毎月15日は民防衛の日!
こんにちは、ソウルナビです。みなさん、もしかしてソウルの街中を歩いていて、午後2時頃におっきなサイレンを聞いたことはありませんか?それか、写真に写っている旗を見たことは・・・?ないですって?このサイレンと旗、実は「民防衛(ミンバンウィ)の日」にしかあらわれないもの。民防衛の日は毎月15日に行われます。
民防衛隊員のおじさん
ところで、さっきから民防衛民防衛って言ってるけれど、民防衛(ミンバンウィ)って何?それは、「敵の軍事的侵略または天災事変による人命及び財産被害を最小限に抑えるため、民間人によって実施される非軍事的防衛行為」のこと(ああ、むずかしい!)。簡単に言うと軍事避難訓練のことですね。
この任務を遂行する民防衛隊員は軍人あるいは補助役として26ヶ月の兵役義務をつとめ、除隊後の次の年から8年間(1年目は年1回4時間、2~4年目は年1回3泊4日または年3回50時間、5~7年目は年3回20時間、8年目は教育免除)の予備軍としての教育を受けた人たちで構成されています。隊員編成後、1~4年目の隊員はさらに年2回8時間の教育を受け、5年目から45歳までの隊員は年1回1時間の非常召集訓練に参加します。民防衛の教育は満20歳から45歳まで。韓国ではこのように45歳になってようやく兵役義務から解放されるのです。ふぅ~。(--;)やっぱり、分断国家ですから・・・。
次の機会に韓国の兵役義務についくわしくご紹介しますね。(^^)
さて、「民防衛の日」。この日は教育を受けた隊員たちが実際に民防衛の練習をする日。この日、午後2時になるとソウルだけではなく韓国全国で警戒警報のサイレンとともに車両が統制され、人は待避所(テピソ)に退避しなければなりません。敵の攻撃を報せる警報サイレン(午後2時)が鳴り、1分間平坦音(エ~~~~ン)が鳴り響きます。車両はすべてストップ、人も大通りを歩いてはいけません!(※写真は民防衛の隊員さんと警察官が任務を行っているところです)
その後、敵の攻撃が開始したり空襲中であることを報せる空襲警報のサイレン(午後2時5分)が3分間、波状音(エ~ンエ~ンエ~ン)で鳴り響きます。そしてソウル上空には戦闘機の通り過ぎる音が!!(--;) また、化学兵器を使用する戦争に備えた警報は、ラジオ、テレビなどを通して警報放送が流されます。 でも現実には、以前に比べてこの民防衛訓練をしっかり行われなくなっています。しかし先日9月11日、アメリカで起こったテロ事件を機に再び体制が強化されました。テロ鎮圧訓練や化学兵器戦争訓練などなど・・・民防衛の日の訓練は、約20分程度で終了。全国民の日常生活復帰を知らせる解除警報のあと、無事訓練は終了。日本では決して味わえない貴重な20分間の体験。朝鮮半島の現在の状況を垣間見る瞬間ともいえるでしょう。
それではここで皆さんにひとつクイズです~!もし、この時タクシーに乗っていたら、さてなるんでしょうか?降りないといけない・・・?いいえいいえ!答えは、タクシーの運転手さんがメーターを止めてくれるので、そのままタクシーに乗って訓練が終わるのを待っていればOK。メーターが動いていないかどうかは一度確認してくださいね。(^^) 以上で韓国の「民防衛の日」についてお届けしましたが、日本では決~して体験することのない民防衛。これから15日に韓国に来る方、午後2時に鳴り響くサイレンが何を意味するのか、もうおわかりですね!偶然にもこのサイレンの音を聞いたら、皆さんも足を止めてぜひぜひ訓練に参加しましょう!(^^)それでは、ただ今民防衛訓練中のソウルナビからでした。
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記事登録日:2001-12-12