コッチャン、テチャン、ヤンコッチャン!牛も豚も美味しい、焼き方も様々な韓国のホルモン焼き!
こんにちは!ソウルナビです。ジュジュっと焼きたてのお肉をいただく焼肉。ひとくちに焼肉といっても豚もあり牛もあり、その部位も様々。定番のロースやカルビも美味しいけれど、忘れちゃいけないのがホルモン系のお肉!独特の旨みや歯ごたえが美味しいホルモンのほうが、他のお肉より好きって方もいらっしゃるのでは!?韓国でも、もちろん味わえるこのホルモン焼肉。韓国では一般的に「コッチャングイ」といい、コッチャンは小腸をはじめとするモツ系、ホルモン系のお肉のことで、グイとは「焼き」という意味。ビタミンやミネラル、たんぱく質が豊富と栄養も満点で、美容と健康、スタミナ回復にも良いといわれるコッチャン。日本とはちょっと違うホルモン系の焼肉、コッチャンを特集したいと思います~!!さっそく、いってみよ!
◆◇◆コッチャンとは!?◆◇◆
「コッチャン」というと、いろいろあるモツの中でも韓国語で小腸のこと。韓国では牛のも豚のも、両方コッチャンが食べられます。また、コッチャンというと小腸のほかにもテチャン(大腸)やヤン(ミノ)など、その他の内臓部位を合わせた総称として使われることも。日本でいう、ちょうど「ホルモン」という言葉が使われるのに似ているのでは!?ホルモンは大腸や小腸のことだけれど、胃やレバーなどその他のモツも含めてホルモンという言い方もしますよね。
ちなみに「コッチャン」は脂という意味を持つ“コッ”と腸という意味を持つ“チャン”を合わせ、脂気の多い腸という意味だそうですよ。
◆◇◆牛も豚も・・・どんな種類が!?◆◇◆
広い意味で言う韓国のコッチャングイ、ホルモン焼きは焼き方や部位がいろいろ。どんなタイプがあるのか、まずは見ていきましょう!
★★★直火焼きタイプ★★★
◎
韓国では高級品!?牛の「ヤンコッチャン」
日本でホルモン焼きといえば、味付けしたホルモンを網などの上で直火焼きする、というのが一般的なのでは!?韓国にもこのタイプはあります。焼くのは牛のホルモンが一般的で、日本ではリーズナブルなイメージですが、韓国ではかなり高価。部位はコッチャン(小腸)のほか、テチャン(大腸)、ヤン(ミノ)が代表的。また牛の内臓部分で作る料理の総称、ヤンとコッチャンをあわせた「ヤンコッチャン」という言い方もあります。中でもヤンは特に高級品として扱われ、普通の牛の焼肉か、お店によると量的なこともありそれ以上にお値段がはることも。コッチャンやテチャンも、日本と比べるとびっくりするようなお値段がついているのが普通。でも、味付けや処理の仕方、また実際にお店で出てきたものを見ると、日本の大衆的なイメージの強いいわゆるホルモンとはちょっと違うのが分かるはず。
◎
庶民派!豚の直火焼きコッチャン一方、網で焼くタイプの豚のホルモンは、練炭などで焼いたあと鉄板で温めながらいただくというお店が主流。そして牛と比べると、とーってもリーズナブル!その差は豚が牛の1/2~1/3というくらいだから、かなりの安さ。味付けはソグム(塩)味やヤンニョム(甘辛)味などがあります~。
◎
大邱の「マッチャン」とは!?また、慶尚道(キョンサンド)の大邱(テグ)では「マッチャン」といわれるホルモン焼きが有名。マッチャンとは牛の第四胃袋(日本語ではギアラ)のことをいいますが、こちらは主に豚のマッチャンが使われ、豚のマッチャンというと大腸のことをさします。豚のコッチャン類は直火焼きでも、このあとご紹介する鉄板焼きでも、いただくときは鉄板にのせて出てくるのが主流。でも「テグマッチャン」というと、豚のマッチャン(大腸)を最初から網で直火焼きにするのが普通のよう。それから豚だけでなく、牛のマッチャン(第四胃袋)も同じように食べられます。
★★★鉄板焼きタイプ★★★
◎
いろんな部位を野菜と一緒に焼く牛のコッチャン!
