スケソウダラを干した健康食品“ファンテ”を徹底分析!
こんにちは!ソウルナビです。韓国料理といえば、焼肉やサムギョッサル、カムジャタン、ポッサムなどといったお肉中心のお料理が印象的~。じゃあ韓国人はお魚をあまり食べない?!な~んて思ってる方いませんか?いやいや、韓国の皆さんも実はお魚が大好き!日本でおなじみのサバやサンマ、太刀魚などを焼き魚にしたり、あるいは煮物やスープにしたりしても食べるんですよ。今日はそんなたくさんあるお魚の中から、一風変わった韓国オリジナルの食材「ファンテ(黄太)」についてご紹介したいと思います。このファンテ、日本語でスケソウダラといわれるお魚を適度に乾燥させたものをいい、焼き物、スープ、煮物、お粥などにして食べるたいへんヘルシー&ポピュラーなもの!!特に韓国ではこのファンテを使ったスープを食べると二日酔いが解消されるといわれ、酒を飲んだ次の日の朝食としてもよく食べられるんです。さぁ~それではさらにくわしく、ファンテの人気の秘密を探ってみよ~!!
マルチな健康食品スケソウダラ!ファンテのもととなるお魚を「ミョンテ(明太)」といい、これが日本のいわゆるスケソウダラ。このミョンテは干したり、凍らせたりすることで、名称も料理法も違うマルチな健康食材へと変貌します!まず生のままのスケソウダラを「センテ(生太)」、冬の時期に釣ったスケソウダラを凍らせたものを「トンテ(凍太)」と呼び、干して乾燥させたものを「プゴ」または「コンテ(乾太)」と言います。本日の主役ファンテ(黄太)は、産卵期に釣ったスケソウダラを零下10度以下の中で自然乾燥させ、夜は凍り、昼は解けるという"凍結→気化→凍結→気化"の過程を4ヶ月以上繰り返すことにより半干しの状態に。身は柔らかく、色は黄色くなります。この乾燥&冷凍という加工過程を経ることで、ますます味に深みが生まれ、健康度もアップするんだとか!またこのファンテは自然の中で凍り、解けという状態を繰り返すため、江原道(カンウォンド)の珍富嶺(チンプリョン)、大関嶺(テグァンリョン)、麟蹄(インジェ)郡、高城(コソン)郡などの寒~い地域でのみ生産されるんだそう!
二日酔いの後はファンテクッ(ファンテスープ)を食べよう~!このファンテは、お酒を飲んだ後に食べるスープであるへジャンクッ(解毒湯)としてもよく食べられます。それだけ体によい成分が含まれているに違いない!っとナビが調査したところ、やっぱりヘルシー食品でした。というのもミョンテ(スケソウダラ)の主要成分はたんぱく質で、カルシウムも豊富に含まれているとか。その「ミョンテ」を乾燥させたファンテは加工過程でたんぱく質が2倍に膨らみ、全成分の56%をたんぱく質が占めるほどになるそう。おまけに体に有害なコレステロールをほとんど含まない高品質なたんぱく質。またメチオニンなどをはじめとしたアミノ酸も多く含み、肝機能を促進させ、二日酔いを回復させる機能もあるそう。さらに高たんぱく&低カロリー食品ということでダイエット食としても適しているので、女性やお腹が気になるお父さんにもオススメ!ほかにも疲労回復、血圧調節、老廃物を取り除く働きがあり、まさに体に優しいヘルシー食材といえそうです^^。
ファンテ料理いろいろ
トドッ(ツルニンジン)という植物を知っていますか?韓国では和え物や焼き物にしてよく食べる食材なのですが、ファンテの食感がこのトドッに似ているということで、ファンテは「トドップゴッ」と呼ばれたりもするとか?!このトドッとファンテはキレイな黄色をしていて柔らかく、味に深みがあるうえ、独特の歯ごたえがあります。そんな深い旨味を持つ「ファンテ(黄太)」を使ったお料理&お店をご紹介したいと思います。
○ ファンテクッ(ファンテスープ)
ファンテを使ったスープ。ファンテ料理の中でも一番気軽に食べられるメニュー?淡白であっさりした味は日本人にも合いそう。特に二日酔いの朝にこのファンテクッ、ファンテヘジャングッを食べると、疲れた胃腸、肝臓が元気になります!プゴを使っているお店もあり!
○ ファンテクイ(ファンテ焼き)
江原道に行くと必ず食べてもらいたいのがこのファンテクイ。ファンテに甘辛い薬味を塗り焼き上げたもので、外はカリカリ~、中はふんわりしています。お酒の肴としてもピッタリな味付け!
○ ファンテチュッ(ファンテ粥)
お粥に魚?!っというと、少し生臭さがが気になりそうですが、魚独特の臭みの少ないファンテは安心して食べられます!塩をベースにしたあっさりした味付けにファンテの旨味が染み出たファンテ粥は、二日酔いの朝の朝食としてはまさにピッタリなメニュー!!
ファンテ料理の作り方
今日は二日酔いの朝の朝食にピッタリなスープとお粥の調理法を簡単にご紹介しましょう~!
