その名も「鶏一羽」、タッ(鶏)を丸ごといただく!シンプルだけれど奥深い、豪快あったか鍋料理!
こんにちは!ソウルナビです。辛~いチゲやチョンゴルなど、韓国らしい真っ赤なスープのアツアツ鍋料理が韓国にはいろいろありますが、そんな韓国料理の中でも辛くなくて身体にも良いと言われる鍋と言えば「タッカンマリ」!日本の鶏の水炊きに少し似ているタッカンマリは、鶏が一匹丸ごと入った、基本的には辛くない優しい味わいのスープが特徴。今日は、これからの季節にもぴったりな、タッカンマリについてちょっと詳しく見てみましょう!
タッカンマリって!?「タッ」とは「鶏」、「ハンマリ」は「一匹、一羽」という意味で、そのまま日本語に直訳すると、「鶏一羽」!その名のとおり、鶏まるまる一羽をお鍋でグツグツ煮るちょっぴり豪快な鍋料理です。(※韓国語では「タッカンマリ」に近い発音になりなす。)淡白な鶏をまるごと一羽使うので、栄養たっぷりで食べやすく、「補身(ポシン)」といって身体にも良く精力のつく料理としても知られているタッカンマリ。鶏の他に、お鍋に入れられる具はネギ、ジャガイモ、トッ(韓国餅)などが代表的。スープは鶏のダシが効いた辛くないタイプが一般的で、見た目は日本の鶏の水炊きに煮ているとも言われますが、多くの場合、大量のニンニクも入っているので食べてみるとやはり韓国の味!お店によってはタデギ(辛い薬味)で味付けした少しピリ辛のスープになっているところや、人参やナツメなどの漢方を加えたヘルシーなスープのものも。
タッカンマリを楽しむ!食べる直前には、醤油やマスタード、それぞれのお店特製の薬味入りコチュジャン(唐辛子味噌)を混ぜ混ぜしたものにつけていただきます。この付けダレには鶏とよく合うニラをトッピングすることも。そして、お鍋の具をいただいた後のシメにはカルグクス(韓国式ウドン)!鶏のダシがよ~く出たスープでつくるカルグクスはやっぱりハズせませんよネ^^。タッカンマリを食べに行く時、「タッカルグクス(鶏スープの韓国式ウドン)を食べに行こう」という人もいるとか。ナビは、「コレが楽しみで、頑張って最初のお鍋を食べるのよ!」という話を韓国人の友人から聞いたこともあるくらい。そして、さらにっ!カルグクスの後に残ったスープでポックンパッ(焼き飯)を作ることも。最後の最後まで余すことなく鶏スープを堪能する、これはちょっと通な食べ方かも!?
<東大門タッカンマリ通り>ソウルでタッカンマリというと有名なのは「東大門タッカンマリ通り」!ディープな雰囲気が漂う、細く入り組んだ路地にタッカンマリと看板を掲げたお店が所狭しと軒を連ねています。10軒ほどあるこれらのお店はほとんどがメニューはタッカンマリだけという専門店。そして、ほぼどのお店の看板にも「元祖(ウォンジョ)」という文字が見られるのが面白いところ。(韓国の「○○通り」というと、よくあることですが・・・^^;)また、この通りに集まるお店は、タッカンマリのお値段が比較的安いというのも特徴の一つです。古いところでは25年くらい前からこの辺りにお店ができ始め、現在ではタッカンマリを食べるならココ!というくらいの知名度になっているみたい。
◆◇◆お店によって、どう違う!?比べてみよう、タッカンマリ!◆◇◆
基本的に鶏を一羽丸ごと使った鍋料理のタッカンマリ。しかし、スープや中に入っている具、つけていただくタレなどはお店によって様々。また、一匹の鶏がとんな形でお鍋に入っているのかも違っていたりするんですよね~。そこで、ナビで紹介しているお店(※近日紹介予定のお店も含む)のタッカンマリを、一挙大比較!してみましょう~!タッカンマリが美味しくいただけるお店も、ついでチェック!
(※紹介済みのお店は、それぞれお店の名前をクリックすると、詳しい情報が見られますョ!)
