寺といえば気になるのが鐘。境内のすみっこに、ちゃんとありました!でも鐘をつきに中には入れないようになっています。鐘の周りに置かれたお地蔵さんのような石像も日本っぽい。
時刻は午後6時頃。東国寺のすぐ近くには有名な食堂が何軒か集まる通りがあったのでそこで何か食べようかと思ったけれど、ちょっと疲れてきたのでホテルへ向かうことに。大通りへ出てタクシーで予約してあるホテルへ~
ここが食堂の並ぶ通り。
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大通り。タクシーはすぐにつかまりました。
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■□■1日目にまわった場所!■□■
ホントに周りに何にもない!?でも快適なホテルへ
今日予約してあるホテルは群山の西のほう、市街地からタクシーで15~20分ほど行った海の近くに位置する「ベストウェスタン群山」。ベストウェスタンというと世界のビジネスホテルチェーンですが、こちらはできたばっかりだし設備は最新、インテリアもきれいでとっても快適!バスルームも広めで、ベッドはふかふか。久しぶりにこんなちょっといいホテルに泊まったな~。
じつはこのホテル、韓国最大級の干拓事業であるセマングム干拓事業が進められているエリアの群山国家産業団地の中にあります。周りは工場ばかりで、その向こうに少し海が見えるほか、それ以外はホントに何もありません!ホテルはたぶん、この産業団地へ出張にやってくる人たちのためにあるのでしょう。それにしても、ホテルの近くに食堂やお店らしきものも全くなく、フロントできいてみるとコンビニは15分くらい歩いたらあると・・・んー、マジで恐ろしいくらいに何にもない!
ホテルのスタッフのお話では、タクシーで10分ほど行くとそれでも刺身屋が少し並ぶ海辺の通りがあるとのこと。でも今日はたくさん歩いたし、ナビQはもう体力切れ・・・体が普通の状態だったら1時間くらい歩いてでも刺身を食べに行ったのに!?そのままホテルの部屋で、来る時にバスの休憩所で買った焼き栗の残りとイソンダンで食べきれなかったあんぱん、チャプサル(もち米)パンを簡単な夕食に。食糧があってよかった。ちなみにチャプサルパンは半端ないもちもち具合でめちゃウマでした!
朝は久々にホテルのビュッフェ。昨日の晩、あまり食べられなかった分を挽回!?それにしてもこのホテル、市街地から遠いうえに周辺にお店が全くない点では不便きわまりないけれど、お部屋はとっても快適。夜も朝もバスタブにお湯を入れてゆっくり休めたし、ベッドの寝心地もすごくいいし、田舎なのでホテルのクラスの割にはお値段も高くないし、そんな点ではなかなかグッド!
明るくなってからホテルの窓から見える風景も、やっぱり工場だらけ。無機質でそっけない工場の建物のあちこちから煙がもくもくとあがり、風力発電の水車も見えて、んー、何だか星新一の小説の世界を思い出してしまいました。そんな景色に囲まれたホテルを午前10時頃出発、今日は昨日見学できなかった海辺の観光スポットのほうへ行ってみる予定!
海辺の観光スポットを散策
ホテルからタクシーで15分ほど、昨日散策したあたりの海側でまずやってきたのは、海望窟(ヘマングル)という海の近くにあるトンネル。群山の旧市街地と海側を結ぶため日本によって1926年に作られたトンネルで、国の文化財に登録されているそう。このトンネル、そういえばNHKの街歩きの番組で群山が紹介されていたときに見たやつだ!その時は地元のおばあさんたちがここで美味しそうな料理を作って食べていたような・・・トンネルに入ると、「ムドウィシムト(暑さ避難所?)」と貼ってあるし、暑い季節には避暑のためにこのトンネルに人が集まるのかな?たしかにトンネルの中はひんやりです。トンネルの長さは131メートルだそうで、すぐに通過~ トンネルの上の山には月明公園という、海を眺められる展望スポットもあるみたい。
トンネルを出たところにある海を臨む山の斜面には古そうな住宅がいっぱい。これも街歩き番組で見たなあ。ん、でもどの家にももう人が住んでなさそう?!再開発されるのでしょうか・・・
トンネルから海のほうへ抜け、次は漁港と群山水産物総合センターという市場のあるほうへ。朝遅い時間の漁港は静かです。
久しぶりに間近で見る海は、んー、いい気持ち!!カモメの大群も休んでいます。
群山水産物総合センターは大きく二つの棟から成っているよう。一つはコノ(干魚)市場、干した魚を売るお店が集まる棟。建物の前にも入口にも、干している最中の魚がいっぱい並べられています!群山では、様々な種類の魚を軽く干して食べるんだそう。群山名物のパクテ(大きめのシタビラメ)も発見!
