柚子に梅に生姜に五味子に・・・!種類豊富な韓国の伝統茶を一挙ご紹介!
こんにちは!ソウルナビです。突然ですが、皆さんは「お茶」というとどんなお茶を思い浮かべますか?日本人ならやっぱり緑茶?そのほかにも抹茶、麦茶、蕎麦茶、玄米茶などなど、日本で日常的に飲まれるお茶はいろいろありますよね。韓国でもお茶を飲む文化は昔からあり、伝統茶といわれるお茶の種類は本当にたくさんあるんです。ただ、同じお茶でも、日本でお茶といえば一般的に乾燥させた植物の葉や実を煮出した甘くないものが多いけれど、こちら韓国でお茶と呼ばれるものは日本のお茶とはちょっと違うものがいっぱい!日本でもおなじみの緑茶や麦茶もよく飲まれていますが、韓国では柚子や梅、カリンといったフルーツを使って作る甘い味の飲み物や、漢方を煎じ作られる飲み物もお茶と言ったりするんですョ。またそれらのお茶はどれも、例えばのどに良い、風邪に効く、疲労回復に良いなどなど健康志向で飲まれることも多いんです。今日はそんな韓国の伝統茶をいろいろとご紹介していきましょう!
韓国の伝統茶いろいろ!
ユジャチャ(柚子茶)
柚子(ユジャ)のお茶。日本でも最もよく知られた韓国の伝統茶の一つですよね。秋にとれる柚子を使って作られます。柚子を四等分して皮は薄く千切りに。実は種を取り出し、汁を絞って同量の砂糖か蜂蜜と一緒にビンやカメに漬けこみます。一週間くらいすれば果汁が出てくるそう。実と汁を1スプーンずつコップに入れて、熱い湯を注いで飲んだり、やかんに実を入れて少し煮立てたりしていただきます。夏には冷やして飲めば、甘酸っぱくさっぱりした飲み物に。ビタミンたっぷりで美肌や風邪予防に良い、と言われています。
テチュチャ(ナツメ茶)
ナツメ(テチュ)のお茶。ナツメは熟しぐあいのちょうどいい、虫が食っていないナツメを選ぶのがコツ。半分くらい熟したナツメがいいそう。水で洗って干したナツメと水を1:3の比率で入れ、ナツメが完全に柔らかくなるまで長く煮込んで麻の布巾で絞り、この汁を水飴のようになるまでさらに煮て、蜂蜜を混ぜてビンにいれておきます。熱いお湯を注いでいただけばOK。ナツメは昔から神経衰弱、貧血性、食欲不振、無気力、冷え性などに効果があるといわれています。
メシルチャ(梅の実茶)
梅の実(メシル)の果汁のお茶。5月末から6月中旬に採れる青梅で漬けます。梅の実はリンゴ酸、クエン酸などの有機酸のほか、カルシウム、リン、カリウムなどの無機質、カロチンも含み、疲労回復に良く、さらに解毒、殺菌作用があるので食中毒を防ぐとも言われています。また消化を促進させる効果もあるそうで、食後によく飲まれます。
モグァチャ(カリン茶)
カリン(モグァ)のお茶。カリンは皮をむき、切って種を取り除き、薄く切って同量の砂糖につけてビンに入れておきます。一週間ほど経つと澄んだ液が出てきて実が上に浮かんでくるそう。この実と果汁を1スプーンずつカップにいれて熱い湯を注いで飲んだり、やかんに実を入れて少し煮たてて飲んだりします。酸味が少なく優しい甘みが特徴。カリンは脚気治療に効果があり、昔から薬剤としても使われてきたとか。食もたれ、吐き気、気管支炎、肺結核などの改善にも効果があるそう。
センガンチャ(生姜茶)
生姜(センガン)の根のお茶。料理にもお菓子にも、そして薬剤としても使われる生姜ですが、韓国では薄く切ったものに水を加えて30分ほど煮てお茶にしてもいただきます。お好みで砂糖や蜂蜜を加えて飲むことも。また高麗人参、ナツメ、梨、桂皮などと一緒に煮込むこともあるそう。消化不良、吐き気の改善などに効果があり、血液循環の促進、解熱作用もあるそう。民間では風邪をひいたときに飲むとよいともされています。
オミジャチャ(五味子茶)
干したオミジャ(五味子)の実で作るお茶。五味子は名前の通り、甘味、すっぱい味、苦い味、辛い味、塩味の5つの味を持っています。昔から強壮剤として知られ、肺を保護し、痰や鎮をおさえるのにも効果があるとか。五味子の実は、色が薄く、その年にとれたものを選ぶのが上手に作るコツ。五味子の実を水に一晩つけるとできあがり。飲むときは砂糖や蜂蜜を入れても。温かくしても冷やして飲んでも美味!鮮やかな濃いピンク色もキレイです。
クックァチャ(菊花茶)
乾燥させた甘菊の花びらで作るお茶。お茶碗に菊の花を一緒に浮かべていただいたりもします。菊花には頭痛や目の疲労を和らげ、また肝臓に良いので疲労を回復させ二日を酔い解消し、さらに血圧を下げるなどの効果もあるとか。菊の香りがふんわりと漂う薄黄色のお茶に可愛らしく花が浮かんでいる姿は、見るだけでも癒されるかも!?
