東・西洋の感性を合わせた前衛芸術の先駆者、オノ・ヨーコのアジア初回顧展
こんにちは!ソウルナビです。今日は今ソウルで開催されている展示会の情報を一つお伝えしましょう。先日NHKのインタビュー番組でご存知の方もいると思いますが、故ジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコの回顧展(2003年6月21日~9月14日)がアジアで初めて、ソウルのロダンギャラリー(ロデン・ゲロリ)で開催されています。オノ・ヨーコさんは今回この展示のために初めて訪韓し、展示会前日に行われた記者会見では、たくさんの取材陣に囲まれてパフォーマンスを見せたり、展示会初日には「オノ・ヨーコとの対話」のイベントにも参加と、意欲的な姿を見せていました。
今回の展示は、オノ・ヨーコの隠された芸術世界を体系的に表現した初めての展示会。2000年ニューヨークにあるJapan Society GalleryのAlexandra Munroe館長が企画し、オノ・ヨーコ・コレクションのキュレイターであるジョン・ヘンドリクスが力添えして開催されることになった、芸術家オノ・ヨーコの活動を集大成した大規模な回顧展です。アメリカではMIT、FMoMAなど6つの美術館を巡回し、国際批評家協会アメリカ支部の美術館展示最高賞を受賞するなど美術界で注目を集め、アジアでも今回のソウル・ロダンギャラリーを皮切りに、日本東京現代美術館など巡回展示を予定しているということです。
オノ・ヨーコは美術、音楽、映画、パフォーマンスなどジャンルにこだわらない前衛芸術に大きな影響を及ぼした20世紀の芸術家です。反戦、平和運動を唱え、作品を通じて肯定と希望のメッセージを伝えてきました。しかしオノ・ヨーコとその芸術は、彼女が東洋人かつ女性であるということで西洋の美術界では公正かつ客観的な評価を受けられず、また何よりもジョン・レノンの妻ということによる偏見やうわさに悩まされ、ますます一般大衆から遠ざかっていきました。そこでロダンギャラリーでは今回の展示をジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコではなく、1人の芸術家としてのオノ・ヨーコの存在を一般にも広く知らせる機会となることを願い、アメリカでの巡回後、アジアで初めての巡回展を招致することにしたんだそうです。
展示の構成としては、1960年代から1990年代の約40年の間の彫刻と絵画、設置と映像、写真と資料など125点に及ぶ作品を、年代や作品の形式別に6つの作品パートに分けて展示されています。
<grapefruit :Early Instructions>
導入部。1960年代初期、フラクサス(前衛芸術集団)形成期の初期の概念的な作業を紹介。
<Half-a-Wind : Early Objects>
1966年から1967年まで、ロンドンのインディカギャラリーにおかれた歴史的なオノ・ヨーコの展示を紹介。
<Fly : Events, Performances and Films>
オノ・ヨーコが行ったイベントやパフォーマンス、映画を写真と映像で紹介。
<War Is Over! The Peace Movement and Other Collaborations with John Lennon>
1969年3月に結婚したジョン・レノンとオノ・ヨーコが、芸術的同伴者として一緒に行ったさまざまな平和イベントなどを紹介。
<Play it by Trust : Recent Works>
70年代初期から長い間映画と音楽に熱中した後、1980年代後半からオノ・ヨーコが過去の作品を青銅で作り直した作品の紹介。
<This is Not Here : Yoko Documents>
広い範囲の媒体を包容し、新しい表現の形式を発見したオノ・ヨーコの豊かな40年間の芸術家人生を表現。
現在、ロダンギャラリーのある市庁(シチョン)周辺では「オノ・ヨーコ回顧展」の紹介のポスターや垂れ幕が貼られ、オノ・ヨーコさんの顔が街のあちこちでヒラついてます。ナビ友もオノ・ヨーコファンが多く、もう観に行ったよと言ってました。展示は2003年9月14日までやってるので、みなさんも旅のついでに、ソウルで一足お先にオノ・ヨーコの40年間の世界にふれてみてはいかがでしょう?以上、ソウルナビでした。
展示名:オノ・ヨーコ回顧展 YES YOKO ONO
場所 : ロダンギャラリー(市庁・三星生命ビル1階)
期間 : 2003年6月21日~9月14日(86日間,月曜日休館)
観覧時間 : 10:00~18:00
観覧料 : 大人4,000ウォン/小・中・高生2,000ウォン(10人以上50%割引)
電話番号 : 02‐2259‐7781
☆展示関連イベント
<オノ・ヨーコとの対話/講演会>
日時 : 2003年6月21日(土)14:00
場所 : 三星生命国際会議室
<オノ・ヨーコと音楽>
日時 : 2003年7月5日(土)14:00
場所 : ロダンギャラリー
主題 : オノ・ヨーコの音楽とジョン・レノンへの影響、フェミニズム音楽の旗手、オノ・ヨーコ
講師 : 音楽評論家 イム・ジンモ
<キュレイターとの展示観覧>
日時 : 2003年7月12日(土)14:00
場所 : ロダンギャラリー・グレースパビリオン
主題 : オノ・ヨーコ40年の作品世界
講師 : テ・ヒョンソン三星美術館専任研究員
ロダンギャラリー(ロデンゲロリ)への行き方:
地下鉄1・2号線シチョン(市庁・City Hall)駅8番出口をでて目の前の大通り(テピョンノ)を右へ、しばらく行くと右手に三星生命ビル(三星プラザ)がある。ビル1F。徒歩約3分。
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記事登録日:2003-06-25