ベストフード「チョングッチャン(清麹醤)」

消化も良くて栄養豊富なヘルシー料理、韓国の納豆汁といわれる「チョングッチャン」!

こんにちは!ソウルナビです。今回はヘルシー食として日本でも最近話題になっている「チョングッチャン(清麹醤)」についてご紹介しましょう!この「チョングッチャン」とは、茹でた大豆を自然発酵させて作った韓国の味噌。消化がよく栄養価の高い健康食品として、便秘・糖尿・貧血のほか、癌の予防にも効果があるといわれています。調理法はこの味噌「チョングッチャン」を使ってチゲ(鍋)にするのが一般的で、このチゲも名前は同じく「チョングッチャン」。日本の納豆のような独特の匂いがあり、日本語では納豆汁ともいわれている家庭料理です。このキョーレツな匂いのために、地元でも苦手な人がいるそうですが、「故郷を想わせる匂いと味」と昔から地元の人に親しまれてきた料理でもあり。また最近の韓国のウェルビーング(健康)ブームで注目され、新たにこのチョングッチャンをメニューに加える食堂も増えているんですよ~!
チョングッチャンのはじまり
チョングッチャンの歴史は今から約1300年前、昔の高句麗から満州に至るまでの地を馬に乗って移動していた頃にさかのぼります。当時、茹でた豆を馬鞍の下に入れ、必要なときに取り出して食べていたそうなんですが、その豆が馬の体温(37~40度)で自然発酵したものを「シ(豉)(大豆の麹、味噌)」といい、これがチョングッチャンのはじまりだとか。この味噌をチゲにして食べていたのかは分かりませんが、その頃からの食材が今もチョングッチャン(チゲ)として韓国で食べられているということなんです。
■チョングッチャンができるまで
今日は創業約25年のチョングッチャン専門店「晋州チョングッチャン」で作り方を教えてもらいました。こちらは田舎で作ったチョングッチャンを使い、またダシスープに干したペンデンイ(ままかり)を使うことで、チョングッチャン独特の匂いを抑え、香ばしい味に仕上がるんだそう。今回ナビも完成するまで横で見ていたんですが、材料を準備して煮ればいい、というとっても簡単な料理。ナビでも気軽にトライできそう。
★チョングッチャンの材料★
ダシスープ:昆布、ペンデンイ(ままかり)の干した物(煮干で代用も可)、干し椎茸、ニンニク、チョンニャンコチュ(辛い青唐辛子)、大根、タマネギ
具:牛肉(豚肉でも良い)を細かく切ったもの、木綿豆腐(食べやすい大きさにカット)、野菜(ズッキーニ、タマネギ、唐辛子、ネギを食べやすい大きさにカットしたもの)
薬味:ニンニク(擦ったもの)、唐辛子の粉
1. ダシスープをまず作ります。
昆布、ペンデンイ(ままかり)の干した物(煮干で代用も可)、ニンニク、チョンニャンコチュ(辛い青唐辛子)、大根、タマネギなどを入れて長時間煮て、ダシスープを作ります。出来上がったスープはこんな感じ。
2. 具を準備します。
チョングッチャン、牛肉(豚肉でも良い)を細かくカット、豆腐は大きめにカット、ズッキーニ、タマネギ、唐辛子、ネギを食べやすい大きさにカット、擦ったニンニク、唐辛子の粉を準備します。
※具の野菜や唐辛子の粉はお好みで入れてみてくださいね。またさっぱりとした味がお好みの方は、お肉を入れなくてもおいしくいただけるそうですよ。
3. 鍋に味噌、豆腐、野菜、肉などの材料とニンニク、お好みで唐辛子の粉などの薬味を入れ、1. のスープを具が隠れるぐらい入れます。
4. ぐつぐつと煮立たせたら出来上がり!
とろっとしたのが好みの方は煮る時間を長めに、また少しさらさらしたスープがお好みの方は少し短めに煮てからお召し上がりください。
■チョングッチャンの食べ方
普通のチゲとして食べてももちろん良いですが、地元の人はこのチョングッチャンをご飯に掛けて、さらに山野菜のナムルものっけて、ビビンバにして食べる人もたくさんいるそう。これはチゲとはまた違う味が楽しめますョ。
1.まず大き目の器にご飯を入れます。
2.山野菜のナムルをご飯の上にのせます。
3.チョングッチャンをご飯に掛けて、
4.スープがまんべんなく行き渡るようにご飯としっかり混ぜ合わせれば、チョングッチャンビビンバの完成~!地元の人は、お好みでコチュジャン(唐辛子味噌)を入れて食べる方も多いそうですよ。
■チョングッチャンを食べられるお店
ビョルグンシクタン
テンジャンチゲ、チョングッチャンの専門店。ここは仁寺洞(インサドン)一帯に根を下ろしているソウルのおば様方が集まる小さな店で、日本人の姿はほとんど見られない隠れた穴場。このお店のウリがチョングッチャン。ご夫婦特製、自家製のチョングッチャンを使い、納豆汁とは比較にならないくらい豆が柔らかで円やかな味がする上、においがあんまりしないのが特徴。またエゴマの実をすったものを隠し味に入れてあるので、ちょっと癖がある味がしますが、独特の風味が楽しめます。