■チンオクヘタッカンマリ東大門(トンデムン)のタッカンマリ通りに数ある専門店の中でも、特に人気&知名度の高いお店がこちらの「チンオクヘタッカンマリ」。この通りにあるお店の中では比較的広い店内にもかかわらず、お昼時や夕方のご飯タイムになるとテーブルはお客さんでいっぱいに。庶民派のお店の雰囲気にぴったりな、年季の入った大きなアルミの鍋の中にそのままの形の鶏が一羽入れられてテーブルに運ばれてくる様子は、見た目にもまさに「タッカンマリ(鶏一羽)!」という感じ!テーブルで鍋に火をかけながら、ハサミで鶏を切っていきます。あっさりと優しい風味の透き通ったスープは、鶏から染み出たダシが効いていて何とも奥深い味わい。お酢と醤油、辛子とお店特製のタデギ(薬味入り唐辛子味噌)を混ぜたものにつけていただきます。
■チンウォンジョポシンタッ東大門タッカンマリ通りから、もう一軒おススメなのが「チンウォンジョポシンタッ」。地元では、ココが一番ウマい!という意見も。お店の名前にある「ポシン」というのは漢字で書くと「補身」となり、滋養があり体力を増加させる、つまり「身体に良い」という意味。そして、その秘密はスープにあり!五種類の漢方で茹でられた鶏と、そのスープを使ったタッカンマリなんです。また、お鍋の主役とも言える鶏は、生後35日の若鶏のみ、1日に2回お店に配達される新鮮なものだけを使用。スープ、素材共にこだわって作られるというところが、美味しさと人気の秘訣なのかも。あっさりだけれど新鮮な材料で作られた絶品スープで煮た鶏やジャガイモは、お酢と醤油、辛子にタデギを混ぜ合わせたつけダレで召し上がれ~!
■ペップチャンチッオフィスビルが建ち並ぶ鍾路(チョンノ)の地下鉄1号線チョンガッ(鍾閣)駅近くにあることからも、ビジネスマンたちの間や地元で美味しいとウワサのお店がこちら。ランチタイムにはオフィス街のサラリーマンたちで席が埋め尽くされるほどの人気とか。澄んだスープにジャガイモやネギ、トッ(韓国餅)といった具、そして醤油+酢+辛子+タデギ(薬味入り唐辛子味噌)を混ぜ合わせるつけダレは東大門タッカンマリ通りのお店で多く見られるスタイルだけれど、お手頃なお値段と数種類の材料で作られた企業秘密のスープが人気の秘密みたい!
■テソンタッカンマリこちら「テソンタッカンマリ」も地元で人気のお店。タッカンマリ10,000ウォン(※2008年11月現在)という安さと、庶民的な雰囲気、そして他では余り見られないタデギ(薬味入り唐辛子味噌)の入った、ちょっぴりピリ辛のスープがこちらのお店の特徴!つけダレは、ニンニクや酢、生姜などを混ぜて2時間ほどかけて作った、お店であらかじめ配合してあるもの。これに、さらにニラを加えたタレと一緒に、鶏やお鍋にたくさん入ったトッ(韓国餅)、ジャガイモなどの具をいただきます。創業20年になるこちらのお店、人気の秘密は何と言ってもその安さと、10種類の野菜と鶏を何時間もかけて煮込んで作ったスープにあるよう。
■クンソンタッカンマリソウルの南東部、蚕室(チャムシル)のすぐお隣に位置する新川(シンチョン)のモクチャコルモク(食い倒れ通り)。いろんな飲食店が集まるこの通りで、タッカンマリが人気のお店といえばこちらの「クンソンタッカンマリ」。タッカンマリを注文すると、鶏一羽分のお肉に加えてトッ(韓国餅)とジャガイモがたくさん入ったお鍋がテーブルに運ばれてきます。そう、こちらのお店の特徴といえば、まず量が多い!ということ。さらに白濁した、その作り方は企業秘密というスープが地元で人気の秘密のよう。パンチャン(おかず)や鍋の材料も国産のものにこだわっているそう。美味しくてボリューム満点、タッカンマリをソウル南部エリアで食べたくなったら「クンソンタッカンマリ」がおすすめ!
■ムドゥンサンタッカンマリ ソウル東部の学生街、建大入口(コンデイック)で有名なタッカンマリのお店といえば「ムドゥンサンタッカンマリ」。伝統家屋を感じさせる雰囲気の良い二階建ての広い店内は、食事時になるとお客さんで埋まってしまう、こちらも地元で人気のお店。柔らかい鶏と漢方も入った奥深い味わいのスープでいただくタッカンマリも美味しいけれど、お鍋を食べた後に残ったスープで作るシメのカルグクスは絶品!醤油、辛子、タデギ(薬味入り合わせコチュジャン)を混ぜたつけダレにたっぷりのニラを加えて、鶏、スープ、カルグクスを堪能してくださいネ!
鶏まるごと一羽を使って鍋にしたタッカンマリは、スタミナのつく体に良い食べ物ということで暑い季節の「伏日(ポンナル)」にいただくこともあるそう。でも、体の芯から温まるあったかいこの鍋料理は寒い季節にもぴったり!また、韓国の食べ物というと、赤くてスパイシー!というイメージが強いと思いますが、辛くなく、淡泊で体にも優しい鶏を使ったタッカンマリは、刺激のあるものが苦手な方にもおすすめできますョ。日本の水炊きとはやはりちょっと違った韓国らしい味わいのタッカンマリで、温まってみてはいかがでしょうか?以上、ソウルナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-11-03