土地の神様(土神)と穀物の神様(穀神)へのチェサ(祭祀)を行う社稷大祭を見てきました!
こんにちは。ソウルナビです。今日はみなさんに社稷公園(サジッコンウォン)の社稷壇(サジッタン)で2001年10月28日開催される「社稷大祭(サジクテチェ:重要無形文化財第111号)」についてご紹介しようと思います。社団法人全州李氏大同宗約院の主管で開催されるこのお祭りは、地をつかさどる神様である「社(サ)」と五穀をつかさどる神様である「稷(ジッ)」を奉る儀礼として、宗廟祭礼(チョンミョチェレ:重要無形文化財第56号)とともに李氏朝鮮時代の重要な祭礼の一つでした。しかし残念ながら今日ではあまり広く知られていない文化遺産になっています。
地と穀物の神様にチェサ(神様をお祀りする儀式。韓国では儒教の教えにのっとって先祖を祀るのもチェサという。)を行う社稷大祭。その歴史は古代三国時代(高句麗、新羅、百済)にまでさかのぼります。三国時代から高麗時代を経て李氏朝鮮時代に至るにつれ祭礼の内容はさらにグレードアップ。昔から新しい国が起きると、まず先祖へのチェサを行い、これとともに地と穀物の神様に国民が平安に暮らせるように豊穣を祈願する社稷祭を行いました。李氏朝鮮の太祖、李成桂(イ・ソンゲ:李氏朝鮮王朝の建国者)も国を建てた後、宮殿とともに宗廟(チョンミョ:史跡第125号)、と社稷壇(サジッタン:史跡第121号)を設けました。景福宮(キョンボックン)の東側には宗廟を、西側には社稷壇を設置し、地方にも社稷壇を立てて国民の平安と豊年を祈願したのです。
社稷大祭に使用される音楽、舞踊、食べ物、衣服、儀器そしてチェサを行う手順などは、みなさんが韓国の伝統文化を理解するのに役に立つこと請け合いです。興味のある方はこの社稷大祭に直接参加してみられてはいかがでしょう(^^)?社稷大祭は高宗31年(1894)になって新官制に変わり、純宗2年(1908)日本の強い圧力を受けて廃止されたといわれています。その後80年たった1988年10月、宗廟祭礼の技能保有者であるイ・ウンピョ氏の考証を通じて復元され、2000年10月19日になって重要無形文化財第111号に指定されました。
下記は社稷大祭の行事概要です。
行事名称 : 社稷大祭−重要無形文化財第111号
行事日時 : 毎年9月か10月に開催
※2011年9月18日12:00~<2011.3.2>
行事場所 : 社稷洞社稷公園内 社稷壇
行事内容 : 国楽演奏、祭礼儀式
入場料 : 無料
行事主管 : 社団法人全州李氏大同宗約院(02-765-2124)
交通編
・市内バス−社稷公園(サジッコンウォン)下車(仁寺洞方面からは171番、272番、教保文庫前からは606番、市庁前からは706番、708番、東大門からは7025番)
・地下鉄−3号線キョンボックン(景福宮・Kyongbokkung)駅下車。
以上、社稷大祭についてチェックしてみました。社稷公園の中央には意外と低い二重の垣根で取り囲まれた2個の祭壇があります。東門の前の社稷壇は土地神を祀る祭壇、西門の前の社稷壇は穀物神を祀る祭壇です。この場所は史跡第121号に指定されているため社稷大祭が行われる時でないと入れない立ち入り禁止区域!皆さんこの日をお見逃し無く(^^)!
以上、社稷大祭を指折り数えて待っているソウルナビでした。
その他情報
※記事に写真と交通情報を追加しました。<2011.9.20>
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記事登録日:2011-09-20