さきほどご紹介したように、牛のヤンコッチャンをテーブルの網で直火焼きする料理は高級品。でも鉄板で焼く牛のコッチャン=ソコッチャンは、比較的リーズナブルな庶民の味方!普通、韓国で「牛のコッチャンを食べに行こう」というと、この鉄板で焼くほうをさすことが多いとか。こちらはコッチャンだけを焼く場合もありますが、ヤン、テチャン、ヨムトン(ハツ)など牛の様々なモツを一緒に焼くことも。またモツ類だけでなく、タマネギやジャガイモ、ニンニクといった野菜も一緒に焼きます。モツから出た香ばしい脂がこれらの野菜に染みるとなんともいえず美味!^^
また、このような牛のコッチャンのお店でつけ合わせとして定番なのが生レバー。さらにセンマイ刺しも出てくることがあります。新鮮なモツ系のお肉を扱っている、というお店のアピールでもあるとか。それにしても、無料で付いてくるのなんてお得ですよネ!
◎
もっとリーズナブル!鉄板で焼く豪快な豚のコッチャン!
鉄板で焼くタイプのテジ(豚)コッチャン。お店の前では、スタッフのアジュンマ(おばちゃん)が鉄板に向かってコッチャンを炒める姿が見られます。香ばしくコッチャンの焼ける美味しそうな匂いが食欲をそそられ、ついついお店に入ってしまいそう!?唐辛子やコチュジャンなどで味付けしてニラやタマネギなどの野菜、タンミョン(春雨)と一緒に炒めるものもあれば、シンプルな塩焼きタイプもあり。一番リーズナブルにいただけるコプチャンで、お酒のおつまみにもチェゴ(最高)!!
◆◇◆コッチャンあれこれ◆◇◆
◎
ビタミン、ミネラルたっぷりでヘルシー!
モツ系のお肉はたんぱく質や各種ビタミン、鉄分、ミネラルなどを豊富に含み、部位によっては脂肪分も多く含むそう。滋養強壮、疲労回復といった効果があるほか、内臓を丈夫にし、糖尿病の予防や美肌にもよいなど様々な効能があるとか。でも、部位によって少しずつ違う栄養成分。それぞれの部位の特徴は!?
・ソ(牛)コッチャン: ビタミンB12、B2、ビタミンC、ナイアシン、脂質、たんぱく質などをたくさん含みます。コレステロールの含有量が少なく、高たんぱく質のスタミナ栄養食として知られています。また、血液循環を促進させ、血液をキレイにするので成人病の予防にすぐれた効果を発揮するそう。
・テジ(豚)コッチャン: カリウムやカルシウム、ナトリウムなどのミネラル、たんぱく質が特に豊富で、ビタミンB1、B2、鉄分なども含みます。必須脂肪酸も多く含み、成長期の子供にも良いとか。
・テチャン: ビタミンB2、B12、ビタミンK、ナトリウム、たんぱく質などが豊富。脂肪分が多く、プリプリとした歯ごたえがありながらも柔らかいのが特徴!
・ヤン: 無機質とたんぱく質を多く含み、身体の生理作用をスムーズにし、昔から汗をよくかく人や虚弱体質な人への強壮剤として、あるいはスタミナのつく食べ物として人気があるとか。特に胃の手術後にこの「ヤン」を食べると胃の機能が非常にはやく再生するともいわれ、手術後に回復期の患者が食べることが多いそうですよ。
◎
食べ方は!?
焼肉の一種でもあるコッチャングイ(焼き)。韓国で焼肉といえば葉野菜に包んだりしてお肉だけじゃなく野菜も一緒にいただきますが、コッチャングイもそのようにすることも。普通の焼肉のようにサンチュに包んだり、タレに入っているタマネギ、ニラ、青唐辛子などの野菜と一緒にほおばったり。タレは醤油ベースのものが多いけれどもお店特製のサムジャン(味付け味噌)が出てくることもあります。
また、鉄板焼きタイプの場合はコッチャンを食べ終わったあとのシメに同じ鉄板でチャーハンを作ることも。甘辛い味付けとホルモンの脂の染みたご飯が美味しい!
◎
コッチャン通り
コッチャンのお店が集まった通りはソウルにいくつかあり。特に東大門(トンデムン)や教大(キョデ)駅の近くなどが有名です。東大門のほうは豚のコッチャンを野菜や春雨と一緒に甘辛く鉄板で炒めたタイプが多く、東大門や南大門の屋台でもこのようなコッチャン炒めを出すところがあり。また教大のほうは牛の鉄板焼きタイプが主流。
また、ソウルでコッチャン通りというと、往十里(ワンシムニ)が有名でしたが、こちらは再開発のため現在ほとんどのお店が閉店してしまっています。