韓国伝統の冬の味

雪がしんしんと降る、そんな寒い日にあったか~いオンドル部屋で食べてこそ分かるおいしさ!

こんにちは、ソウルナビです。日本の冬の味と言えば何といってもお鍋が最高(^^)ですよね!!もちろん韓国でも寒い冬はチョンゴル(鍋料理)の季節。ぐつぐつ煮えたスープをふ~ふ~しながら一口食べれば冬の寒さもあっという間に吹き飛んでしまいますよね。韓国ではチョンゴルの他にもチゲやタンなど、寒さでガチガチに凍りついた身体を溶かしてくれるあつあつの汁物料理が夏以上の人気を誇っています。では、あつあつの汁物料理のほかに韓国の人たちが食べる冬の味にはどんなものがあるんでしょうね?ということで今回は韓国の冬の食べ物をいくつかご紹介することにしましょう。といっても、ここでご紹介するのは専門店で豪勢に食べるスゴイ料理ではなく、韓国の人たちが冬の間手軽に家庭で楽しんでいる、そんな冬の味を探してみました。さてさてどんな料理が出てくるでしょう。ではさっそく見てみましょう!
1.冷麺(ネンミョン)
今では全国的に夏に食べられていますが、もとはといえば大衆的に冬食べられる食べ物でした。そう、冷麺は胸の中までさっぱりする冬の味の代表格!記録によると朝鮮時代から食べられていたと推測される冷麺は、主に北の平壌(ピョンヤン)や咸興(ハムフン)で多く食べられていました。それが1950年に勃発した朝鮮戦争後、全国各地に広く普及したとのことです!平壌はムルネンミョン(牛肉でとった透き通ったスープの冷麺)、咸興はピビンネンミョン(唐辛子ベースの真っ赤なタレがまぶされた激辛冷麺。正確には刺身ののったフェネンミョン)で有名!なかでもムルネンミョンは雪がしんしんと降る寒い冬の日に暖かいオンドル部屋でネンミョン皿を手で持って、麺をずずっと口の中にほおばると同時にスープ(ユクス)をぐぐっと飲むのが本当の食べ方!!ご存知でした (^^)?
2.マンドゥ(饅頭:餃子のこと)
冬と言って真っ先に思い浮かぶ食べ物の一つ、マンドゥ!もともとマンドゥは中国から入ってきた食べ物で、韓国では朝鮮時代中期以前から食べはじめられたんだとか!昔は冬、特にお正月によく食べられた、何かおめでたいことでもなければめったに食べられない特別な料理でしたが、最近では家庭やお店で手軽に食べられるようになりました。今でも特に旧正月には韓国のほとんどの家庭でトックッ(餅入りスープ。いわば韓国のお雑煮)やマンドゥグッ(餃子入りスープ)あるいはトンマンドゥグッ(餅と餃子入りスープ)を作って食べます!あったかいスープの味がこたえられないマンドゥクッは寒い冬、家族全員が食卓を囲んで食べる時が最高!
3.クンコグマ(焼いも)とトンチミ(ダイコンを塩水につけた汁の多いキムチ)
焼いもとトンチミは食べた人のみぞ知る・・・言葉にはできない味^^!ふっくらほくほくあったかい焼きいもを一口ほおばって、少し凍ってシャリシャリしたトンチミのスープを一口すする。その味は何ともファンタスティック!特に夕食を早く食べた日の夜、10時以降のお夜食に友達と、また家族で仲良く食べればそのおいしさは2倍、いや3倍!!もちろん1人こっそり内緒で食べる焼いもの味も絶品(^^)!でもおいしいからといって欲張ってたくさん食べているとそのうち飽きてくるんですよね。焼いもは1~2個程度にとどめておくのがおいしく食べる秘訣!みなさんにも是非おススメしたい韓国の味の一つです。
4.メミルムッ(そば粉をゼリー状に固めた食べ物)とチャプサルトッ(もち米で作った餅)