建物の中も干し魚天国。ありとあらゆる種類の魚が干された状態で売られています!干した太刀魚やウロッ(メバルの仲間)なんて初めて見た~
もう一つの建物ではファロ(活魚)、生の魚介類を販売。この時目立っていたのはあんこう、マナガツオ、タコ、貝類、カンジャンケジャンになるコッケ(ワタリガニ)・・・お刺身も売ってます!まだ午前中でほとんどお客さんはいないけれど、もう少ししたらこの刺身を買って海辺で一杯やる人がたくさん来るんだろうなあ~ マナガツオの刺身、美味しそう!!ナビQも海を見ながらこの刺身と焼酎で朝から一杯やりたいところだけど、今回はガマン、ガマン!!ちなみにこちら、1階でお魚を買って2階にある食堂でいただくこともできるみたい。いいなあ~~
さて、この港から、昨日うろうろした辺りに向かって海沿いの大通りを10分ほど行くと、昔の税関や銀行の建物といった遺産や歴史博物館などの見どころが並ぶ通りへ出ます。
旧群山税関本館のすぐ横には、今使われている税関の建物も。
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群山近代歴史博物館は子連れファミリーがたくさん入っていっていました。
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歴史博物館前には観光コース案内が。体力があれば、1日でまわれそう!
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レトロな建物のギャラリーやカフェもあり
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その先には、旧日本第十八銀行や旧朝鮮銀行の群山支店の建物が続きます。昔の銀行となると、必ずチェックしたくなるのが金庫だった部屋!当時は一般の立ち入りが禁止されていたかと思うと、何だかドキドキ!
旧朝鮮銀行群山支店は大きな2階建て吹き抜けのかなり立派な建物!中は各部屋を自由に見学できるほか、昨日見た旧広津家屋や昔の群山駅などのミニチュア模型、当時の紙幣なんかも展示されています。
それでは、そろそろお昼ご飯のお店へ!海辺の町に来たからには一度は食べておきたい海鮮料理にすることに!目指すは昨日見た東国寺近くの食堂の並ぶ通りのお店。フグ料理とアンコウ料理の有名な食堂へ行ってみます!
途中、100年の歴史のパン屋、イソンダンの横を通ったので今日のパンの焼き上がり時間をチェック。有名なヤチェ(野菜)パン、まだ食べてないですもんね!お店に入ってみると、今日のヤチェパンの焼き上がり時間は午後1時とのこと。これはお昼を食べて戻ってきたら、ちょうどいい時間かも!?
スープを注文するとお刺身まで付いてくる!?現地で人気の海鮮食堂!