<ファンテクッ(ファンテのスープ)>
~「プゴグッチッ・ムギョドン・トジュッコル」のご主人にご協力いただきました~
材料:サゴル・ネギ・大根・ファンテ・豆腐・たまご・ネギ・塩・ごま油・ニンニクなど
1. サゴル(牛肉の骨)、ネギ、大根、うるち米を入れ、約12時間ぐつぐつと煮込みます。出来上がったスープを水で冷やしながら灰汁を取ったらスープは出来上がり。
2. その牛骨スープが完成したら、予め骨を取って食べやすい大きさに刻んだファンテ(干し鱈)を入れ、1時間ほど煮ます。
3. そこに細長い豆腐を入れ、卵をふんわり落として大ネギを刻みいれ、ひと煮立ちさせます。最後に塩とニンニク、ごま油を少し入れることにで味をしめて、完成~!
<ファンテジュッ(ファンテのお粥)>~「味加本」のご主人にご協力いただきました~
材料:ファンテ・豆もやし・米・ニンジン・ネギ・塩・ごま油など
1. 少量の水に豆もやしを入れて、一度に煮立てます。
2. そこにファンテを入れて煮ます。このとき加えるファンテはあらかじめ水につけ、ほんの少しふやかした状態のものを使用します。
3. 野菜とご飯、粥状の柔らかい米を入れて煮ます。
4. ちょうどよい程度になったら、塩、ごま油などで味を整えます。
ファンテ料理の食べれるお店
<お粥>
○味加本
ナビでもお馴染みお粥専門店「味加本」。クリルという沖エビを使ったおもしろいお粥のあるお店。そんな「味加本」にもファンテを使ったお粥がありました!コンナムル(豆もやし)をトッピングしたファンテコンナムル粥は二日酔いの朝にはピッタリ!あっさりしていながら、ファンテの風味はしっかり残されていて Good!そのうえファンテと豆もやしの食感がよく、あっという間にたいらげてしまう一品です。
住所:ソウル市 中区(チュング)明洞1街(ミョンドンイルガ)45-3
電話:02-752-0330
<ファンテのスープ>
○プゴグッチッ・ムギョドン・トジュッコル
36年の伝統を持つ、プゴグッ専門のお店。シンプルな白濁スープに細長く切った豆腐、プゴッ(干したスケソウダラ)、ネギ、そしてふんわり卵が浮かんでいて食欲をそそる一品です。お昼のランチタイムには行列ができるほどだから、これまた驚きですよね~!!
住所:ソウル市 中区(チュング)茶洞(タドン)173
電話:02-777-3891
<ファンテクイ(ファンテ焼き)>
○ファンテクイ・アナムコル
三清洞にあるこじんまりしたお店「ファンテクイ・アナムコル」。甘辛い薬味でしっかり味付けしたファンテをステーキのように焼いて食べるファンテクイのほか、ファンテクッ(ファンテのスープ)もあります。リーズナブルなお値段も魅力的!
住所:ソウル市 鍾路区(チョンノグ)安国洞(アングットン)128
電話:02−734-7450
<韓定食のお店のコースあるいは一品料理で取り扱っているお店>
○紫霞門
韓定食コースにも含まれているほか、一品料理としても取り扱っています。
住所: ソウル市 鍾路区(チョンノグ)新営洞(シニョンドン) 5-5
電話: 02-396-5000
○ ホンガネ・ハンシクタン
田舎定食風のリーズナブルな韓定食が食べられるお店。一品料理に"チンプリョンファン"といい、ファンテクイがあります。
住所:ソウル市 松坡区(ソンパグ)パンイ洞(ドン)43-3
電話:02-421-9397
<ファンテの本場!江原道にあるお店>
○ノダジ
「冬のソナタ」の撮影地として日本人の間でも一躍有名になったスキーリゾート、「竜平リゾート」。その近くにある「ノダジ」はファンテ料理専門店という看板を掲げるだけあり、ファンテ焼き、スープ、鍋、蒸し料理などメニューも豊富!
電話:033-355-4448
○ファンテドッチャン
平昌郡(ピョンチャングン)にあるファンテ焼きの専門店「ファンテドッチャン」。このあたりはファンテの名産地なのか、ファンテ専門店がずらりと並んでいます。ジュージュー音を立てた鉄板に載せられたファンテは見るからに食欲を誘う一品!外はパリパリ、中は柔らかい食感はもう一度食べたい品!
住所:江原道(カンウォンド)平昌郡(ピョンチャングン)道岩面(トアムミョン)横渓1里(フェンゲイルリ)348―7
電話:033-335-5942
韓国の家庭でよく食べられているファンテですが、意外とお店で食べるとなるとその軒数が少ないのが玉にキズ。専門店ではないけれど、民俗居酒屋や韓国料理店にいけば一品料理として扱っていたりするので注意して見てみて下さいネ。このファンテを初めて知った方、あまり味のなさそうな、干したお魚?!っと思ってらっしゃいませんか?でも一度だまされたと思って食べてみてください!!ファンテのウマさのトリコになっちゃう方もきっと多いはず!それを証拠にナビも最初はなにこれ~って思っていた1人。今ではすっかりファンテファンになっちゃいました!今後もまた調査して、ソウル市内のおいしいファンテのお店を発見したら必ずご紹介しますね!!以上、ソウルナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2005-10-04