七夕の夜に雨が降ると、「キョヌ(牽牛)」と「ジッニョ(織女)」が出会える!
こんにちは。ソウルナビです。日本の七夕のように、実は韓国にも七夕(チルソッ、陰暦7月7日)があります。この日は東の空にあるキョヌビョル(牽牛星、Altair)とジッニョビョル(織女星、Wega)がオジャッキョ(烏鵲橋、数万羽のカラス、かささぎが連なって作った橋)で1年に1度だけ会える、という美しい伝説のある日。中国では古くからある風習で、韓国、日本はもちろん、アジア一帯でも広く伝えられています。しかし、その意味と説話、風習は少しずつ違うそうです。
例えば日本ではその日、雨が少しでも降ると織姫(織女)と彦星(牽牛)は会う事ができなくなるので、雨が降りませんように!って願いますが、韓国ではその日、牽牛と織女が1年ぶりに会ってうれし涙を流すため、絶対に雨が降ると信じられてます。その日の晩に雨が降れば、それは牽牛と織女が流すうれし涙、2日間、夜に雨が続けば別れを惜しむ涙だと言われています。なんてロマンチック!!ちなみに、陰暦7月7日にあたる日の天気を見ると曇りのち雨だって。韓国では牽牛と織女が会えそうです!!おめでとおお!!
ロマンチックなこの日、どんな特別なイベントがあるのかな?
この悲しい出会い(?)を記念してか、韓国のご先祖は通常、想いびとに愛の贈り物を贈り合ったそうな。その贈り物って・・?永遠に変わらない愛を約束するために銀杏(いちょう)の木の種を贈り合ったそうな。今では忘れられてしまった風習です。でも現在、バレンタインデーの代わりに、七夕の日の美しい伝説を受け継いでいこうという運動があるそう。ちなみに台湾では七夕は「情人節」といい、恋人たちの日。近いうちに七夕の日が韓国でも若者らの愛の告白の日になるかも・・・
七夕の代表的な風習は?
七夕の日、韓国では伝統的に各家庭でミルジョンビョン(小麦粉で作ったせんべい)とヘックァイル(季節の果物)を供え、女性らはチャントッテ(醤油がめやみそがめを置く高台)の上に水(井戸水)を供え、家族の長寿と家庭の平安を祈願しました。また少女らは牽牛星と織女星を見上げながら、針仕事が上手くなるよう願いました。チャントッテの上に水(井戸水)を供えたあと、灰を平らに盆にのせ、翌日そこに何か通り過ぎた跡があれば、霊感があって針仕事が上手くなる、と信じられています。一方、少年らも学問に秀でるため、夜空に星を描いて祈ります。
また、梅雨が過ぎたあとの湿気で衣類や本に虫がついたり変質することを防ぐため、七夕の日の強い夏の日差しにあて、家ごとに井戸水を汲み取ってきれいにしたあと、蒸し餅を作り、井戸の上に置いたりして七夕の日を過ごていしました。
七夕に食べる特別な料理って?
七夕の日の料理にはミルグクス(小麦粉で作った麺、うどん)とミルジョンビョン(小麦粉で作ったせんべい)があります。この日をさかいに冷たい風が吹き始めると小麦粉料理の季節は終わり。この日が最後にいただく小麦粉料理となります。また、鯉を材料としたインオフェ(鯉のさしみ)、インオグイ(鯉の焼き魚)、そしてオイキムチ(きゅうりのキムチ)などを食べ、桃やスイカで作ったクァイルファチェ(いろんな果物を入れて混ぜた飲み物)をいただきます。
以上、韓国の七夕でしたが、いかがでしたか?旅先の文化を知ることも面白いですよね。いろんな違う面があってお互いに比較できたりして。以上、今年こそは牽牛と織女が出会えるようにと祈るソウルナビでした。
★七夕にはこんなイベントもありました★
「恋人たちのためのマウムロ・クリン・ハヌルムニ(心の空)」@国立国楽院
キョヌ(牽牛)とジッニョ(織女)が1年に1度会えるという七夕にあわせ、恋人たちのために行われる公演。3幕のプログラムに分かれ、キョヌとジッニョの出会いと離別のお話がテーマ。カップルのためにノッチャチョコレッ(緑茶チョコレート)のプレゼント、カップルチャッジャン(ペアカップ)、チョントンハンジ(伝統韓紙)の展示、伝統酒を作るサランスルナヌギ(愛の杯交わし)などのイベントも。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2001-08-24