30代以上の韓国人に「メミルムッとチャプサルトッ」について尋ねると、多分ほとんどの人はきまって「め~みる~む~う~っ!!ちゃ~ぷさ~ると~お~っ!!」という独特の節を口ずさみながら昔の懐かしい思い出を語ってくれることでしょう。冬の夜更け(夜中10時~12時)寝床に入る前、小腹がすいてくるこの時間に通りから聞こえてくる、もの売りの声。この声を聞いて誰もが1度はメミルムッやチャプサルトッを買った覚えがあるからです。このようにメミルムッとチャプサルトッは韓国人にとっては懐かしい冬のおかずの定番でした。夜更けのお腹がすいたころ、ちょうど売りに来るという絶妙のシチュエーションでいつもよりずっとおいしく感じられたことでしょう、、、今ではほとんどみられなくなった昔の風景ですが、懐かしがって大型スーパーやトンネ(町内)の市場で買う人が今でもいるんですって!
5.ファンテヘジャングッ(黄太のスープ)
昔から韓国の大切な水産物であると同時に栄養食品でもあるミョンテ(明太:スケトウダラのこと)!!このミョンテ、またの名をファンテ(黄太)ともいいます。スケトウダラを冬の間に釣って凍らせたものをトンテ(凍太:凍らせたスケトウダラのこと)といいますが、卵をもっているトンテが冬中天然冷蔵庫(戸外ってことです^^)で凍ったり溶けたりしながら黄色く乾燥したものを特にファンテ(黄太)と呼びます。このファンテを使って作られたファンテヘジャングッは解毒作用に優れており、二日酔いや食欲増進の効果が期待できる冬の味として知られています。ファンテを使った料理にはファンテヘジャングッはもちろん、ファンテグイ(焼き物)、ファンテチム(蒸し物)などさまざま。このファンテ、江原道(カンウォンド)地方で食べてこそ本当の味が味わえるとのことですよ。
6.ピンオ(氷魚:ワカサギのこと)の刺身
氷魚(ピンオ)というのはワカサギが氷の下にしかいないことからつけられた名前!!透明度の高いキレイな水にのみ棲息するピンオは釣る楽しみも一緒に味わえるのが魅力!!ピチピチ跳ねまわるピンオを捕まえて生きたままチョコチュジャン(お酢を加えたコチュジャン)につけて食べる踊り食いは冬ならではの味!!ピンオは骨が薄く、生臭味もないので50回以上噛んでいるとピンオ本来の味が感じられるんだとか!胃腸の弱い方にはフライパンで揚げた、ピンオティギム(ワカサギのフライ)がオススメ!毎年1月末頃に江原道麟蹄郡(カンウォンド・インジェグン)にある昭陽湖(ソヤンホ)上流で全国規模の冬のお祭り「ピンオテチュクチェ(氷魚大祝祭:ワカサギ祭り)」が開催されます。その時にはおいしいピンオを味わおうと全国各地から集まってくる人でいっぱい!!ナビもいつか行ってみたいです(^^)。
7.スジョングァ(水正果)
シナモンとショウガに水を加えて煮詰めたところに砂糖やはちみつを加えて冷まし、そこに干し柿を漬けて松の実を浮かべて食べる飲物で、いまやシッケ(麦芽の溶液に固めのご飯を入れて発酵させた甘酒の一種)とともに韓国を代表する伝統ドリンクの一つ。スジョングァは甘さの中にピリッと効いたショウガの味がうまくマッチした、化学香料を添加して作られた人工的な飲み物とはまったく違う独特の味がします。特にスジョングァは寒い冬に食欲を増進させる冬の飲み物で、冷やして飲むのが一番!!韓国の飲食店で食後のお口直しの飲物として出されるところもあります。
以上「韓国の冬の味」と題して見てきましたが、いかがでしたか?みなさんはこの7種類の食べ物のうちいくつくらい食べたことがありましたか?1つ?2つ?それとも7つ全部(^^)?え、1つも食べたことがないですって(ーー;)?まだ食べたことがないものは、次の機会にぜひ挑戦してみてくださいね(^^)!上で紹介した韓国の冬の味を見てみると、スープ系のあったかい食べ物もある反面、冷たい食べ物もあるのが特徴!!韓国の真冬の寒さよりさらに冷たい食べ物を食べて寒さを撃退しようということでしょうか。まさに冷をもって冷を制す「以冷治冷」?!
やっぱり昭陽湖の上流で開催される「ワカサギ祭り」にいつかぜひ行ってみたいソウルナビがお送りしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-01-20

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