お昼を食べるお店の名前は「クンサン・ポッチッ」。海辺の旧銀行がある辺りからは、歩いて10分ほど。ポッ(ふぐ)とアグ(あんこう)の料理の専門店で、予めインターネットで調べておいた情報によると、ふぐやあんこうのタン(スープ)を注文したら付け合せにお刺身まで出てくるお店とか!12時前に入店した時の店内はまだあまりお客さんがいなかったけれど、時間が経つにつれ徐々に満席に。現地の年配の方が多いよう。
ふぐとあんこうのスープ、どっちにするか悩んだ結果、久しぶりにあんこうにすることに。あんこうこそ、海の近くで食べる、より新鮮なものが美味しいですもんね!辛くないチリで注文。たくさんのおかずは地元感があり、特に市場で見た干し太刀魚の煮付けが食べられたので感激!ごはんにぴったり!アグタン(あんこうスープ)は新鮮なあんこうがたっぷりでしみじみとした自然なお味~
(※このあたりからカメラのバッテリーが切れかけになったため、時々iPhoneで撮ったあんまりキレイに撮れていない写真もあります。すみません・・・)
ウワサのお刺身は付け合せにするとけっこう量があり、やっぱりとっても新鮮!妊娠中なので生モノは控えていたけれど、新鮮だしちょっとなら大丈夫!?横のテーブルのおじさんたちに倣って、生白菜にサムジャン(味付け味噌)と一緒にのせてガブリ。ん~~ウマすぎ!!アグタンよりこのお刺身のウマさにナビQ感動!
イソンダンへ2度目のチャレンジで野菜パンをゲット!
お昼ご飯のお店を後に、午後1時過ぎ頃100年のパン屋、イソンダンに戻ってきてみると・・・わ、わ、わ、ものすごい行列!!お店の角を曲がっても、その行列は続いています。野菜パンをゲットすべく、ナビQもさっそく行列に参加。今日は土曜日だからか、列に並んでいる人の会話を聞くと、ソウルなど他の地域から来ている人もたくさんいる模様。いやあ、それにしてもお店の中もすごい混雑ぶり。ここは群山で最も人の集まる場所なのでは!?群山一のホットプレイスかも。
並ぶこと約1時間、やっと念願の野菜パンをゲットー!昨日食べて美味しかったコロッケ(カレー味の野菜揚げパン)とチャプサル(もち米)パン、他にも美味しそうなパンをいくつか一緒に購入。野菜パンは一つ1,500ウォン。
朝から少し歩き回り、パン屋の行列で1時間も立ちっぱなしで待ったので少し疲れてしまったナビQは、この近くにある紅茶専門店で一休みしようと行ってみると・・・ガーン、閉まってる。張り紙によると、しばらく休業したあとコーヒーショップに変わる予定だとか。ということで、他のカフェを探してうろうろ。すると大きな煙突のある建物のカフェが。この建物、もともと銭湯だったんじゃ!?気になるな~
結局入ったのは、通りすがりに目にとまった猫カフェ。群山まで来て猫カフェ?さっきの煙突カフェに入るべきだったか・・・でももう戻る気力もないし、猫好きのナビQ、しばし猫にいやされながら休憩・・・
今度は1時間半待ち!群山というと有名なホットッのお味は!?
今日の夕方にはソウルへ帰る予定のナビQ、あと群山でしたいことといえば群山で有名なホットッとチャンポンを食べること!猫カフェからホットッ屋さんは地図で見ると少し歩くみたいだけど、猫カフェでパワーを充電したのでがんばって歩いてみることに。途中、廃線路も見えました。
歩くこと約20分、群山でホットッというと超有名な「チュンドン・ホットッ」に到着!ホットッは粉モノの生地に蜜などを入れ揚げたり焼いたりしたお菓子のこと。1943年創業の3代続く老舗で、昔から美味しいホットッ屋として現地で知られていましたが、テレビで紹介されてからは全国からウワサのホットッを食べようと大勢の人が集まるお店に。現代的な建物のお店の斜め前には、昔の店舗だったと思われる小さなお店も。ホットッ一つでこんな立派な建物が建つなんて!
お店の外は人の姿がほとんど見えない田舎道なのに、店内は人でギュウギュウ!!こんなにたくさんの人が待っているなんてびっくり!ここも群山のホットプレイス!?レジの奥では何人ものおばちゃんたちがホットッをひたすら作っています。
注文は順番待ちの番号票を取って待機する方式。聞いてみると、今の待ち時間はだいたい1時間15分ほどとか。ナビQの番号票は279番、今は218番。ざっと60組待ちです!店内には店内で食べられるテーブルも少しありますが、待つ人の席になっていてとても店内じゃ食べられそうにありません。
テレビでも何度か紹介されたというこちらのお店。例の達人を紹介する番組や、人気バラエティー番組、ムハントジョン(無限挑戦)にも出たんですね~
結局、待つこと1時間半!とうとうゲットした、これがウワサのホットッ!!
