「世界文明―生きている神話」
こんにちは皆さん。清々しい初夏のソウルは何処に行っても楽しいですね♪~ | 今日はソウル芸術の殿堂にあるハンガラム美術館から「大英博物館(British
Musium)展」~世界文明―生きている神話~をお届けします。 |
「大英博物館展」はソウルに来る前に日本を巡回ツアーしたもので、日本でも「大英博物館の至宝展~世界一周、1万年の時間旅行」というテーマで130万人もの観覧客が訪れて大盛況を博したという鳴り物入りの展覧会です。「東京と神戸で見ました~。」という方も多いはず。とはいえ「ミイラよりも人の頭の方が良く見えた」とか「150分も並んだけど入場打ち切りだった」くらい込み合ってしまい、行く前に諦めてしまった人も多いかと思います。そんなあなた、ソウルでゆっくりと?世界の宝物を鑑賞するのは如何でしょうか? |
フランスのルーブル博物館、アメリカのメトロポリタン美術館と並んで世界の3大博物館として有名なイギリスの大英博物館。そんな大英博物館が開館250周年を記念して、一昨年(2003年)から始めたアジア・ツアーの2番目の国がここ、韓国。今回は古代エジプトのミイラ、レオナルド・ダビンチのドローミング、そしてレンブラントの自画像等と共に、大英博物館「韓国館」の遺物50点を含めた335点が展示されており、海外展示会としては最大規模のもの。それではさっそくご案内しましょう!
*資料提供:大英博物館韓国展展示企画団 (株)ソルデ
1、大英博物館の歴史~22点
大英博物館の創設や現在に至るまでの経緯を発展に寄与した人物の肖像画や所蔵品、写真で見ることが出来ます。例えば大英博物館の創立者であるハンス・スローン卿の肖像画と世界の有名人の署名入り閲覧申請書。カール・マルクスがヤコブ・リヒターと署名した閲覧申請書や、シャーロック・ホームズの生みの親のコナン・ドイルの署名が入った申請書は必見。そのほかにもスケッチ、漫画もあります。こういうものを大切に保管しておく国って実に興味深いと思いませんか。
2、古代エジプトとスーダン~42点
紀元前1世紀頃にエジプトで作られた遺物を中心展示。古代エジプトの女性のミイラの実物、黄金のミイラマスク、ミイラを作る際に臓器を別々に保存するための「カノポス壷」、そして紀元前1世紀頃に作られた「テーベの女性神官のミイラボード」など、見ごたえのある展示品が沢山あり、どれから見て良いのか迷ってしまうほど。象形文字の解読の手がかりになったロゼッタストーンの複製品もあります。
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3、古代中近東~35点
紀元前3世紀頃、メソポタミア地域のイラク南部「ウル」でシュメール人が作った「牛頭のある女王の竪琴」や、楔形文字が刻まれたバビロン時代の記念碑、ペルシャ王朝、地中海沿岸地域の石像など。素晴らしい造形品の数々です。
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4、ギリシャ、ローマ~35点
古代ギリシャとローマ帝国の遺物。ヨーロッパ文明の源泉ともいわれるこの時代の遺物は彫刻群と金貨が中心。髪の毛の一本一本まで生き生きと掘り込まれた胸像は、石膏モデルとは違ってリアリズムにあふれています。傍らには金貨やメダルの展示もあり、都市国家、地中海文明の息ぶきを感じます。
| 5、アフリカ、アメリカ、オセアニア~34点
アフリカ、アメリカ、オセアニア固有の民族文化を比較できるコーナー。この地域の遺物はなかなかお目にかかる機会がないのでは。地域的には一番範囲が広い割に普段から余り関心が払われない一帯ですが、アフリカ、オセアニア地方の芸術のエッセンスが見られます。
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6、プリントとドローイング~20点
レオナルド・ダビンチ、レンブラント、デゥーラー、ゴヤの鮮明なタッチを鑑賞。以前からダビンチのデッサンは大変小さな紙に精密に描かれたものだと聞いていましたが、噂にたがわず、大人の手のひら程のサイズしかありませんでした。このコーナーの展示品は日本で展示されたものとは多少違っていて、ダビンチの作品は「はげ頭の男の横顔」が、ミケランジェロのデッサンはなく、ラファエルの習作が展示されていました。会場には教科書や百科事典でしか見たことがない絵画が、ごくごく普通の感じに展示してあるので、ともすれば見過ごしてしまいがちですが、デゥーラーの「メランコリア?」なんて、高校の社会科の教科書でお目にかかった記憶がありませんか? |
