あとのタッカルビで元気快復!
韓国の文豪にピ・チョンドクという方がいらっしゃるのですが、この方の代表作に「イニョン(因縁)」という随筆があります。韓国の国語の教科書にも載っているのですが、朝子という名の日本人女性に淡い恋心を抱いたという内容で、全体が絵のように美しく、私も初めて韓国語を習ったとき一生懸命暗記したものでした。さてその「因縁」ですが、「この前の4月にチュンチョン(春川)に行こうとしたのだが、行けなかった。。。」で始まります。チュンチョンってどんなところかしら?と、気になるのは当然のこと。でもなかなか行く機会がなかったんですが、ずっと憂鬱気味だったみぽりんは先日ついに行って来ました。
チュンチョンと言ったら以前ヨーコちゃんが紹介してましたよね。ソヤンガン(昭陽江)とソヤンガンダムに行ってみてくださいね~なんて書いてあったので、私はそちらのほうに集中的に行くことにしました。
*チュンチョン駅からソヤンガンダムへは電車の到着時間に合わせてバスが運行しています。市内で中途下車も可能です。
*所要時間30分。片道1100ウォン
*チュンチョン駅案内 : 033−255−6550
タッカルビを食べに行くチュンチョン(春川)の旅(前編)*2参照
私達は車で行ったので、ソヤンガンダムの真下にある大きな市営駐車場に車を停め、そこからは無料のシャトルバスでダムの上まで登りました。ダムの下はもちろんソヤンガンです。韓国には「日が沈む~♪~ソヤンガンで~~♪」で始まる、「ソヤンガン処女」という有名なトロット(演歌)もあったりして、何かと話題になる名所なんです。
あいにくこの日は雨模様だったので、空も水も泥色ですが、お天気が良かったら眺めは素晴らしいと思います。さてこの雨ですが、数日後に韓国全土を飲む込む大変な集中豪雨+台風と変わるのですが、そのときはそんなこととは露ほども知りまでした。でも断続的に降りまくる雨にちょっとヤバイんじゃないかな~なんて思ったりもしましたが、ここまで来てソウルに帰るわけにも行かなかったので観光を続行しました。
シャトルバスに乗って10分ほどでダムの上に着きました。そこから一本道を10分ほど歩いた所にフェリー乗り場があります。フェリーには二種類あって、往復1時間1万ウォンコースと、往復20分6千ウォンコースです。どっちにしようかなーーと迷っていたところ、1時間コースのおじさんが、「子供はただにしてあげるからこっちに乗らない?」と誘ってきたのです。1時間もフェリーに乗れて、子供はただならそっちのいいじゃないとすぐに決めてしまったのですが、これは失敗だったと後で判明したのですが、そのときは儲かったーーと大喜びでした。
<コンギブヤンケチョクソン(空気浮揚快速船) ← フェリーのことです>
*ダム⇔ヤング(ダムを横断する)
片道30分コース(往復1時間)、5000ウォン(往復1万ウォン)
*子供半額 8:30~5:30(1時間間隔)
*ダム⇔チョンピョン(紅葉の名所チョンピョン寺の麓まで行く)
片道10分(往復20分)、3000ウォン(往復6000ウォン)*子供半額
9:30~6:00(30分間隔)
チョンピョンではチョンピョン寺を見学できます。
登山路往復1時間コース。入場料1000ウォン
*クレジットカード : 不可
*日本語 : 不可
*ソヤンホ管理事務所 : 033−241−9251
フェリー発着所 : 033−241−4833
*フェリーの運行時間は季節により多少変更します。冬季は湖が凍結するので運行不可。
フェリーは定員50名の小さなもので、観光客も少なく、閑散としていていました。私は漠然とソウルのハンガン遊覧船を連想していたのですが、これはかなり違いました。大風が吹いて横波がドッカーーンと来たら、ひとたまりもありませんよ。それで視線は自然と救命チョッキの方に。。。救命チョッキは椅子の下にあると書いてあったのですが、埃と油にまみれた汚れたチョッキが、押し込まれていました。大丈夫かしら??でももう乗ってしまったのですすから、仕方がありませんよね。目をつぶって耐えていましたが、だんだん気分が悪くなってきました。やっぱり船が小さいので、振動が直に伝わってきてしまうんです。げろげろ。
