ケジャングッとも言われる夏場の滋養料理。かつては夏のポンナル(伏日・暑い夏の期間中の特に三日をさす)によく食べられた代表的な料理。
韓国には犬肉を食べるという食文化が昔からあり、犬肉は胃腸を丈夫にし、体力を増進すると言われ、朝鮮時代の韓国の名医ホジュンの著「トンイボガム」には犬肉は五臓を楽にし、気を調節し、腸と胃を丈夫にし、腰と膝を楽にするという説明がある。食感は牛肉よりも豚肉に近く、とても柔らかく、特に皮のあたりがプヨプヨ。コレステロールは低く、あぶらギトギトの感じはまったくない。
ポシンタンを作るときはテンジャン(韓国みそ)をといた水に生姜と肉を入れて茹で、筋にそって裂く。次に肉と里いもの茎、長ネギを合わせてタレをもみこみ、再び肉のダシ汁で煮込む。味が出てきたらエゴマの葉とエゴマの汁を入れて塩で味を整え、セリを入れてさらに少し煮込んでできあがり。
ケジャングッを最初のポンナルに食べると、夏バテをしないと言われている。また女性は美容のため、男性は健康・スタミナのために食べる。しかし韓国では犬肉が正式の食肉として認められていないため、加工や流通過程に問題も。また犬肉を好む人にとっては普通に食べる料理だが、外国での評判や最近のペットブームにより犬肉は絶対に食べないという韓国人も多い。オリンピックなどの国際的な大きなイベントがあるごとに犬肉を食べられる食堂の数がどんどん減り、裏通りに追いやられている。