お味のほうは・・・う、ウマー!こちらのホットッは焼いたタイプ。あっさりとした風味豊かな生地に甘すぎない蜜がたっぷり入っていて、素朴だけどそのシンプルさがとってもいいカンジ!!ナビQ的には、今まで食べたホットッの中で間違いなく一番です。1時間半待つ甲斐があるほどかも!?ホットッがこんなに美味しいなんて・・・実はナビQ、ホットッがいくら美味しいからってそんなの知れてるでしょ?っと勝手に思っていて、味見程度に4個しか買わなかったんですが、食べてみて激しく後悔。14個セット、せめて7個セットくらい買っておくんだったあ~~っTT
最後は有名なチャンポンでシメ!るはずが・・・
そして最後は、こちらも群山グルメといえば有名な中華料理店「ポクソンル」のチャンポン狙い!韓国で中華料理店のチャンポンというと、真っ赤な辛いスープに海鮮の具が入った麺料理。日本のチャンポンとは違ってとっても辛く、韓国の中華料理ではチャジャンミョン(韓国風になったジャージャー麺)と並ぶ定番メニュー。なんでも「ポクソンル」のチャンポンは海鮮の具がたっぷりでとっても美味しいとか。ホットッ屋から15分ほど歩いて見つけたお店!の入口には、シャッターがっ!えええ!?今日は土曜日なのに定休日!??時刻は午後5時半、夕方の営業はまだとか??でも中では厨房で何か作っているような音がするし・・・さっそくネットで電話番号を調べて電話をかけてみると、今日の営業は終わったと。毎日その日の材料が無くなると閉店し、普通は遅くとも午後4時には終わるとのこと。さすが人気店!うーん、残念だけどまぼろしになったチャンポン、次回群山に来た時はリベンジだ!!
ということで、セカンドプランとして考えておいたお店へ行くことに。こちらも群山で中華料理の有名店、創業60年以上にもなる「賓海園(ピネウォン)」。海の近くにあり、「ポクソンル」からはタクシーで5分ほど。映画「ナムジャガサランハルテ(男が愛する時)」のロケ地になった中華料理店としても有名で、建物は外から見ても古いですが、内装もかなりレトロ!
こちらは韓国中華の定番でチャジャンミョン(韓国式になったジャージャー麺)とタンスユク(韓国式になった酢豚)が有名ときいていたので、その二つにチャンポンも注文。チャジャンミョンはキャベツたっぷりで美味しい~ナビQ、かなり気に入りました。チャジャンミョンってどうしても体に悪そうなイメージ!?があってあんまり食べないんですが、キャベツたっぷりのこれならいいねえ!ちなみにこちらのお店ではこのチャジャン麺のほか、黒くないムルチャジャンも有名らしいですよ。酢豚もカラッと揚がった豚肉にさっぱりと甘酸っぱいソースで脂っこくなく確かに美味!一緒に行っていた韓国人はチャンポンが美味しいとのこと。
■□■2日目にまわった場所!■□■
ソウルへ帰っても、まだまだ群山のお楽しみが
帰りのバスは、来た時と同じく群山高速バスターミナルから午後6時45分発のウドゥン(優等)。スイスイと2時間ちょっとでソウル高速バスターミナルに到着~
家に帰ってからも、群山のお楽しみが。それはイソンダンの野菜パンと、ホットッ。このホットッ、油で揚げたものじゃないから冷めてもフライパンで簡単に温めたらまたでき立てのように味わえるんです!野菜パンは・・・ん、まあまあでした。作りたてならもっと美味しいのかな?揚げたコロッケのほうがお気に入りかも。