住所:ソウル市鍾路区(チョンノグ)安国洞(アングットン)175-21
電話番号:02-736-2176
営業時間:11:00~22:00
休業日:毎週日曜、公休日
ソルリ(テンジャンの里・ソイル農園内)
ソウルから車で約1時間半で行ける緑豊かな農園、ソイル農園内の食堂。このソイル農園とは、3万5千坪という広い敷地内で自然農法で栽培された大豆、天然塩、地下岩盤水を使用して長時間熟成されたテンジャン(味噌)を作っている農園。そして、このソルリでは農園で作ったお味噌を使った料理が楽しめます。特にチョングッチャンとテンジャンチゲの定食は、チゲと一緒にパンチャン(おかず)がずらりと並び、どれも辛すぎず日本人でも抵抗なくいただける味付けでご飯が進みます。またチョングッチャンは辛さも甘さもちょうどよく、匂いも押さえ目でとっても食べやすいのが特徴。
サジップンシッ
古めかしさと独特な雰囲気に「ここ食堂なの?」と思わずつぶやきたくなっちゃう外観。ここで食べられるのはそんなムードにピッタリな家庭的なお味です。トゥッペギ(石鍋)などではなく普通の陶器の器に入れられて出てくるので、本当に友達の家で食べるようなここのチョングッチャン。直接お店で作られていて、中に入っている豆腐も手作りです。適度なとろみのついたスープと大豆はとても香ばしく、味も匂いも強すぎないので他のチョングッチャンよりも味噌汁に近い感覚で食べられる!お店に訪れるお客さんのほとんどが食べていく人気メニューで、おかずも9品ついてきて豪華ですョ。


住所:ソウル市 鍾路区(チョンノグ)弼雲洞(ピルウンドン)137−4
電話番号:02-736-0598
営業時間:11:00~20:00
チゲ愛カムドン
市庁(シチョン)エリアにあるこちらのお店は地元OLたちに人気のチゲ専門店。お昼休み時になると店内は女性同士や職場の仲間連れのグループでいっぱいになります。キムチチゲやスンドゥブチゲなど全部で5種類のチゲメニューの中でも一番人気はチョングッチャン。チョングッチャン特有の香りはマイルドだけど、お店特製のチョングッチャンを使ったスープは濃厚で本格的な味わいです。そしてなんと言ってもこちらのお店はチゲと一緒に出てくるパンチャンが充実しているのが売り!日替わりで7~8種類の手作りパンチャンがチゲと一緒に楽しめます。チゲを始めとした韓国家庭料理専門店でありながらカフェ風のカワイイ店内も女性に支持される理由のひとつかも。


住所:ソウル市 中区(チュング) 茶洞(タドン) 168番地
電話番号:02‐778-5282
営業時間:11:00~22:00
晋州チョングッチャン
晋州からスタートして、チョンウォン、汝矣島、そして現在お店のあるソウル南部は良才に移転するまで、約25年間地元の人たちに人気を集めてきたチョングッチャン専門店。今まで大手新聞社はもちろん、テレビや雑誌などでも数多く紹介され、特にビジネス街の汝矣島ではランチタイムに店内の300席がすべて埋まるという超人気店だったとか。こちらは田舎で作った国産大豆仕様のチョングッチャンを使用したチョングッチャンが味わえます。味の特徴はチョングッチャン独特の匂いが少なく、香ばしくて懐かしい味。普通のチゲもありますが、特に人気は定食。チョングッチャンのほかに山野菜のナムル、ポッサム、焼き魚、キムチチゲなどテーブルいっぱいにお皿が並び、ヘルシーでお値段もお手ごろ。

住所:ソソウル市 瑞草区(ソチョグ)瑞草2洞(ソチョイードン)ウォンヒョビル地下1階
電話番号:02-525-6919
営業時間:11:30~22:00(ラストオーダー21:30)
休業日:秋夕、旧正月各日
コチュジャン(唐辛子味噌)、テンジャン(味噌)、サムジャン(包み味噌)など、韓国のお馴染みの味噌はスーパーに行くとパック入り、缶入り、プラスチックの容器入りなどたくさん並んでいますが、このチョングッチャンはビニールで包まれたタイプがほとんど。ナビもいつもこれってなんのお味噌?!と思っていたんですが、まさにこれが納豆臭の?!チョングッチャンだったんですね。中には容器入りのものもありますが、ほかのお味噌に比べるとその数はずいぶん少なめ。日本に持って帰るときには、容器入りのチョングッチャンを買って、自宅で試してみてくださいね。以上、ソウルナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-10-01

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