ベスト・フード「マンドゥ」

蒸したり揚げたり鍋にしたりでおいしさいろいろ!庶民に人気の間食、韓国式餃子「マンドゥ」!


こんにちは!ソウルナビです。今日、皆さんにご紹介する食べ物は「マンドゥ」!漢字で書くと「饅頭」。でも日本で言う「饅頭(まんじゅう)」を想像してはいけませ~ん!韓国で言う「マンドゥ」とは、日本で言うギョーザのようなもの。気軽に食べられる間食として庶民に親しまれている食べ物です。小麦粉やソバ粉を練った皮に、肉や豆腐、キムチや野菜などを入れたマンドゥ。焼いたものがポピュラーな日本のギョーザに対し、韓国のマンドゥは料理方法がいろいろ!蒸したものや焼いたもの、汁に入れて食べるもの・・・と、作り方がいくつかに分けられ、さらにあん(餡)に使われる主な材料が違っていたりでいろんなタイプがあるんです。味わう楽しみがたくさんありそうな料理でしょ!? さっそく、ご紹介しましょう!

★マンドゥの始まりって!?


中国から伝わってきたとされるマンドゥ。その始まりは三国時代、蜀漢(221~263)にさかのぼります。当時の政治家であった諸葛亮(孔明)が南蛮を征伐して国に戻ってくる際、ひどい波風に遭い、人の頭を49個水の神に捧げなければならなくなったそう。人を殺すことはできないとして、諸葛亮が小麦粉で人の頭の形を作って捧げたところ波風が収まったという話があり、それがマンドゥの始まり。韓国では朝鮮英祖(1694~1776)の時にマンドゥに関連した文書が発見されていて、朝鮮時代中期以前に中国から入ってきた食べ物と言われています。以前は今のような常用食ではなく、冬や年頭に食べる季節料理だったんですョ。

■どこで食べられるの!?

マンドゥを食べられるのは餃子専門店やプンシッ(粉食)店、屋台、キンパッ屋、中華料理屋などなど。街を歩けばたいてい見つけられるほどポピュラーな存在です。

■調理方法は?

マンドゥには調理方法によっていろいろな種類があるのが特徴!チンマンドゥ(蒸し餃子)、クンマンドゥ(焼き餃子)、ムルマンドゥ(水餃子)などに分類することができます。

<チンマンドゥ(蒸し餃子)>
一般的に「マンドゥ」と言ったときにイメージされるのがこのタイプ。円形の器の上にのせ、布で包んで蒸してつくります。最もポピュラー!
<クンマンドゥ(焼き餃子)>
「焼き餃子」とされるこの「クンマンドゥ」ですが、いわゆる揚げ餃子タイプ。こんがり茶色になったカリカリの衣に具材が包まれています。
<ムルマンドゥ(水餃子)>
マンドゥをお湯で茹でることによって作るもの。皮が厚めでモッチリしたものもあれば、透き通るように薄いタイプもあり。
・・・他、どんな食べ方が!?
・マンドゥグッ

サゴル(牛の足の骨)などを煮ることによって出したスープにマンドゥを入れた、マンドゥ(餃子)入りスープ。
・マンドゥチョンゴル

ニンジン、タマネギ、キノコ、肉などを入れた鍋にマンドゥを入れ、牛肉でダシをとったスープで煮込んだマンドゥの鍋料理。
・蒸し肉まんタイプ

蒸すことで作るチンマンドゥのタイプでも、日本で言う肉まんに似たスタイルのものがこれ。ふかふかした食感が楽しめ、おなかにもしっかりたまります!
・トッピングとしても!
料理をより華やかに、そしてさらにおいしくするトッピングとしてもマンドゥは大活躍!代表的なのはトッポッキに入れるクンンマンドゥ(焼き餃子)や、各種鍋に追加するもの。ナクチプルコギのような料理を食べるとき、マンドゥを入れてソースとのマッチングを楽しみながらシメにすることもできます。

■中のあん(餡)は!?



マンドゥの中に入れられる具材は肉と野菜がメイン。肉も豚肉だけを入れるものもあれば、牛肉だけのもの、その両方が入ったものなどがあります。また野菜もニラやホバッ、ニンニクといったものの他、春雨のような細い麺を入れるスタイルも。さらにキムチをたくさん入れることによって赤く色づいた「キムチマンドゥ」だってあるんですョ。マンドゥの中身は味を大~きく左右するポイントで、80%ほどはこの中身によって味が決まるとか!だからこそ材料の比率や味付けなどは、お店にとって企業秘密となる大事な部分なんです!
普通のマンドゥ

普通のマンドゥ

キムチマンドゥ

キムチマンドゥ

■マンドゥを作ってみよう!