外の素晴らしい風景を期待していたのですが、単調でつまらなかったです。でも考えてみたら、ダムですから、変化があるわけがないのです。同じ山。同じ木を見ているうちに、すっかり飽きてしまいました。これを往復1時間も乗らなきゃならないなんて。。。大失敗でした。往復20分コースは、下船してから、近くのお寺まで往復できるようにスケジュールも組まれているのですが、往復1時間コースは、休み時間5分ですぐ帰ってこなくちゃならないし、到着地には船着場があるだけで、売店も何にもないのです。ブルブル。。。。ガガガタガタ。。。フェリーの振動とがんがん流れるバックグラウンドミュージックのトロットで気分は落ちる一方でした。
私達が乗ったフェリー快竜丸です。パパの後ろからにょきっと飛び出す竜の頭がいかにもちゃちです。こういうデザインをした人って私は許せません。
フェリーから降りてシャトルバスの停留所に向かう道の両側には、焼きトウモロコシやおでん、トッポッキ、うどんなどを売る屋台が沢山出ていました。ちょうどお腹も空いてきたので、焼きトウモロコシ3本2000ウォンを買たのですが、これが結構美味しかったです。しこしこした歯ごたえのトウモロコシを一回茹でてから、醤油味で焼いたものですが、お醤油の匂いにが香ばしくて堪りませんでした。
幸い春川(チュンチョン)に友人がいて、市内で夕食のタッカルビをご馳走してくれました。私はソウルで何度もこれを食べたことがあったのですが、春川のタックカルビってすごく美味しいですね。驚きました。これは隠し味にカレー粉を使っているようですよ。私はお肉はあんまり好きではないんですが、ここの鶏肉は柔らかい上に変な匂いがなく、辛目のソースも独特で、大満足で食べまくってしまいました。友人がソウルのタッカルビとは一味違うと強調していたのもうなずけます。それから何よりも量が素晴らしかったです。大人3人。子供2人で3人前を注文したのですが、食べ切れませんでした。もちろんオプションメニューのポックンパブ(いためご飯)もしっかり食べてきました。コーラ、サイダー、コーヒーは無料サービスでした。このタッカルビがなかったら今回の春川ツアーは完全なブルーツアーで終わってしまったでしょう。真っ赤なお料理を見たとたんに元気付いてしまった私は、やっぱり食べ物の威力は強力だと実感したのでした。
ミョンドンテウォンタッカルビ
*住所 : 江原道春川市ソクサ洞735-12
*電話 : 033−261−8945、011−370−8091
*営業時間 : 11:00~24:00
*休日 : 年中無休
*クレジットカード : 各種可
*日本語 : 不可
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メニュー
タックカルビ一人前 : 8000ウォン
混ぜご飯一人前 : 1500ウォン
食後にコーヒーでも飲もうかと斜め向かいにあった喫茶店兼バーに入ったんですが、ソウルに見劣らない素敵な店内に目を見張ってしまいました。それにチュンチョンの人って親切ですね。何も言わなかったのに、子供達のアイスクリームを二人に分けて盛ってくれました。こういうサービスってソウルではあんまり見えられないものですよ。やっぱり地方都市って何処か心に余裕がありますね!
ソヤンガンって神秘的な川で、川面に湯気のような、霧のようなものがしょっちゅう掛かるそうです。ちょうど私が行った日もソヤンガンの上にはもうもうと霧が掛かっていて、とっても不思議な感じがしました。(#写真に撮れなくてごめんなさいね)文豪ピ先生は、「今度の週末にチュンチョンに行こうと思う。ソヤンガンの秋の風景が美しいことだろう。」と随筆「因縁」を結んでいますから、10月から11月にかけては素晴らしい秋の紅葉がフェリーから楽しめるかもしれません。がたがたゴトゴト快竜丸にすっかり嫌気がさしてしまった私ですが、秋のソヤンガンというのは一味違うのかも知れません。春川(チュンチョン)に住む友人もまた遊びにおいでよ!と言ってくれたので、昔のようなアップした気分のみぽりんに変身するためにも、そのうちまた行ってきますね!!@#$
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記事登録日:2002-10-02