ノッチャ(緑茶)
日本人にもおなじみ、緑茶。緑茶にはカフェイン、タニン、ビタミンなどが含まれていて目を覚まし、頭をすっきりさせる効果があるのはよく知られていますよね。またアルコールやニコチンを解毒する作用や、糖尿病、高血圧、癌などの予防にも効果があるといわれているそう。 韓国では全羅南道の宝城(ポソン)の緑茶が有名。日本の緑茶よりも薄めに飲むのが主流かも。
スジョングァ(水正菓)
桂皮(シナモン)の香りとピリッとしたスパイシーさが独特な伝統飲料。生姜と桂皮を煮た汁に砂糖や蜂蜜を加えてひと煮立ちさせ冷ました後、干し柿を入れていただきます。昔は寒い冬にスジョングァを外に出して汁に薄い氷が張るほど冷やして飲んだとか。冷たいスープを飲みながら、やわらかい干し柿をすくって食べるのがなんともいえないほどおいしいんだそう。
シッケ(お米のジュース)
名節やお祭りのとき、または料理をたっぷり食べたあと、デザートとして楽しむ飲みもの。うるち米やもち米でごはんを炊き、麦芽の粉をつけておいた上澄み液に入れる。それを保温しておき、ごッ飯がボロボロになり、上にフワフワ浮いてくるとそこに砂糖や蜂蜜を入れ、一度煮立ててから冷ましたあと、冷たくして飲みます。煮立てるときに生姜の薄切りや柚子の果汁を入れると、香りと味がいっそうよくなるそう。お米の自然な甘みがほっとするお味。
サンファタン(双和湯)
風邪や呼吸器疾患にいいと有名な漢方の飲み物。白芍薬、キバナオギの根、トウキ、熟地黄、桂皮、天草、ショウガ、ナツメなどが含まれています。香りも独特で、味は苦みを伴います。そんな苦味を和らげるために、砂糖などを加えて甘くしていただくのが一般的。呼吸器疾患や風邪、疲労回復に効果があるそう。ヘルシー志向な方にオススメ!体のために一杯いかが?
そのほか、こんなお茶も!
まだまだいろんな種類のある、韓国の伝統茶。例えばこんなのがあります。
このほか、メミル(蕎麦)茶、ポリ(麦)茶、ヒョンミ(玄米)茶、ドゥングレ茶などもよく飲まれます。
どこで伝統茶が飲めるの?
ソウルには伝統茶を専門的にいただける、数多くの伝統茶専門店「伝統茶店」があります。こちらでは韓国伝統的な韓国の雰囲気のもと、伝統的な音楽が流れる中、伝統茶をゆっくり味合うことができます。また、昼間は伝統茶専門店ですが、夜になると伝統酒がメインになるお店も。お店が特に集中しているのが仁寺洞(インサドン)あたりです。
伝統茶と一緒に伝統菓子も!
伝統茶といえば、もう1つ、気になるのが伝統菓子。韓菓(ハングァ)といい、伝統茶を出されるとセットになっていたり、サイドメニューとして注文したり。せっかく伝統茶で一休みされるなら、伝統菓子を1口つまみながら、ゆっくりしましょう。特によく伝統茶と一緒に出されるのがユグァ。ちょっと歯にくっつきやすいけれどふわふわで食べやすい伝統菓子です。
いかがでしたか?韓国の伝統茶って、使われる材料も味も、本当に様々ですよね。韓国にはそんな伝統茶をいただけるお店もいっぱいあり、特にここ数年では、健康志向のブームもあり体に良い伝統茶の専門店もたくさん増えています。雰囲気のある伝統家屋でいただけるお店もあるので、観光やショッピングの合間にそんなお店でほっと一息、伝統茶を楽しむのも良さそうですョ!以上、ソウルナビでした。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-03-16