それでは実際にマンドゥを作ってみましょう!今回ご紹介するのは一般的なチンマンドゥ(蒸し餃子)の作り方。中身の具(あん)作りから皮作り、そしてそれを詰める作業までを順にナビと一緒にチェックしてみましょう。レッツクッキ~ング!
<1.マンドゥの中身(あん)作り>

材料
豚肉を切ってすりつぶしたもの300g、豆腐1丁、キムチ1kg、スッチュナムル(モヤシ)300g、タンミョン(じゃがいものでん粉で作った乾麺)、ニンニク、ネギ、ショウガ、コショウ、塩

1)シンキムチ(ちょっと酸っぱくなったキムチ)を切り、水気をしっかり切ります。(しっかり水気を切って使うのがポイント!)
2)スッチュナムル(モヤシ)は、沸騰したお湯にさっと通し、ザルにのせておきます。
3)豆腐は麻布に包んで水気を切ります。
4)タンミョンを沸騰したお湯にさっとつけます。
5)豚肉は小さく切って、ショウガ、ニンニク、コショウを入れ、軽く炒めます。
6)最後に、用意しておいた材料をひとつにし、塩で味付けしてしっかり混ぜ合わせると、マンドゥの具が完成!
<2.マンドゥの皮作り>

材料と用意する物

小麦粉、水、小麦粉を練るボウル、めん棒、包丁
1)小麦粉に水を少しずつ入れながら、生地を練っていきます。生地は適当なやわらかさになるまで練ります。(※ 生地の練り方は「韓国料理教室(5)スジェビ編」を参照してください!)
2)生地は腕ひとつ分ぐらいの柱型に形を整えたあと、包丁で分量ごとに切っておきます。
3)切ったものをめん棒で伸ばし、手で平たくしながら円模様を作っていきます。(めん棒があっても手のひらでのばす方がよりおいしくなるとか!)
4)めん棒で薄く丸くマンドゥの皮を作ります。(皮は薄く!薄~く!)

<3.皮にあんを包む作業>
1)皮を手のひらにのせます。
2)スプーンやお箸でマンドゥの具を適量とり、皮の中央にのせます。(具はたくさん入るとおいしいですが、あまりにもたくさん入れすぎると後で破裂しちゃう恐れが・・・!)
3)皮が破れないように気をつけながら半分に折りたたみ、縁をくっつけていきます。
4)縁の片方から少しずつ少しずつくっつけていきましょう。
5)きれいな形になるように、両手で軽く形を整えます。
6)お皿にのせる時にマンドゥが下にくっつかないよう、小麦粉を軽くつけておきます。

<4.マンドゥを蒸す>
蒸し器でマンドゥを蒸したらマンドゥ作りは終了!こ~んな感じに出来上がりますョ。たくさん作って冷凍保存し、食べたくなった時に焼いたりスープに入れたりして調理しましょう^^。みなさん初めてのマンドゥ作り、お味はいかがでしたか!?

■ナビでご紹介しているマンドゥ専門店&有名店をピックアップ!
◇グン
開城(ケソン)式マンドゥの専門店で、「仁寺洞でマンドゥのおいしいお店」として有名なのがこちら!ここのマンドゥの生みの親は名物おばあさんイム・ミョンスクさんで、おばあさんが直接作ってくれます。マンドゥの中には豚肉・豆腐・キムチ・ニラをはじめとする野菜数種類などがいろいろ。豆腐やキムチも入ってるんですョ。お店の一番人気はマンドゥクッで、ヤンジコギ(牛の胸肉)を煮込んで作り出した白いスープにマンドゥとご自慢の雪だるま型のトッ(餅)が中に。意外とあっさりなスープとマンドゥの相性はピッタリで、寒い冬にも最高のメニュー!マンドゥの味をじっくり楽しめるチンマンドゥ(蒸し餃子)や特製チョンゴル(鍋)もぜひ食べたいところ!
◇ウリチッマンドゥ
江南駅(カンナムヨッ)の繁華街の中にあり、テレビなどのメディアで何度も紹介されているマンドゥの有名店がここ。マンドゥクッやキムチマンドゥ、焼いたキムチマンドゥやマンドゥチョンゴルなどいろんな種類のマンドゥ料理が食べられます。人気のマンドゥクッはダシの効いた優しいお味のスープが美味だし、キムチクンマンドゥ(焼いたもの)はキムチ味の具と皮のパリパリ感が絶妙!夏限定で出されるネンマンドゥクッ(冷たいマンドゥクッ)も一度食べてみたい珍しいマンドゥ料理です。
◇明洞餃子
地元の人で知らない人はいないと言っていいほど人気の「明洞餃子(ミョンドンキョジャ)」。カルグクス(うどん)が有名なお店ですが、それに負けないくらい存在感をだしているのがここの蒸しマンドゥ!丸い蒸篭に蒸したての餃子が10個、一口サイズで出てきます。薄めの透き通った皮の奥には豚肉にニラなどがたっぷり入り、ゴマ油の香りが!見た目は小さいので軽く食べられそうな感じがしますが、カルグクスと一緒に食べるからかな!?見た目よりも結構な食べ応えですョ。

マンドゥって時々ムショ~に食べたくなる料理。今もナビのおなかが!脳が!舌が!マンドゥを欲している~!皮の厚さやモッチリ感、そしてマンドゥの中身となる具の味など、お店によってかなり違ってくるのがマンドゥ料理の特徴。大味なんじゃ?と思う方も多いかもしれませんが、キラリと光るおいしさが濃縮されたマンドゥ、けっこう多いんです!各お店に特徴があるのでそれを感じながら食べると楽しいですョ。あなどれないおいしさのあるマンドゥ料理、みなさんもぜひ食べ比べながら楽しんでくださいね!以上、ソウルナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-11-01

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