韓国最西端の島へ、後編!
(前編の話はこちら)
翌日。前夜の大雨で、これはもう絶対にソウルに帰れないと腹をくくったのですが、不思議と天気が回復し、予定通り7時40分に「ベンミョンアイアランド号」が仁川港を出港したとの連絡が入りました。
○「沈清閣(シムチョンガッ)」
第2日目の最初の観光地はここ。白翎島(ペンニョンド)のメインである伝説「沈清(シムチョン)伝」の記念館。韓国には盲目の父親の目が見えるようにと、沈清(シムチョン)という美しい娘が海に身を投げたという伝説がありますが、この白翎島はまさにその舞台だといわれている島なんです。
この記念館は1階には「沈清伝」に関する人形、刊行物、ポスターなどが展示されていて、2階は室内展望台になっています。小さいながらもキレイに整理整頓されていて、見やすかったです。
とうとう見た!これが北朝鮮よ
「沈清閣」の前庭からとうとう北朝鮮を見ちゃいました。お天気が良かったら住民や車も見えるそうですが、この日も雨模様だったので形だけおぼろげに見えました。それはそうとこんなに近いんですから北朝鮮から船に乗ったり泳いだりして逃げてくる人が多いのではと思い、管理人さんに質問してみました。すると今は南北関係が複雑なので、逃げてきた人は北朝鮮に送還してしまうんだそうです。ええーだって返したら、強制収容所送りなんじゃないの?かわいそう過ぎる。
○コントル(大豆石)海水浴場
ここは素晴らしい海水浴場で、夏になると多くの海水浴客でにぎわいます。小さめの石が一面に広がっているので足の裏を適度に指圧してくれて非常に快感です。
○天然記念物「コントル」
「コントル」とは「大豆の石」という意味で、見た目も形もまさに大豆そのものでした。これは天然記念物なので、絶対に持ち帰ってはいけないそうですが・・・
○白翎(ペンニョン)キリスト教歴史館
韓国に始めてキリスト教が伝道された場所が白翎島だったのですが、それを記念して建てられた記念館がここです。小さい素朴な建物です。こんな僻地に信仰の種が蒔かれたんですね。
白翎島は土壌がとても肥沃で、おコメをはじめとしてどんな農作物も大変よく育つとか。1年働いたら3年分の収穫があるそうです。そのため島民の65%以上は農業に従事していて、四方を取り巻く海で働く人たちはわずか10%に過ぎません。そういえば島にしては田んぼが多くて驚いちゃいました。
ペンニョンアイランド号そうこうしているうちにあっという間に12時になってしまいました。船の出港は12時40分。これで本当に帰れるのか、信じられないような気持ちでした。でもまだ気を抜いたら駄目だそうで、仁川港を目の前にして、ユーターンした船もあるとか。海は怖いですね。
ペンニョンアイランド号は行きに乗ったデモクラシー号よりも、多少新しく、キレイでした。でもやっぱり揺れるのは同じで、右へ、左へと絶えずゆれ続けました。テーマパークのアトラクションよりこちらのほうがずっと実感がこもった体験が出来るとみぽりんは思うのです。でも天気が良かったので、予定より多少早く仁川港に到着しました。
さらば白翎島!
こうして島を後にしたわけですが、1泊2日にしてはもったいない旅だったなというのが素直な感想でした。なにせ自宅から島に着くまで行きが10時間、帰りが6時間もかかってしまったのですから。感覚で言うと海外旅行みたいなものです。それに4時間以上もゆらゆらと揺れる船に乗り続けるのは本当に大変なことなんですよ。船の中にいる人は床に新聞紙をひいて寝たり、空いた席に横になったり、ひたすら午睡を貪っていましたが、不眠症が爆発気味のみぽりんは全然眠れませんでした。ふえ~~
このようにして海外旅行並みの国内旅行から無事帰ってきました。家では家族が、船が出港できなくて島に足止めを食うのではないかと、気を揉んでいたそうです。そしてみぽりんはこの時再び家族の愛を感じてしまって、変に満足してしまいました。やっぱり旅は出発するまでがウキウキと楽しくて、旅立ってしまったら家ばかり思い出される、そんなものなんでしょう。お土産にはカナリエクチョ(イカナゴの塩辛エキス)を1.5リットル(1万2千ウォン)を買ってきてしまい、重くて仕方がありませんでした。もっと手軽なお土産を開発してもらいたいですね。何はともあれ、梅雨の雲を突き抜けて、よくもあそこまで行って来たものだと我ながら感心しています。次はお天気の良い真夏に、家族連れで行きたいです!
注意1<乗船手続き>
白翎島行きの船に乗る際には、必ず身分証明書の提示を求められます。外国人登録証またはパスポートを持って行きましょう。
注意2<宿泊、観光情報>
島には民宿が沢山ありますが、ホテルクラスの宿泊施設はありません。島内の交通の便も悪く、観光をするにはタクシーが必要です。ただし道は舗装されていてキレイなので、足と体力に自信がある方は、自転車を持って行ったら楽しいかもしれません。
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記事登録日:2004-07-27