7、先史とヨーロッパ~61点
先史時代からルネッサンス時代に至るまでのヨーロッパの絵画、装身具を展示。このコーナーの一番人気は、何と言っても「ハリーポッターと賢者の石」に登場するチェスの駒のモデル。イギリスのルイス島で出土したものですが、キングの背中にかかる長い巻き毛や、目の表情がユーモラスです。ショップではチェスの台までセットにした複製品を売っていました。
8、アジア~52点
最後に登場するのは、東アジア、中央アジア、西アジア等のアジア大陸の仏像を始めとしたアジアの美術品の数々。韓国の青磁、中国の青銅器、そして日本の美人画が飾られていました。韓国ツアーなので、韓国の展示品が多数展示されています。
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このように館内を一周したら、それだけで世界を一周したような気分になれるのがこの展示会の特徴。それでは次にもう一歩掘り下げて、展示会の様子をご紹介してみましょう。 | 館内は照明を暗めにしているので多少見難いので、なるべくゆっくり回ることにしました。もちろんそう考えているのは私だけではないようで、人の移動スピードが他の展示会に比べてとってもスローでした。中には展示品の前にデッサンをしている人も。ロンドンまでは行けないので、ここで雰囲気だけでも感じておきたいというのが本音ですね。 | 韓国初公開なので、小中学生の団体が多くて、息つく暇もありませんでした。特に午前中から午後4時までは課外授業の一環として見学に来る学生たちで毎日大変なにぎわいとか。この日もガールスカウトとボーイスカウトの小学生で館内は大騒ぎでした。平日の5時過ぎから閉館の8時までが一番空いているとのことです。 | ディオニッソス像
片手にブドウを携えたディオニッソスの像はこの展覧会の目玉で、白く輝く裸体は実に美しいです。ヨーロッパの古代文明というのは一体どれくらい深遠で、高尚なんでしょうか。
| 8つのセッションごとにこのボードが掛かっていて、簡単な説明が書いてありますが、もちろん韓国語しかありません。日本展の時の資料を読みながら回っても良いのではないでしょうか。
| 2000ウォンで(韓国語の)説明が聞ける"mp3"が借りられます。 | 前評判が高かったし、今でも人気はウナギ上りなので、中に入れるかどうか心配したのですが、思ったほど混んでいなくてホッとしました。日本ほどの過熱ぶりではないようですね。大英博物館のエッセンスをちょっとずつ味わえるのが今回の展示会の特徴なのですが、そういう観点で見るなら、充分楽しめる展覧会だと思います。次はロンドンで見ようじゃありませんか!
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期間:2005年4月12日~7月10日 ※2005年7月26日~10月9日は釜山市立博物館で開催 休館日:展示期間中は毎月最終月曜日 観覧時間:11:00~20:00(入場は19:00まで)※団体観覧は10:00から入場可能 場所:芸術の殿堂内ハンガラム美術館 主催:朝鮮日報、KBS 電話:02-518-3638 ホームページ:www.bmkorea.or.kr/
入場料:
区分 | 大人 | 青少年 | 満4歳~小学生 | 個人 | 15000 | 9000 | 7000 | 団体 | 12000 | 5000 | 5000 | ※団体は30人以上(小中高生の団体は5000ウォン均一) |
行き方:
| | 1.地下鉄3号線ナンブトミノル(南部ターミナル)駅5番出口を出て | 2.目の前に止まっているマウルバス「4429」番に乗り、「芸術の殿堂(イェスレチョンダン)」で下車。約3分。 |
*ハンガラム美術館にはステキなコーヒーショップとアートショップ、キャラクターショップがあります。
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記事登録日:2005-06-09